20万円を超えるiPhone時代へ Apple公式購入と「ペイディ」の組み合わせはどんなユーザーに向くのか

最近、日本向け製品の値上げが話題となったiPhone。Paidyが新たに提供するApple製品専用の支払い方法「ペイディあと払いプラン Apple専用」はその福音となるのか。2026年8月に開催されたメディア勉強会から、その仕組みや利用実態、どのような人に向くサービスなのかを考えてみた。

iPhoneの高額化で「支払い方法」も製品選びの一部に
Appleは2026年7月、日本国内で販売するiPhoneの価格を改定した。iPhone 17は12万9800円から14万2800円へ、iPhone 17 Pro Maxは19万4800円から21万4800円へ上昇。最も安いiPhone 17eも10万円を超え、現行ラインアップから10万円未満のモデルがなくなった。
いまやiPhoneは、通話やSNSのためだけの端末ではない。仕事、決済、交通チケット、銀行取引、本人確認、家族との連絡までを担う。高くなったからといって、故障やバッテリー劣化が進んだ端末を無期限に使い続けるのも現実的ではない。そこで重要になるのが、どの機種を選ぶかに加え、どこで、どう支払うかという視点だ。
Paidy合同会社 副社長執行役員の橋本知周氏は、「私たちは買い物を、夢をかなえるためのポジティブな一歩だと捉えています。決済や手続きに残る“めんどくさい”をなくし、自分の意思で買い方を選べる環境をつくりたい」と説明する。

Apple公式購入と最大36回の分割払いを組み合わせる
「ペイディあと払いプラン Apple専用」は、通常のPaidyとは別にApple製品専用の利用可能額が設定され、AppleのウェブサイトとApple Storeで利用できる仕組みだ。iPhoneのほか、Mac、iPad、Apple Watch、AppleCare、アクセサリなども対象になる。
Paidy合同会社 VP of Experienceの佐々木圭氏は、「Appleから直接購入すれば、端末と通信契約を切り分けられます。SIMフリーの端末と、自分に合った通信キャリアや料金プランを組み合わせられることもメリットです」と話す。

製品に応じて最大36回の分割払いを選択でき、口座振替または銀行振込なら分割手数料は0%。利用には本人確認と審査が必要で、選べる支払い回数は製品によって異なる。
分割払いには「一括で買えない人の手段」というイメージもある。しかし手数料がかからないのであれば、総支払額を増やさず、月々の負担を平準化できる。14万円や20万円を一度に支払わず、教育費や急な家電の故障などに備えて手元資金を残す、という家計管理の選択肢にもなる。
対象となるiPhoneには、所定の条件を満たして24カ月目に新しいiPhoneへ買い替えることで、残りの支払いが不要になるオプションも用意されている。ただし、支払い状況や端末の状態などに条件があり、2年後に無条件で残額がなくなる制度ではない。

670万以上の購入実績、利用者の90%が再利用を希望
Paidyの公式資料によると、同プランは2021年6月に始まり、2026年に5周年を迎えた。2026年7月時点でApple製品の購入に670万以上利用され、注文回数は480万回以上。iPhoneだけでも210万台以上、平均注文金額は約12万4000円だという。

利用者は若者だけではない。4割以上をZ世代が占める一方、30~40代の子育て世代も約42%に達する。
過去1年以内に同プランでiPhoneを購入した1506人を対象としたPaidyの調査では、購入時に最も重視した点のトップは「Apple公式から購入できる安心感」の32%だった。「分割手数料0%で利用できる分割回数が多い」が29%、「分割手数料0%」が25%と続き、今後も利用したいと答えた人は90%に上った。

価格だけでなく、公式購入の安心感、支払総額を増やさずに分けられること、月々の支払いを把握しやすいことが評価されていると見てよいだろう。
認証コードは「使い切りの合言葉」
勉強会では、便利な決済を安全に使うための注意点も語られた。

Paidy合同会社 VP of Operationsの猿渡英華氏は、「利用通知や明細、支払い予定などを通じて、お客様自身が気づき、確認できる状態を重視しています。サービス側の対策と、利用者自身による確認の両方が必要です」とする。

ITジャーナリスト/スマホ安全アドバイザーの鈴木朋子氏は、認証コードを「使い切りの合言葉」と表現した。
「数字が短いから軽い情報なのではありません。誰にも教えない、画面共有で見せない、他人のために入力しないことが大切です」
支払いエラーやアカウント停止を装うSMSが届いても、記載されたリンクを開かず、公式アプリや公式サイトを自分で開いて確認する。機種変更後の古いスマートフォンを家族へ渡す際には、決済情報やアカウントが残っていないか確認する。手軽に使えるサービスほど、こうした基本動作が重要になる。
「ペイディ」はどんなユーザーに向くのか
「ペイディあと払いプラン Apple専用」が向くのは、Apple公式からSIMフリーのiPhoneを購入し、通信契約を自分で選びたい人だ。一括購入で手元資金を大きく減らさず、手数料を増やさない範囲で支出を平準化したい人とも相性がよい。
一方、利用には審査があり、毎月の支払い能力を超えた買い物を正当化する仕組みではない。通信キャリアの割引や端末購入プログラムが有利になるケースもあるため、総支払額や返却条件を比べる必要がある。

20万円を超えるiPhoneが珍しくなくなった現在、支払い方法は購入後に考える付随的な要素ではなくなった。端末、通信契約、支払い期間、買い替え時期まで含めて選ぶ。その選択肢のひとつとして、Apple公式購入とPaidyの組み合わせは、検討してもありだろう。






















