Figma、「インテリジェントキャンバス」を発表 AIエージェントやツール・素材を1つの画面に集約

Figmaは、デザイン作業の中心となる「キャンバス」を、デザインからコード実装までを一貫して行えるフルスタックな制作環境へと刷新する大型アップデートを発表した。
今回のアップデートは、サンフランシスコで開催された同社の年次カンファレンス「Config」で明らかにされたもの。会場には1万人以上のプロダクト開発者(プロダクトマネージャー、デザイナー、エンジニア)が集まったという。
発表の中心となるのは、新たに打ち出された「インテリジェントキャンバス」という考え方だ。これは、デザイン作業に必要なツールや素材、チームメンバー、AIエージェントをひとつの画面に集約しようというもの。これまでのように複数のツールを行き来する必要をなくし、アイデアから完成品までをFigma上で完結できるようにすることを目指している。
Figma共同創業者兼CEOのDylan Fieldは、「私たちが使うツールは、デザインとコード、人間とエージェント、プロンプトと直接操作の間で、本来は必要のない二者択一を迫ることが多すぎます。これでは創造性を押し広げるどころか、むしろ制約してしまいます」とコメント。今回の刷新で、必要なすべてのツールに手を伸ばせる場所としてキャンバスを再構築したと説明している。
今回追加されるのは、デザイナーがこれまで別のツールを使わざるを得なかった領域をカバーする4つの新素材だ。
「コードレイヤー」は、Figmaのデザイン画面上で直接コードを扱える機能。コードリポジトリの取り込み、AIエージェントによる新案の生成、コードからデザインレイヤーへの変換、デザイン変更のコードへの反映などが可能になる。
「モーション」は、アニメーションや画面遷移、3D変形をFigma上で共同制作できる機能。AIへのプロンプト入力でアニメーションを生成したり、プリセットを適用したり、タイムラインで手動調整したりできる。作成したモーションはデザインシステムやコードと連携し、そのまま実装に使える状態で提供される。
「シェーダー」は、プロンプトで視覚効果を生成する機能。WebGPUを活用し、ディザー、ピクセレート、各種ブラー処理など、これまでFigmaでは作れなかった表現がキャンバス上で直接作成できるようになる。
「Figma Weaveワークフロー」は、20以上のWeaveツールをFigmaに統合するもの。複雑なAIワークフローをキャンバス上のシンプルな操作にまとめ、一貫性のある高品質なビジュアルを生成できる。今年後半に予定されるFigma Weaveとの完全統合に向けた第一歩と位置付けられている。
チームとAIエージェントが一緒に作業するためのツールも追加される。
「エージェントスキル」は、繰り返し行う作業を“スキル”として登録し、チーム全体でFigmaのエージェントを一貫した精度で活用できるようにする機能。サードパーティのツールやウェブ検索、ファイル添付を通じて、エージェントが扱える情報の幅も広がる。
「ジェネレーティブプラグイン」は、エージェントを使ってカスタムプラグインを構築できる機能。プロンプトを入力するだけでツールを生成・調整・共有でき、開発環境の準備や専門的なコーディング知識は不要としている。
Configではあわせて、Figmaが毎年発行する「AIレポート」の第3弾も公開された。3年分のデータ(回答総数8,403件)と639件の定性インタビューをもとにまとめられたもので、AIの普及とともにデザインの重要性が増している実態が示されている。
主な結果として、「AIによって他者との協働の仕方が大きく変わった」と回答した割合は2年前の6倍に増加。AI導入が最も進んでいる企業の回答者は、そうでない企業と比べて「業務においてデザインの重要性が高まった」と答える割合が25%高かった。
また、デザインの重要性が増したと回答した人の割合は全体で57%。特に開発者層では、「デザインがより重要になった」と回答した割合が2025年の44%から2026年には65%へと上昇し、はじめて過半数を超えた。
キャンバスの利用層も広がっており、プロダクトマネージャーの77%が業務の半分以上をキャンバス上で行っていると回答。開発者の5人に1人は、コードではなくキャンバスからプロジェクトを始めることを好むという結果も示された。
さらに、10月15日にインドのベンガルールで初開催となる「Config India」の実施も発表された。Figmaは2025年11月に同地にオフィスを開設しており、その流れを汲む取り組みとなる。
Configで発表された各アップデートは、今後数週間かけて順次ユーザーへ提供される予定。提供状況は機能ごとに異なる。






















