Grimesが語る「初音ミクとAI時代の“不思議の国のアリス”」 さたぱんPらとの刺激的なコライトを振り返る

インターネットに侵食される少女と、AI時代の「不思議の国のアリス」

――今回のMVではどんなコンセプトで制作したのでしょう?
Grimes:この曲の背景には、私が大好きなAI哲学者の一人であるエリーザー・ユドコウスキー(Eliezer Yudkowsky)の著作があって。さたぱんPが少し歌詞を変えたかもしれないけれど、ベースになっているのは『インターネットに汚染された少女が召喚された勇者(A Girl Corrupted by the Internet is the Summoned Hero?!)』という本なんです。
――かなりコンセプチュアルですね。具体的にはどのようなメッセージが込められているのでしょうか。
Grimes:2026年という現代において、私たちは世界のあらゆる場所を探索し尽くしてしまったように感じるけれど、特にインターネット上の若い女の子にとって、今のネット世界は非常に過激なサブカルチャーの探索の場になっていますよね。そしてそれは、必ずしも良い意味ではなくて。しばしば子どもや女性、いや、男性も含めて、すべての人に対する暴力のようなものになっていると感じています。
端的に言えば、私たちのアルゴリズムは「狂っている」と思うんです。アメリカでは、男性向けのアルゴリズムはギャンブルばかりだし、女性向けにはさらに色々なクレイジーなものが押し付けられる。私自身、瞳の色を変える手術の広告を何度も見て、あやうく受けそうになったくらいですから(笑)。
この曲は、そういった状況に対する思いから生まれました。テクノロジーが進化するにつれて、『不思議の国のアリス』というメタファーはどんどん大きく、意味深いものになっていると思っていて。若い女性の探求者が、精神の世界や内面性を探索していくというアイデアは、まさにそうしたモチーフから生まれたものでした。
インターネットはまるで一つの巨大な生命体のようで、私たちは大衆の潜在的な心理的空間を探索しているようなものだと思っているのですが、これってある意味ではAIのあり方にも関係している、と解釈することもできて……。

――とても面白い捉え方です。
Grimes:こうした複雑なAIの概念を、楽しくて一口サイズのものに単純化しようと試みたのが、今回のMVなんです。だから今回は「インターネットに食べられてしまう若い女の子」についての物語というのが表面的なテーマで、裏側には先ほどお話ししたようなコンセプトがある、という。
初音ミクは「ヒーローであり、同時に犠牲者でもある」

ーーそうしたテーマの表裏を、初音ミクという存在がアイコニックに表現しているようにも感じます。
Grimes:まさにそうだと思います。初音ミクという存在は、ヒーローであり、同時に犠牲者でもあるという非常に興味深い立ち位置にいると思っていて……彼女は自律性を持つことが文字通り不可能なキャラクターですよね? でも、映画の中のキャラクターとは違って、彼女は現実世界に存在していて、人々が彼女を使って、とても美しいものや、あるいはとても恐ろしいものを作り出している。これは非常に興味深い“実験”なのではないでしょうか。
――最後に、今回のコラボレーションをきっかけに、様々な形であなたがボーカロイドカルチャーに関わることを期待しているのですが、その可能性はありそうでしょうか?
Grimes:もちろん! 今回の制作は本当に素晴らしい時間だったから、またぜひやりたいです。ミク以外にも様々なボーカロイドがいると聞いたので、シンセサイザー好きとしても、いろんな子たちと遊んでみたいですね。
■リリース情報
「Miku-Maxxing」
アーティスト:Hatsune Miku, Grimes, & さたぱんP
配信開始日:8月14日
収録EP:『BEYOND BORDERs ‘EMERGE M♡DE MIKU’』(2026年9月リリース予定)
公式ミュージックビデオ:https://www.youtube.com/watch?v=v3rewELybuw
配信:https://lnk.to/mikumaxxing
「初音ミク」©CFM
■BEYOND BORDERs 公式アカウント
https://www.instagram.com/beyondborders_pr/
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https://www.tiktok.com/@beyond_borderspr






















