OpenAI、GPT-5.6を発表 「Sol」「Terra」「Luna」の“能力ティア”付きモデル名に

 OpenAIは、次世代モデル群「GPT-5.6」シリーズの限定プレビューを開始したことを発表した。

 新シリーズは、最上位の『GPT-5.6 Sol』、日常業務向けのバランス型『GPT-5.6 Terra』、高速・低価格型『GPT-5.6 Luna』の3モデルで構成される。今回のプレビューはOpenAI APIとCodexを通じた一部の信頼済みパートナー・組織のみが対象で、ChatGPTでは利用できない。OpenAIは今後数週間でChatGPT、Codex、APIでの一般提供を目指すとしているが、具体的な提供日は明らかにされていない。

 今回の発表で注目されるのは、OpenAIがGPT-5.6からモデル名を「世代番号+能力階層」として整理し始めた点だ。番号はモデル世代を示し、Sol、Terra、Lunaは知能・速度・コストの違いを表す能力ティアとして、今後それぞれ独立したペースで進化していくという。GPT-5.6は単一モデルの更新ではなく、用途別に最適化されたモデルファミリーとして展開される形となる。

 OpenAIによると、Solは「最も強力なモデル」、Terraは「日常業務向けのバランス型」、Lunaは「高速かつ手頃なモデル」と位置付けられている。TerraはGPT-5.5に競合する性能を持ちながらコストを2分の1に抑え、LunaはGPT-5.6系列で最も低価格ながら強い能力を備えるとされる。

 API価格は100万トークンあたり、Solが入力5ドル・出力30ドル、Terraが入力2.50ドル・出力15ドル、Lunaが入力1ドル・出力6ドル。GPT-5.6以降では、明示的なキャッシュ・ブレークポイントと30分以上の最小キャッシュ寿命を備えたプロンプトキャッシュも導入される。

 性能面では、GPT-5.6 Solがコーディング、生物学、サイバーセキュリティでエージェント的能力を向上させたという。新たに深い推論に時間を使えるmax reasoning effortと、サブエージェントを活用するultraモードが導入される。コーディング能力を測るTerminal-Bench 2.1で新たな最高水準を達成したほか、生物学関連のGeneBench v1ではGPT-5.5より少ないトークンでより強い結果を出したとしている。

 一方でOpenAIは、Sol、Terra、Lunaをサイバーセキュリティおよび生物・化学リスクで「High」能力として扱うと説明。能力向上に伴うリスクを警戒し、モデル内の拒否挙動、生成中のリアルタイムチェック、アカウント単位のリスクシグナルなどを組み合わせた多層型の安全スタックを導入している。高リスクなケースでは、出力中に分類器が違反の可能性を検知すると生成を一時停止し、より大きな推論モデルが文脈を確認したうえで出力をブロックする仕組みも使われる。

 今回のリリースは通常の一般公開とは異なる形式で進められている。OpenAIは米政府との継続的な関与の一環として、発表前に計画とモデル能力を共有し、政府側の要請を受けて小規模な信頼済みパートナーから提供を始めたと説明。個人ユーザーは参加できず、申し込みフォームやウェイトリストもない。

■製品情報
GPT-5.6シリーズ(Sol / Terra / Luna)
提供元:OpenAI
提供開始:限定プレビュー中(一般提供は今後数週間以内を目標)
提供形態:OpenAI API、Codex(信頼済みパートナー・組織のみ)
API価格(100万トークンあたり):
・Sol:入力5ドル/出力30ドル
・Terra:入力2.50ドル/出力15ドル
・Luna:入力1ドル/出力6ドル
公式サイト:https://openai.com/index/previewing-gpt-5-6-sol/

Googleが4,000億円で取り戻した天才は、なぜ2年で去ったのか AI“頭脳争奪戦”の異常な1週間

GoogleのAI中核人材が1週間で4人、AnthropicとOpenAIへ流出した。Transformer論文の著者ノーム・シ…

関連記事