2015.02.18 18:00

Flowerが支持を拡大してきた理由は？　新体制となった最新シングルを分析

Flower　『TOMORROW ～しあわせの法則～』

　もちろん、Flowerが支持を拡大してきた理由はほかにもある。グループが発信する完成度の高い世界観もまた、彼女たちの人気を高めている一要素だろう。シングル『太陽と向日葵』発表以降、『白雪姫』『熱帯魚の涙』など、Flowerの作品には童話をイメージさせるタイトルが並ぶようになり、ミュージックビデオも歌詞世界を具現化したような幻想的な映像が目立つようになった。昨今の日本の音楽シーンでは、SEKAI NO OWARIを筆頭に、Sound HorizonやBABYMETALといったアーティストが、楽曲やアートワーク、ミュージックビデオやライブパフォーマンスまでを含め、ひとつのファンタジックな世界観を描き出して人気を集めているが、Flowerもまた、こうした潮流に合わせた表現を追究しているといえそうだ。また、メンバーの藤井萩花はモデルプレスのインタビューにて、ここ数作のシングルの作詞を手掛ける小竹正人氏とのコミュニケーションが増えた事で、楽曲に対する理解が深まっていることを明かしており、彼女たちが思い描くFlower像がさらに明確になっていることが伺える（参考：Flowerの素顔を紐解くQ＆A【リレーインタビューVol．1藤井萩花】）。その世界観は、E-girlsの親しみやすくガーリーな路線とは好対照で、２つのグループで別の顔を見せていることが、彼女たちの表現にさらなる奥行きを与えているのではないだろうか。（参考：E-girlsは年々若返る!? ガーリーポップ路線で新規ファンを開拓中）

　2月14日に福岡マリンメッセで行われたE-girlsのツアー初日では、Flowerが初夏に単独ツアーを行う事が発表された。E-girlsの個々のグループが単独ツアーを行うのは初めてで、このツアーをきっかけにFlowerの人気はますます確実なものとなるだろう。3月4日に発売されるセカンドアルバム『花時計』には、ツアーに向けてどのような楽曲が収録されるのか、期待は高まるばかりだ。

（文＝松下博夫）