Flowerが支持を拡大してきた理由は? 新体制となった最新シングルを分析
E-girlsの中核グループとしても活躍するFlowerが、新体制となって初となる両A面シングル『さよなら、アリス / TOMORROW~しあわせの法則~』を2月18日にリリースした。
同作は、Flowerにとって9枚目のシングルで、昨年1月のファーストアルバム発売以降、夏・秋とコンスタントにリリースしてきたシングルに続く作品だ。シングルリリース時のイベントにおける動員力は右肩上がりで、メンバー1人1人の認知が既存のファンのみならず、メンバーと同世代の10台後半~20代前半を中心に、幅広く浸透してきていることが伺える。(参考:Flower、鷲尾伶菜の急成長で人気拡大へ 『秋風のアンサー』発売イベントに5000人超)
「さよなら、アリス」は、Flowerにとって初となる男性目線の歌詞で綴られており、これまでのシングル曲で表現されてきたFlowerの魅力である“切なさ”や“憂い”に、“儚さ”も加えられた新境地が表現されている。また、作曲には河田総一郎と佐々木望による音楽ユニット・Soulifeを迎え、ブラックミュージックの色は抑えられ、より耳馴染みの良いポップス/バラードに仕上がっている。前体制では鷲尾伶菜と武藤千春によるツイン・ボーカルを軸に、市來杏香がポイントで色を添えるというパターンの歌割りが目立ったが、今作は鷲尾の柔らかくきめ細やかな、しかし芯の強さを感じられるメインボーカルをより活かそうという意図が感じられる楽曲で、新体制での方向性を打ち出した一曲といえるかもしれない。言い換えれば、鷲尾が軸となったことにより、より繊細な表現へと向かったのが今作ではないだろうか。ファンの間では、昨年10月に新体制となったことがグループにどんな影響をもたらすかが注目されていたが、今作を聞き、Flowerはまだまだ成長していくグループだと確信を持ったファンも少なくないはずだ。
実際、「さよなら、アリス」はすでにファンの間では「Flower史上、最も切なく泣ける曲」との呼び声も高く、写真家・映画監督の蜷川実花が監督を務めたミュージックビデオは、YouTubeに公開して3週間で約170万回再生と、過去最高のペースで再生されており、さらなるブレイクの兆しを見せている。
一方で「TOMORROW~しあわせの法則~」は、現在公開中の映画『ANNIE/アニー』日本語吹替版テーマソングとなっており、ボーカルの鷲尾伶菜は、日本代表として世界各国の歌手・声優が「Tomorrow」を歌う“「Tomorrow」アラウンド・ザ・ワールド・クリップ”にも参加している。そのボーカルの魅力はファンのみならず、広く音楽シーンでも注目を集めるようになってきているようだ。