Cloudflare、AIエージェントに“顔”と財布を 本人確認と決済に対応する「Cloudflare Wallets」発表

 Cloudflareは、AIエージェントが本人や企業の代理として安全にネット上で買い物や支払いを行うための新機能『Cloudflare Wallets』および『cloudflare.pay』を発表した。

 同機能は、Cloudflare上で動作するAIエージェントに継続的に利用できるIDを付与するとともに、人間が設定した制限の範囲内で安全にオンライン購入を行える仕組みを提供するもの。買い手と売り手の双方が取引相手を把握し、AIエージェントによる商取引(エージェントコマース)を安心して利用するための基盤となる。

 現在のインターネットは人間の利用を前提に設計されており、AIエージェントには最適化されていない。AIエージェントが商品を購入したり無料トライアルに申し込む際、企業側にはそれが本当の顧客の代理AIなのか、システムを悪用する不正プログラムなのかを判別する手段がないのが実情だ。従来のボット検出技術は検索エンジンのクローラーを見分けるために設計されたものであり、代理として取引を行うAIエージェントの識別は想定されていない。

 その結果、企業は「すべてのアクセスを厳しく制限する」か「リスクを承知で受け入れる」かの二択を迫られており、大規模運用には不向きな状況が続いていた。

 『Cloudflare Wallets』と『cloudflare.pay』は、本人確認と決済という2つの課題を同時に解決する。Cloudflareアカウントにはそれぞれ固有のWebアドレスが付与され、継続的に利用できるIDとして機能。ユーザーはこのIDを特定のAIエージェントに関連付けられるため、リクエストを受け取る企業側は依頼元を正確に確認できる。

 人間のアカウント所有者向けの「Account Wallet」は、資金を一元管理する中央残高として機能し、ステーブルコインの受け取り・保管・管理が可能。ユーザーはここから個々のAIエージェントに「Virtual Wallet(仮想ウォレット)」を割り当てることができ、AIエージェントは「Virtual Wallet」を通じてオンライン上のサービスやリソースを購入できる。

 「Virtual Wallet」には利用制限機能が標準で組み込まれており、利用可能な金額の上限、利用を許可する販売者リスト、AIエージェント自身では超えることのできない1回あたりの最大取引額まで自由に設定できる。さらに『Monetization Gateway』と組み合わせることで、AIエージェントによる決済市場を支える買い手側と売り手側の両方の基盤が完成する。

 Cloudflare Walletのハンドル(識別名)の予約受付は、米国時間8月4日に開始された。ウォレットへの完全なアクセス機能(資金の入金・出金、および「Virtual Wallet」の発行機能を含む)は、今後数か月以内に提供開始される予定となっている。

■マシュー・プリンス(Cloudflare 共同創設者兼最高経営責任者(CEO))コメント
インターネットは、人間主導のWeb閲覧から、AIエージェント主導の商取引へと変化しています。それに合わせて、インフラも進化する必要があります。自分のサイトにAIエージェントが訪問した際、そのエージェントの送信元を特定できる必要があります。Cloudflareは、AIエージェントに“顔”を与えることができます。AIエージェントを、所有する人や組織と結び付けることで、信頼性、責任の所在、そして実際の商取引を可能にします。これは、AIエージェントが活動する新しいWeb(エージェント型Web)に必要な本人確認と決済の基盤となるものです。

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