「放送したら終わり」ではもったいない――NHK『ゲームゲノム』5年目の決断、11本の“資産”を届け直す秋がやってくる
『ゲームゲノム』シーズン1、11本それぞれの見どころ 制作陣が明かす当時の裏側
ーー数ある放送回のなかで、なぜパイロット版+シーズン1の11本という単位だったのでしょうか。
平元:拡大版や派生番組を除いてもこれまで26本の番組を作ってきましたが、2021年・2022年の頃はまだ『ゲームゲノム』の認知がそこまで広がっていなかったように思うんです。最近番組のことを知ってくださった方が、初期の放送回を見たことがなかったりする。そういった方たちのために、まずは初期の11本を配信したいなと。
あとは、録画を消してしまった、ハードディスクを整理するなかで迷っているという方も結構いらっしゃると思います。いつでも何本でも見られる形にしたいなというところで、この11本を選びました。
シーズン1のラインナップは、古今東西、テーマもさまざま、作られた国もバラバラであることを意識していました。誰もが名前だけでも聞いたことがあるシリーズだけでなく、インディー作品も積極的に取り上げていくという当初の理念を、シーズン1の段階で実現させようという気持ちが強くあって、それがラインナップからも見て取れるんじゃないかなと思います。
パイロット版「つながり ~デス・ストランディング~」(拡大版)
ーーここから11本の見どころを伺っていきます。まずは、平元さんがディレクターを務められた、番組の原点にあたるパイロット版です。なぜ『デス・ストランディング』から始めたのでしょうか。
平元:分断と孤立が延々と続いているなかで、それをSF的な世界観と「物を配達する」という、どうやったら考えつくんだろうというゲーム性のなかで、都市と都市、人々、精神的なものをつなぎ直していく。そのテーマと仕掛けの数々に、プレイヤーとしてものすごく感動したのを今でも覚えています。
作品に込められたメッセージ、それらを考えさせられるゲームデザインが見事に融合している本作は、まさにゲームを文化として伝える価値があると感じたんです。そして実際に本作を遊んだ本田翼さんと星野源さんがどう受け止めたのか。つまり、作品が持つデザインやメッセージとユーザーのプレイ体験、それらが一つに合わさってゲームの遺伝子、『ゲームゲノム』が刻まれるという、番組のコンセプトを徹底的に練り上げて臨んだ回でした。そんな挑戦をするには『デス・ストランディング』しかないな、と。
ーー1本目にふさわしいタイトルを選ぶうえで、譲れなかったと。
平元:元々パイロット版を企画する段階で、生意気にもレギュラー化を見据えていたので、自分の中で他にも魅力的な候補はいくつもありました。それでも『デス・ストランディング』で勝負したい、と思ったんです。誤解を恐れずに言えば“説明が難しいゲーム”で番組を作りたかった。それを分かりやすく伝えるのが僕たちテレビマンの仕事ですし、醍醐味でもある。結果は、是非本編で確かめてほしいです。
「つながり~デス・ストランディング~(拡大版)」視聴はこちら
一番の見どころは、本作を手掛けた小島秀夫監督の思想とゲームシステムの密接な関わりを解き明かしているところです。拡大版では星野源さんの素晴らしい考察が最後に飛び出すので、必見です。
「孤独と生命 ~ワンダと巨像/人喰いの大鷲トリコ~」
平元:レギュラー放送の第1回では、上田文人さんの三部作から2作を扱っています。『ワンダと巨像』『人喰いの大鷲トリコ』の舞台は「どこかにありそうでなさそうな架空の世界」なのですが、キャラクターにすごくリアリティがある。“挙動”というにはあまりも生々しい、生命感といいますか。そして両者に共通しているのは、主人公も相対するキャラクターもすごく孤独な存在であるということ。そのやりとりのなかで、「人って究極的に言うと孤独だよね」という残酷さと、一方にある「その孤独を寄り添わせると何か気づくことがあるよね」という視点でひも解きました。
パイロット版に引き続きMCは本田翼さんで、この回は上田さんの作品が大好きな山田孝之さんに来ていただきました。VTRを見ながら山田さんが目をウルウルさせるくらいの感動的なシーンもご紹介しますので、そのあたりも見どころですね。
「孤独と生命~ワンダと巨像/人喰いの大鷲トリコ~」視聴はこちら
「心の世界を冒険する ~ペルソナ5~」
平元:ディレクター、総指揮を担当されている橋野桂さんにスタジオへお越しいただいて、「ペルソナ」ファンの野田クリスタルさんを招いてさまざまなお話を伺いました。この回は、堀江くんがきっかけで大きく盛り上がった企画なんですよ。
堀江:レギュラー放送の制作が始まったときに、週に1回のペースで定例会をやっていたんです。ディレクターそれぞれが企画や取材の報告をして、演出などをチームで自由にブレストするのがとても楽しくて。そんな中で「ペルソナ5」は企画が通る一歩手前で、「あとなにかピースが足りない」と議論になっていたんです。これは『ゲームゲノム』あるあるで。テーマをずばり言い当てるワードとか、起承転結になるテーマ立てはどの回も難しいんです。ただ、私の姉が「ペルソナ」シリーズの大ファンで、根掘り葉掘り魅力を聞いてみたんです。それで気付いたのが「世の中のことを真面目に描いているゲームなんだな」ということでした。社会で起きるさまざまな出来事を、学校で起きる問題に落とし込むなど、まさに世の中を描いているなと。番組につながる何かがあるんじゃないかと平元さんや担当ディレクターにお話ししました。
平元:「理不尽な大人や社会に対して、若者たちが立ち向かっていく青春群像劇を描きたかった」と橋野さんもおっしゃっていて。ともすれば説教される側の子どもが、大人に立ち向かっていく冒険活劇のなかで、「ペルソナ」という“心の仮面”をどう付け替えていくか。そこをテーマにして制作しました。ゲーマー同士が集まったチームだからこそ、いろいろな視点を持って自分の担当回以外にもアイディアを出せる。そこが、『ゲームゲノム』を作っていく上で刺激的な瞬間でしたね。
「逆転はミステリー ~逆転裁判~」
平元:裁判を舞台に、主人公は弁護士で、不利な状況で証拠を集めて形勢を逆転するカタルシスに注目してお伝えしました。「逆転する」ことの気持ちよさをここまでインタラクティブに体験できるエンターテインメントは、なかなかないんじゃないかと感じた回でしたね。もちろん巧舟さんが手掛ける物語も本シリーズの魅力。どのエピソードも波瀾万丈、ジェットコースターのような展開で、衝撃的な結末が待っている。番組では、“ドタバタ法廷コメディーを作ろうと思った”という企画誕生のエピソードも飛び出しますが、エンディングの空気感というかメッセージも胸に去来するものがあって。プレイ体験を通して“価値観の逆転”まで突きつけられるのが印象的でした。このあたりは本編で是非ご覧いただきたいですね。
また、巧舟さんのモノ作りのこだわりも注目です。当時はハードの制限で、決め台詞を除いてキャラクターボイスがなくて、セリフが出るときは「ピロピロ」という音が鳴るですが、その速さや音程をキャラクターごとに調整して、あたかもそれぞれが喋っているように聴こえるよう作り込まれている。そうした創意工夫の数々によって作品に感情移入できるからこそ、最後のカタルシスにつながっているんだろうなと。
「究極の達成感 ~DARK SOULS~」
平元:“死にゲー”とも呼ばれる高難易度のアクションRPGの金字塔ですね。何十回、下手したら百何十回と同じボスに負け続けて、なんとかして勝ったときに出る“脳汁”みたいなもののヤバさ、―――まさに究極の達成感を味わえる。『DARK SOULS』から派生した“ソウルライク”というジャンルは、今もなおその遺伝子を受け継いで、世界中で作られ続けていますよね。その独特な魅力を番組で描こうとしたわけですが、映像化するのはかなり大変で……。もちろん苦労したのは、担当ディレクターです。『ゲームゲノム』は象徴的に使わせてもらうPVなど除いて、ほぼ全てのゲーム画面、プレイ映像をディレクターが自分でプレイしながら画面収録するという特殊なロケをする番組でもあります。そういう意味では、“死にゲー”好きの堀江くんもこの回については驚いていたよね?
堀江:テーマが「究極の達成感」で、それを映像で見せることが難しいということに担当ディレクターが本気で向き合いながら作っていたのは知っていましたが、完成した本編を見て驚愕しました。この番組、ランダム要素が多いゲームは画面収録がすごく大変で、ストーリーを進めているだけでは撮れない画面がいくつかもあったりして、『DARK SOULS』もそう。視聴者の皆さんに伝わる映像にするために、結局、千何百回と死にながら収録するというディレクターの狂気が番組の解像度を上げていると感じましたね。
平元:死ぬ場面も、それを克服した場面も、象徴的にわかりやすく撮らなきゃいけないので、担当ディレクターもすごく苦労したと話していました。もはや、この収録の苦労を番組のなかでお伝えすること自体が「究極の達成感を得られるゲーム」というメッセージになるだろうと、ラストカットでちょっとした捻りのある演出をしています。もちろん、これだけ見ても分からないと思うので、本編を見ていただいて、ある意味で一緒に“究極の達成感”を味わってもらえたらと思います。
「恐怖の正体 ~バイオハザード~」(拡大版)
平元:エポックメイキングだったのは、番組内でメインに取り上げた『バイオハザード7 レジデント イービル』を手がけられた竹内潤さんにスタジオへお越しいただいたうえで、初代を手がけられた三上真司さんにも取材をさせていただいたことです。お二人は今、会社は違いますけれども、師匠と弟子のような関係で。シリーズを通して、初期作品から変わらないこと、進化を遂げたことが紐解かれていくことが見どころかなと思います。
三上さんが当初からこだわったのは、怖いんだけどやってしまう、怖いのに先に進みたくなるという仕掛けです。竹内さんはそれを引き継いでいて、『7』ではシリーズとして初めて主観視点を導入するなど、かつてできなかった恐怖の描き方を徹底的に追求しています。ただ、これ自体は視点の置き方、曖昧さ、緩急の付け方といった見せ方の話で、シリーズとしてはずっと同じ哲学のもとに作られてきたのも印象的で。“緩急”といえば、唯一ゲストとしての参加になった三浦大知さんが、ご自身のダンスと通ずる考え方を話されていたのも興味深かったですね。要は、ジャンルは違えどエンターテインメントとして「ここでお客さんにハッとしてもらおう」という部分への持っていき方というか。実際のパフォーマンスの映像も紹介しているので、なるほどと思っていただけると思います。
堀江:私も“恐怖の正体”を生み出すゲームとしての仕掛けの数々に驚きましたね。徹底的に研究されているんだなと。たとえば、マップの廊下の広さひとつとってもこだわりがあったりして。神は細部に宿ると言われますが、本当に細かいところまで考え抜かれているからこそ、“怖いけどプレイしたくなる”に繋がっているんだなと感じました。
平元:廊下の幅の秘密は番組内でも紹介しているので、ぜひ見てみていただきたいですね。「人間工学的には…そこをあえて…」みたいな話も飛び出すので奥深いんですよ。師匠から弟子に受け継がれて昇華させたという時間軸もあって、クリエイター同士の遺伝子の共鳴とでも言いましょうか。そうしたエモーショナルな部分も感じていただけるんじゃないかなと思います。
「ひらめきで歴史を作る~ロマンシング サガ2~」(拡大版)
末包:30年以上前に発売されたゲームでありながら、放送への反響がすごく大きかった回ですね。見ている方も、当時の記憶がかなり強烈に残っている作品なんだなということを、Xに投稿されている皆さんのリアクションを見ていてあらためて感じました。
平元:ファンの熱い想いを象徴するポイントとして、ゲストの金子ノブアキさんの少年のようなリアクションに注目していただくと楽しいと思います。ファンから“河津神”と呼ばれている河津秋敏さんに来ていただいたのですが、収録がスタートしてから金子さんがカメラ側をすごく見るんですよ。左手にMCの三浦さん、正面に河津さんがいるのに、僕らがいるカメラ側をチラチラ見る。なぜかと聞いたら、「河津さんを前にしてものすごく緊張していた」と。子どもの頃に影響を受けた、神様みたいな存在がこの距離にいて、自分の質問に答えてくれる。とんでもない高揚と緊張感が交差して、目を合わせられなかったそうで。
一瞬だけ収録を止めて、金子さんに「せっかくのなので、ぜひ真正面でお話しいただきたいです」とお伝えしたら、そこからもう吹っ切れて、キラキラした少年のような目で、常にテンション高くお話してくださいました。
ーー金子さんのテンションの高ぶり具合、というのも見どころですね。
平元:もう一つ見どころがあって。本作の「閃き」システムをずばり捉えられた瞬間ですね。バトル中に強力な技などを閃いて、形勢逆転の起点になるというものですが、発生には運の要素も絡んでいるのがポイントです。その喜びをリアルに描けないかと、三浦さんにノエル戦(作中ボス)に挑んでもらいました。ギリギリ勝てないくらいのパラメーターで臨んでもらったんですけど、本当に奇跡的なタイミングで「見切り」をひらめいて。見守っていた金子さんも大興奮で収録ができたという、奇跡のドキュメンタリーバトルが見られます。
「ひらめきで歴史を作る~ロマンシング サガ2~」(拡大版)視聴はこちら
「選択の重み ~ライフイズストレンジ/ライフイズストレンジ2~」
平元:世界中で大ヒットした「ライフ イズ ストレンジ」シリーズの1作目と2作目を扱わせていただきました。いわゆるアドベンチャーゲームで大量の選択肢によって物語が分岐していきます。初代『ライフ イズ ストレンジ』の最大の特徴は時間を巻き戻せること。「間違えたかも」と思ったらボタン一つで選び直せるんですけど、選び直した先でまた全然違う悪影響が起きたりして、先が読めないし“本当の正解”が分からない。時間を巻き戻せるゲームなんだけれど、「最終的に取らなきゃいけない選択肢は一つ」なんですよね。「人生は選択の連続」とよく言いますけど、タイムマシンがない限りこのゲームのように選び直せませんから。それをインタラクティブに体験できるのはすごく画期的ですよね。
『ライフ イズ ストレンジ2』は超能力を持った弟を守らなきゃいけない兄が主人公で、二人の過酷な逃避行の物語です。ピンチを切り抜けるためにその力を使わせるのか、それとも使わせないのか、という葛藤を描いています。こちらは時間を巻き戻せるわけではありませんが、プレイヤーが取った選択肢によって、ストーリーをドリブンする弟の考え方や行動が変わっていく。前作の“バタフライエフェクトをゲームする”というコンセプトに、“その影響が最も身近な人間に強く及ぶ”という強烈なエッセンスが加わっています。
ーークリエイター陣への取材もされていました。
平元:本当に貴重な機会をいただきましたね。クリエイターの方にインタビューをするなかで、『2』を作っている途中に娘さんが生まれたという話をしていて。そのときに、自分が親として本当に子どもの見本になれるような立派な人間なのか、ということについて考えたと。良いも悪いも、自分が取った選択が周りに影響を与えることの重みがここまで表現されていることに納得感を得ました。そして何が正しくて、そうでないのか。それをプレイヤーに選択肢として提示して自らの責任で選んでもらうことが、一つのメッセージになるんじゃないかともおっしゃっていたんです。それらを全て聞いた上で、スタジオのMC・ゲストの皆さんが感じたものもすごく普遍的なので、是非ご覧いただきたいですね。
「選択の重み ~ライフイズストレンジ/ライフイズストレンジ2~」視聴はこちら
「ふるさとの作り方 ~天穂のサクナヒメ~」
平元:米作りの工程が緻密に組まれたゲームシステムが秀逸な作品です。品種を決めて、苗を育てて、田んぼを耕して、収穫するまでをプレイヤーが体験しなきゃいけない。だいぶ端折りましたが、本当に細かい工程ひとつひとつをプレイヤーが自ら作業していく。「農水省のホームページに行くと攻略方法がわかる」と話題になるほどでした。そうして手塩にかけて作った米を食べるとステータスがアップしてダンジョン攻略が有利になるというサイクルもゲームシステムとして魅力的です。あと、ダンジョンのアクションも気持ちがいいんですよね。
また、天界から下界に送り込まれたサクナヒメが、初めはふてくされているものの、仲間と暮らすなかでだんだんその暮らしを愛おしく感じていくんですね。汗水たらして営みを続け、仲間と呼べる存在ができていくことでサクナヒメにとって“第二のふるさと”になっていく。そうしたメッセージを感じて「ふるさとの作り方」というサブタイトルをつけさせていただきました。
堀江:その裏にある思いをクリエイターの方に語っていただいたのですが、「なるほどな」と納得が得られるお話でした。
平元:キャリアというか、人生設計とかどこで生きていくか、みたいな話だったよね?
堀江:クリエイターのこいちさんが「自分が生まれ育った、いわゆる“田舎”にはキャリアパスの選択肢が少ない。そこから飛び出て今の自分がある」といったようなことを話されていて。生まれた土地がふるさとという人が多いようにも思うんですけど、別の場所を探してもいい。まさにサクナヒメがそうなったように、ですね。“住めば都”じゃないですけど、そういったメッセージも感じてもらえると思います。
「野性を遊ぶ ~TOKYO JUNGLE/Stray~」
平元:クリエイターもメーカーも違う2本を一つの番組で紹介するという、初めての試みをした回です。日本発の『TOKYO JUNGLE』と、フランス発の『Stray』。象徴的なのは、荒廃し、人間がいない東京に生きる動物たち——今回軸にしたポメラニアンと、ロボットしかいない世界に迷い込んだ猫の対比ですね。どちらも動物を操作するゲームですが、それぞれのプレイ体験を通して見えてくるものを紐解きました。
『TOKYO JUNGLE』は、人間がまったくいない状況で、動物たちが狩りをして、繁殖をして、縄張りを広げてどうやって生き残っていくのか。結構シビアなゲーム性になっています。そうした群雄割拠のサバイバルを体験することで、自分たちのなかに残っている“野性”を感じられる、唯一無二のゲームだなと。当たり前ですけど、動物によって、走る速さも異なれば、スタミナも違う。積極的に狩りをしないと生きられない肉食動物と、“逃げるが勝ち”で命を繋いでいく草食動物では生存戦略=プレイ体験が変わるのも面白いところですよね。彼らの生き残りをかけた悲喜こもごもも描かれますが、クリエイターの片岡陽平さんは、これを“現代の鳥獣戯画”と表現していて。その意味するところは是非、本編をご覧いただければと思います。スタジオでは、「自分を動物に例えるなら?」という話題で盛り上がったりもしたので、そこも見どころです。
一方で『Stray』は、ロボットだけの街に迷い込んだ猫が主人公です。リアルすぎる猫の可愛さが話題になりましたけど、実は出会うロボットたちが抱えている一見不可思議な悩みが、よくよく観察すると我々人間社会の理不尽や不条理を風刺しているところもある。それをあくまで猫の目線で見ていくのがすごく面白いと思いますね。本作のクリエイターさんにもリモートでインタビューをさせていただきました。『TOKYO JUNGLE』のことを知っていて、コメントをいただきましたので、そちらも注目いただければ。
「野性を遊ぶ ~TOKYO JUNGLE/Stray~」視聴はこちら
「自問自答~This War of Mine~」(拡大版)
ーー『This War of Mine』回は堀江さんが手がけられ、今回は拡大版での配信になります。
堀江:『This War of Mine』は、封鎖された戦時下の街を舞台にした作品で、市民3人がシェルターを拠点に、リソースを管理しながら生き抜くサバイバルゲームです。
この作品は、空腹の辛さや、極限状態において倫理に正しい行動ができるか、といった自分がその立場になったときにどうすればいいのか、というところに視点を置ける。他のメディアではできない体験を通して、戦争を伝えているゲームだなと思います。そのうえで、この作品が当時700万本ほど売れ、それによって世の中にどういう変化をもたらしたのかというところまで踏み込んだ番組になっています。いま起きていることに新たな視点から目を向けるきっかけになるんじゃないかなと。
平元:この企画は、報道に携わってきた堀江くんだからこそ出せたものだったと思います。ずばり「これを選んできたか!」という意外性、社会性、ジャーナルな視座が当初から光っていました。実際にポーランドまで取材に行って、クリエイターさんに直接インタビューもしてもらいました。戦時下の一般市民のリアリティをどう描くか、そのこだわりの部分にもフォーカスしているので、注目して見てもらいたいですね。