>  >  > ライブアーティスト・aikoの本質

西廣智一『aiko 15th Anniversary Tour 「POPS」「ROCKS」』レビュー

「POP」と「ROCK」の15周年ツアーDVDが示す、ライブアーティスト・aikoの本質

関連タグ
aiko
JPOP
シンガー
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
20140927-aiko.jpg

 aikoのライブBlu-ray / DVD『aiko 15th Anniversary Tour 「POPS」』および『aiko 15th Anniversary Tour 「ROCKS」』が、3月20日に同時リリースされる。本2作品には2013年にデビュー15周年を記念して同時開催された、内容の異なる4本のツアーを収録。『aiko 15th Anniversary Tour 「POPS」』にはホールツアー『Love Like Pop vol.16 ~15th Anniversary~』とアリーナツアー『Love Like Pop vol.16.5 「15周年、本当にありがとうございまし」』、『aiko 15th Anniversary Tour 「ROCKS」』にはファンクラブ限定のライブハウスツアー『Love Like Rock vol.0 ~パンツの替えは持って来いよ~』と全国のZepp会場を回った『Love Like Rock vol.6 ~15周年だなんて…やだ、涙が出る~』の模様がそれぞれ収められている。

 正直、このツアーの全貌が明かされたときは僕自身「なんて無謀な……」と思った。アニバーサリーツアーなのだから、例えば主要都市の大バコで数回ライブをすればいいんじゃないかって。だけどaikoは絶対にそんなことをしない。彼女にとってライブは作品をリリースするのと同じくらい大切な活動であって、ファンと直接コミュニケーションを図ることができる重要な場なのだ。

 SNSが一般的に普及した昨今、aiko自身もTwitterやLINEといったものを使ってはいるものの、やはりファンへの思いをダイレクトに届けるための場は今でもライブ会場であるのは紛れもない事実。特にディープなaikoファンならば、それがどれくらい大切なものかはおわかりいただけるだろう。事実、僕も初期は音源だけで彼女のことを評価してきたが、10数年ほど前に初めてライブに足を運んでその考えを改めた1人だ。

 音楽的にも高度で、それでいて隣に寄り添うような歌詞とメロディと歌声が心地よいaikoの楽曲は、ライブを通すことでその魅力が変貌していく。パワフルなロックチューンはより凶暴に、切ないバラードはよりエモーショナルなものへと進化するのだ。しかも長年にわたり彼女をサポートしている熟練ミュージシャンたちと一緒に、ライブを重ねるごとに日々成長していく。そこはごく一般的なロックバンドとなんら変わりはない。そして、まるでラジオを聴いているかのようなMCとコールアンドレスポンス、観客を巻き込んだ即興の弾き語りコーナーなど、現場に赴かないと知りえなかったaikoの個性や魅力を存分に楽しめる場所。しかも観客と密にコミュニケーションを図ることにより、どんなに会場が広かろうがaikoの存在を間近に感じられる空間。それが「aikoのライブ」の醍醐味なのだ。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版