アーケードの記憶とAI時代のPCが交差 セガとNVIDIA、秋葉原で30年越しの再会

セガは7月21日、NVIDIAが7月15日に東京・秋葉原のGiGO秋葉原3号館「RETRO」で開催した特別イベントの模様を発表した。
会場にはNVIDIA創業者兼CEOのジェンスン・フアン氏、セガ代表取締役会長CEOの里見治紀氏、同社代表取締役社長執行役員COOの内海州史氏らが登壇。元セガ・エンタープライゼス社長・副会長の入交昭一郎氏と、「バーチャファイター」シリーズや『シェンムー』を手がけたゲームクリエイター・鈴木裕氏も加わり、約100人のファンやプレイヤーを前に、両社の30年にわたる関係を振り返った。
セガとNVIDIAの接点は1990年代にさかのぼる。NVIDIAによると、同社初期のグラフィックスチップ「NV1」はPC版『バーチャファイター』に採用された。その後、両社は次世代ゲーム機向けのグラフィックス技術を共同開発したものの、最終的な採用には至らなかった。
それでも当時セガ副社長だった入交氏は、創業間もないNVIDIAの将来性を信じ、同社を支援する決断を下した。フアン氏は今回のイベントでも、セガの支援がなければ現在のNVIDIAはなかったと語り、長年にわたる友情と信頼に感謝を示している。
イベントでは、2027年発売予定のシリーズ完全新作『VIRTUA FIGHTER CROSSROADS』を皮切りに、セガのタイトルを「NVIDIA RTX Spark」へ展開することも明らかになった。同作がRTX Spark搭載ノートPC上で披露されると、フアン氏はその映像を「とても美しい」と評した。
RTX Sparkは、NVIDIAがパーソナルAIエージェントやクリエイティブ制作、ゲームでの利用を想定して開発した新たなPC向けプラットフォームだ。薄型WindowsノートPCやコンパクトなデスクトップPCに、同社のAI処理技術とグラフィックス技術を統合する。
会場の背後に並んでいたのは、かつての『バーチャファイター』をはじめとする歴代アーケード筐体。一方、登壇者たちの手元にあったのは、AI時代を見据えた新しいPCだった。
30年前、グラフィックス技術をめぐって交差した二社は、今度はAIとゲームを同居させるPCを前に、再び同じ場所に立った。ハードウェアの世代は変わっても、次のゲーム体験が、過去に築かれた信頼から動き出すことがある。今回の秋葉原での再会は、その象徴的な一場面だったといえる。


























