にじさんじ、ミラン・ケストレルの蠱惑的な魅力 「人間離れした雰囲気」と「人間味のある性格」を両立する“矛盾の美学”

VTuber界随一の「音響マニア」としても知られるミラン・ケストレル
ミラン・ケストレルといえば、自他ともに認める「音響マニア」である。
YouTubeで初配信を行なう数日前に自身の公式Xにて機材写真を投稿してファンを驚かせると、いくつかのQ&Aも同じく投稿。
retro instrumentsはいいぞ。 pic.twitter.com/2nLOtII1gy
— ミラン・ケストレル🦋⏳にじさんじ (@Milan_Kestrel) November 21, 2023
自身の初配信では「機械が好き……というより機材が好きで、真空管、トランス、線材、はんだなどが好きです」「いまは80年ほど前の、1960年代の真空管とかが大好きなんです」と嬉しそうに切り出し、コメントには「声が楽しそう」「解体配信待ってます」「こわい」などさまざまな声が書き込まれていった。
実際に所持している機材や真空管をみせ、機材を一つ一つ早口で説明していったが、この時点でほとんどのリスナーを置いてけぼりにするほどの知識を披露した。デビューしてから3年が経過したいまでも、事あるごとに音響機材についての話題を話している。
Q.どれくらい機材好きなの?
A.音響機材に於いては、おそらく上位1%未満に食い込むほどに沼に沈んでいます。Q.機材で歌とか録るの?
A.。。。いえ、機材を眺めてます。
修理したり、改造したりします。
真空管入れ替えたり、トランス交換したり、抵抗やコンデンサ交換したり、ヴィンテージはんだ…— ミラン・ケストレル🦋⏳にじさんじ (@Milan_Kestrel) November 21, 2023
そんな彼と同じレベルで音響や録音機器に詳しい人物は、VTuberやストリーマーシーンを見渡しても珍しく、まして配信内ともなれば、その機会は限りなく少ない。仮に自身とおなじ程度に機材オタクな人物と出会った際には、普段は話せないレベルの突っ込んだ話題で盛り上がっている。
実際にそんな出来事が起こったのは、2025年8月9日に歌い手グループSTPRが主催していたサーバー企画「いちごマイクラ」に参加していたときのこと。同社所属のAMPTAKxCOLORSのメンバー・けちゃおが機材マニアだと紹介され、一気に機材トークへ発展。
普段使用している機材の名を振ったところ、oz designの機材をおなじく使っていることが分かり、そのまま意気投合、その後約15分間にわたってほぼノンストップで機材トークをつづけたのだった。
その場に居合わせたSTPRのメンバー達が「なんで話が通じ合っているんだ?」「けちゃおが過去イチしゃべってる!」と驚いていたが、あまりに“濃い”トークが続いていたのを見ていた、すとぷりのころんが「まだ機材の話してんの!?」「コンビニで買う飲み物の話をしろ!」とツッコむこととなった。翌日にはまた別の機材で盛り上がることになった2人、後日のりプロに所属する同じ機材マニアの字ぴろぱるとともに、3人コラボ配信が行われたのだった。
その博識ぶりから、他のライバーから音響や機材に関する相談を受けることも多く、本人もにじさんじの音響面・機材面をバックアップしたいと口にしている。現在ではにじさんじのメンバーが配信中に「マイクや音響について悩んでいる」と口にすると、どちらからともなくミランの名前が出てくるレベルとなっている。
こうした相談を受けた際は、さまざまな行動をオフの場面で行なっているようで、自作マイクケーブルやサンプルケーブルを同期の栞葉や立伝、加賀美ハヤトへ送るだけでなく、五十嵐梨花、魁星、酒寄颯馬、早瀬走、健屋花那、セラフ・ダズルガーデン、城瀬いすみ、夢追翔、舞元啓介、猫屋敷美紅、フミ、五木左京、エクス・アルビオなど、数多くの面々へ相談・助言を行ってきたことが明らかになっている。
まいにゅーぎあ
Special Thanks:ミラン・ケストレル先生 pic.twitter.com/cnbt0QpRDw— 健屋花那💉💘にじさんじ「エミリーと15の約束」歌ってみた公開 (@sukosuko_sukoya) November 13, 2024
鏑木ろこから機材について問われた際には講義配信として約90分程にわたって彼女に知識と温度感を伝え、自身の配信では「録音環境ってどう作るの?」と題した録音機材・録音の仕方を資料としてまとめる配信をおこなっている。
ニッチな話題・分野には専門用語や難しい概念などが必ずといっていいほどついて回るが、それら難解な語彙やイメージをなるべく噛み砕いてコラボ相手やリスナーへと伝えようと試みているのは、ほかでもない彼の努力や愛情の現れと言える。
そんな丁寧な姿勢が評価されてか、ここ1年ほどでパソコン機材にまつわるPRを任されるようになった。ちなみに、これまでこういった音響機材にいくらかけたかを問われた際には、「とてもじゃないが言えない」レベルだと話している。
「決して怪しい者ではございません」という“いかにも”な自己紹介を繰り返しつつ、その実、周囲からの信頼を集めているというコントラストが、ミラン・ケストレルという人物の現在だと言える。大食いも、酒好きも、機材オタクぶりも、すべてはミラン・ケストレルという一人のライバーの“素顔”であり、ケロッとした顔で配信を通して見せてくれる。いまこのときも、誰かの相談に耳を傾けているのかもしれない。






















