“光るトミカの駐車場”や自転車×測定デバイスに興奮 『TOKYOおもちゃショー2026』にみた「おもちゃの役割」の変化
最先端の玩具が集う『TOKYOおもちゃショー2026』、昨日8月27日〜8月30日まで東京ビッグサイトで開催中だ。27日と28日は商談見本市、29日と30日が一般公開日となっているが、リアルサウンドテックは初日となる27日に参加した。本稿では、エンタメ×テクノロジーの視点から、現地で気になったおもちゃや技術について紹介していきたい。
“ツンデレ”キャラが登場した最新対話ロボット『ポケとも』
2026年の最重要テーマの一つが、AIを活用した会話型ロボットだ。実用性と正確性を追求する音声アシスタントとは対極にある、「不完全だからこそ愛おしいパートナー」としてのロボットたちが目立つ中、筆者が注目したのは『ポケとも』(シャープ)だ。
手のひらサイズのコンパニオンロボットで、本体にカメラ、マイク、スピーカー、表情豊かなLEDの瞳を備える。会場では2026年12月発売予定の第二弾、ミーアキャット型「おれさま」タイプが初披露され、注目を集めていた。
従順に応答する一般的なAIに対し、彼は「なんだよ、オレに何か用か?」とぶっきらぼうな態度を取る、いわゆる「ツンデレ」なキャラクターなのだ。話しかけると、こちらの言葉に反発しながらも嬉しそうな様子を見せるなど、人間らしい感情の摩擦を感じさせる。2体を近づけると自動で会話を始める機能や、カメラを使って風景を覚える機能、会話を学習して専用アプリ内に日記を自動生成するシステムも構築されており、コミュニケーションもより気軽に取れるようになっている。「ちょっと手がかかるけれど、そばにいてほしい」と思わせる情緒的な価値こそが、これからのAIデバイスに求められる新たな体験デザインといえるだろう。
配信部屋のインテリアにピッタリの“光るトミカの駐車場”
ホビー市場を強力に牽引する“キダルト”トレンド。かつてのお気に入りを大人向けのハイエンド仕様として再定義したプロダクトの中で、筆者の心を最も揺さぶったのが、トミカの立体駐車場『Automated tomica PARKING with showroom』(タカラトミー)だ。
大人向けトミカシリーズ「tomica+」から登場した本作は、24台を格納できる5階建てタワー型パーキング。1・2階はスタイリッシュなショールーム空間となっており、25個のLEDライトが愛車をドラマチックに照らし出す。
特筆すべきは、リモコン操作によって完全自動で駆動する螺旋状のエレベーターシステムだ。360度回転しながら昇降する様子は、近未来のスマート都市そのもの。自動出入庫を眺めるモードや、光と動きをシンクロさせた「ライトアップショー」など、鑑賞に特化したギミックが詰め込まれている。配信者などの間でこだわりが強まっている「ゲーム部屋」や「配信部屋」の背景ディスプレイとしても抜群の存在感を放つに違いない、大人のための「動くモダンインテリア」として話題になること請け合いだ。
30年のマイクロ技術が結集 指元で愛でる「Tamagotchi ring」
同じく大人の心を掴んで離さないのが、指輪型たまごっち『Tamagotchi ring』(バンダイ)だ。1996年の初代発売から30年という節目を迎え、極小化技術の粋を集めて開発された一品だ。
最大の特徴は「指輪として身に着けてお世話ができる」こと。本体の全長はわずか28mm。初代たまごっちと比較して約56%という驚異的なダウンサイジングを達成しながら、画面には0.56インチのフルカラー液晶を搭載している。カラー液晶搭載デバイスとしては歴代最少となるわずか64個のパーツで構成されており、日本の精密設計技術の底力を見せつけられる。
また、ゲーム部分でも歴代30年間の歴史の中で愛されてきた「たまごっち」全30体が集結しており、ドット絵が懐かしい初代から現代のカラー期に至るまでのキャラクターを、その日の気分やファッションに合わせて指元で育成できる。平成レトロのシンボルを、極限のマイクロウェアラブルとして現代的に再定義した見事なプロダクトだ。
目を引いた“特化型”のおもちゃ
特定の趣味や身体活動に特化し、それらをゲームの文脈でアップデートするガジェットもいくつか魅力的なものがあった。
まずはサウナでのサ活に対応した防水・耐熱スマートウォッチ、イチネン製作所の『totonoi link fit』(イチネン製作所)。過酷な熱環境をクリアしながらサウナ・水風呂・外気浴を自動記録し、キャラクター「サニマルズ」を育成できるウェルネステックで、単調なサウナを習慣化する遊び心に満ちている。
続く『JUMP PIT』(イチネン製作所)は、腕に装着して跳ぶだけでモーションセンサーが動きを感知し、画面内のキャラクターと連動して敵と戦うなど6種類のゲームを楽しめる縄跳び専用デバイス。単調な有酸素運動を、自発的に挑戦したくなるエンタメに変貌させている。
さらに、子どもたちの自転車遊びをリアルRPGに変える自転車装着デバイス『ミライドS』(アイデス)は、ハンドルに取り付けたセンサーが走行距離を“経験値”に変換。ドライバーランクが上昇するギミックは、家の中に籠りがちな子どもたちを外遊びへと連れ出す強力な動機づけとなっている。サウナ、縄跳び、自転車という現実の身体活動そのもののエンタメ性を拡張している点が極めて画期的だ。
この日『TOKYOおもちゃショー2026」を取材して確信したのは、一部のおもちゃにおけるテクノロジーの役割は、単なる付加価値としての「電子ギミック」を脱し、「現実世界の行動やライフスタイルを豊かにデザインする」ものへと昇華していることだ。
キダルト商品の流行をはじめ、商品が従来の役割から変化しつつあるおもちゃ業界の現在地を知ることのできる同イベント。気になった方はぜひ一般公開日に参加してみてほしい。