FIFAワールドカップ2026、レノボのAI技術が観戦体験を変える
6月11日の開幕まで2週間を切ったFIFAワールドカップ2026。レノボはこの大会で、初の公式テクノロジーパートナーを務める。レノボ・ジャパンは5月28日、日本でのマーケティング戦略と、観戦体験を変える技術に関する説明会を行なった。
今大会は出場チームが前回の32から48に増え、北米の3カ国16会場で開かれる。世界の視聴者は60億人と予想され、前回大会の51億人を上回る見込みだ。レノボはアディダスやコカ・コーラ、Visaと並ぶ最上位スポンサーの一社として、この規模の大会を技術で支える。F1のグローバルテクノロジーパートナーとして培ったデータ運用の知見も持ち込む。
キャプテン翼とRise Nowのキャンペーン
日本向けのキャンペーンタイトルは「技術がゲームを変える」だ。CMには『キャプテン翼』を起用し、5月31日にテレビでオンエアを始める。
/FIFA ワールドカップ 2026 公式テクノロジーパートナー]
CMソングは岩田剛典がGAN名義で書き下ろした「Rise Now」で、7月1日にリリースを予定する。レノボ・ジャパンのチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)、ルービン利恵氏は「日本のオリジナルコンテンツとサプライズで、レノボをより身近に感じてもらいたい」と述べた。
会場で体験できる新技術
ただ、レノボが今回前面に出すのはCMの華やかさよりも、その裏側で動く技術だ。
会場で体験できるものの一つが「ホログラム」だ。今大会では登録選手1200人すべてをアバター化する。会場に置くホログラムのコンテンツを通して、来場者は現役の有名選手や過去の名選手と並んで自撮りができる。
来場者の動線を支えるのが「スマートウェイファインディング」だ。空港に降り立ってから競技場の座席にたどり着くまでを案内する。一番近いトイレはどこか、ホットドッグを買うならどのスタンドが空いているか、といった案内まで踏み込む。広い会場で迷いがちな観客にとって、現実的に役立つ機能になりそうだ。
試合の見え方を変える映像
試合そのものの見え方も変わる。競技場に置いた高性能カメラの映像から、デジタル空間にもう一つの競技場を再現する。登録選手のアバターが同じプレイを再現し、「三苫の1ミリ」のようなオフサイドと紙一重のきわどい場面や、得点の瞬間をリアルタイムに見られる。ほかにも、ゴールキーパーが自分のプレイを評価する機能や、キーパー目線でどうシュートを打たれたかを再現する映像もある。
放送で目にする可能性が高いのが「レフェリービュー」だ。前回のクラブワールドカップから取り入れた仕組みで、主審が装着したカメラの映像を、AIの補正技術でテレビ放送に耐える画質に整える。画質を上げすぎるとリアリティがなくなって面白くないため、あえて少し揺らしている。各試合で1回は必ず使う契約で、その映像にはレノボのロゴが出る。試合中継でこの映像が流れたら、それがレノボの技術だ。
日本での展開と渋谷の仕掛け
日本では、FIFAスペシャルエディションのデバイスも7機種を展開する。ThinkPadやモトローラのスマートフォンなどが対象になる。
会場に行かなくても技術に触れられる場として、レノボは渋谷に仕掛けを用意する。渋谷を中心とした大型OOH(※Out of Home/駅や商業施設の外観などにある大型ビジョン・広告メディア)や、渋谷パルコでの展示を予定する。渋谷駅の大型ビジョンでは、キャプテン翼に登場する日向小次郎のタイガーショットを体感できる動画広告を流す。そのスピードは時速5048km、マッハ4を超える。瞬きをすると見逃すほどの速さを、実際に体感してもらう狙いだ。渋谷はインバウンドの来街者も多く、キャプテン翼のファンに広く届くと期待する。
そして、日本対チュニジア戦にあわせたパブリックビューイングを開く。6月21日に渋谷ヒカリエ9階のヒカリエホールAで、レノボが主催する。MCにドイツ生まれの人気ラジオDJ・サッシャ氏、ゲストに岩田剛典氏と元サッカー日本代表の遠藤保仁氏を迎える。大型スクリーンでの観戦に加え、レノボのAI PCを体験できるコーナーも設ける。応募は5月25日に始まり、すでに多数の申し込みが寄せられているという。
今回のレノボの狙いは、サッカーの一瞬のプレイを支えるテクノロジーに光を当てることだ。ルービン氏は、舞台裏を支える技術の進化にあえて光を当て、新しいサッカー体験を切り開きたいと語った。