世界一の携帯電話評論家・山根康宏のスマホ進化論(第19回)
ライカ共同開発カメラで120倍ズームも 望遠も夜景も強い『Xiaomi 17T/17T Pro』の実力を徹底レビュー
シャオミから新しいスマートフォン『Xiaomi 17T』『Xiaomi 17T Pro』が発表された。どちらもカメラの老舗メーカー、ライカと協業した高性能なカメラを搭載しながら、10万円前後と買いやすい価格で登場した。昨年発売された『Xiaomi 15T』シリーズよりパワーアップした2つの新製品を、実際に撮影したカメラの作例も含めて紹介しよう。
さらに上のカメラを目指した『Xiaomi 17T Pro』
『Xiaomi 17T Pro』はライカのトリプルカメラシステムを搭載したハイスペックなスマートフォンだ。高性能なモデルながらも価格は11万9800円からに抑えられている。スマートフォンの心臓部であるチップセットはメディアテックの最上位モデルDimensity 9500を採用しており、高度なゲームも楽に操作できるなど、あらゆる作業を快適にこなしてくれる。うれしいことにFeliCaを内蔵、おサイフケータイとして日常の支払いなどにも使用できる。
ボディーカラーはバイオレットとブルーのアイコニックな2色とブラックが登場。今回テストしたのはバイオレットモデルだ。光の当たり具合で微妙に表情を変える紫のカラーはどことなく高級感も感じさせてくれるだろう。カメラ部分は正方形の台座に4つの円をまとめ、その中心にはコラボしているライカの名前もさりげなく入っている。カメラはそれぞれ5000万画素の広角、5000万画素の5倍望遠、1200万画素の超広角を搭載している。なおフロントカメラも3200万画素と高画質なので美しいセルフィーが撮影可能だ。
本体サイズは162.2 x 77.5 x 8.25mm、重量は219gだ。ディスプレイサイズが6.83インチなので大きさとしては妥当なところ。ディスプレイのリフレッシュレートは144Hzと高く、高速なゲームもよりプレイしやすいだろう。特筆すべき性能はバッテリー容量で、一般的なスマートフォンより40%増という7000mAhの大容量タイプを内蔵。しかも100Wの超高速充電で、バッテリーが空の状態からでもわずか48分で満充電できてしまうのだ。
前のモデル、『Xiaomi 15T Pro』と比べると全体的なデザインはそのままに、内部の性能をパワーアップしている。やや大人向けともいえる印象は、派手さはないものの高いパフォーマンスを内に秘めた実力派のスマートフォンと言える。毎日使っていると、スマートフォンに対するストレスが一切なく「気づけば生活に欠かせない存在」になるに違いない。
『Xiaomi 17T Pro』のシステムはAndroid OS 16をベースにしたHyperOS 3.0を採用している。最大の特徴と言えるのがiPhoneとの連携で、ファイル共有がしやすくなった。高性能なカメラで撮影した写真を周りの友人と自由に共有できるのである。
手ごろなサイズの高性能カメラモデル『Xiaomi 17T』
『Xiaomi 17T』は昨年発売された『Xiaomi 15T』の後継機となるスマートフォンだ。昨年のモデルは『Xiaomi 15T Pro』、『Xiaomi 15T』、どちらも同じ大きさだったが、『Xiaomi 17T』は6.59インチディスプレイを搭載するやや小ぶりなモデルとして生まれ変わった。手のひらの大きさが小さめなユーザーでも楽に持つことができるだろう。
チップセットは『Xiaomi 17T Pro』よりワンランク下となるメディアテックDimensity 8500-Ultraを搭載。それでも性能は高い。おサイフケータイは搭載しないが、その代わり価格は8万9980円からと10万円を切った。カメラは『Xiaomi 17T Pro』と同じ5000万画素広角、5000万画素5倍望遠、1200万画素超広角、3200万画素フロントカメラを搭載している。
本体サイズは157.6 x 75.2 x 8.17mm、重量は200g。バッテリーは6500mAhで67Wの急速充電に対応する。OSはXiaomi 17T Pro同様にHyperOS 3.0を採用している。なおどちらのモデルもSIMカードはnano SIM及びeSIMに対応する。
今回発売された2つのモデルを比べてみよう。同じパープルモデルでも、壁紙の色合いをわずかに変えるなど、細かい差別化も行われている。
2つのモデルを比較してみた
背面からみると全体のフォルムは同等で、姉妹モデルであることがわかる。カメラはどちらも同じスペックだが、細かいことを言うとメインカメラのセンサー性能に差をつけた。『Xiaomi 17T』は前モデルの『Xiaomi 15T』と同じLight Fusion 800というセンサーを搭載しているが、『Xiaomi 17T Pro』は前モデル『Xiaomi 15T Pro』のLight Fusion 900の後継となる、同950を採用した。この結果、より細かいディテールの描写も美しく記録できるようになったのだ。
カメラアプリのメニュー構成は、下にモードが並ぶ。モードはプロ、ビデオ、写真、ポートレート、ドキュメントの6種類。
画面を上にスワイプすると、各モードに応じたクイックメニューが表示される。写真撮影は通常は1250万画素に圧縮されるが、高画質な5000万画素での撮影への切り替えや、セルフタイマー、マクロ撮影、ウォーターマークの有無などもここから素早く変更できる。
また画面の上に並ぶアイコンの配置も変えられる。こちらはトップパネルと呼び、フラッシュなど撮影時によく使う機能が並ぶ。一番右にあるのがシャオミならではのボタンで、これはライカモードの切り替えだ。「LEICA Authentic」では淡い色合いが、「LEICA Vibrant」では鮮やかで印象的な色合いに仕上げてくれる。ライカ共同開発のカメラだからこそ、このような機能が搭載されているのである。
ウォーターマークは写真の周囲に『Xiaomi 17T Pro』『Xiaomi 17T』で写したことがわかる透かしを入れることが可能。ライカのロゴのついたウォーターマークをつければ、どんな写真も本格的な雰囲気に見えるだろう。また写真の加工も様々なフィルターがあるため、撮影にミスしてもある程度の補正が可能だ。そして前述したように、Androidスマートフォン同士でファイル転送できるQuick Shareが、iPhoneにも対応し写真を送信できる。
望遠撮影も得意な「Xiaomi 17T」シリーズのカメラ
ここからは実際に撮影した写真を見ながら解説したいので、作例も合わせてご覧いただければ幸いだ(記事のため、画像サイズは横1200ドットに縮小、モードは「LEICA Authentic」にて)。『Xiaomi 17T Pro』で都内で撮影したが、超広角カメラ(15ミリ)は1200万画素だがノイズもなくしっかりと撮影できている。なおウォーターマークには撮影条件も記録できる。
広角(23ミリ)での撮影では、空の青さも美しく表現してくれている。左右端のゆがみもなくいい感じに撮れている。
望遠の5倍(115ミリ)でも、5000万画素の高画質を生かした精細な撮影が可能だ。広角では見えなかったスカイツリーもはっきり見えるほど写してくれた。
今度は10倍(230ミリ)での撮影だ。光学5倍をデジタルで10倍まで引き上げた格好になる。この画質も十分使えるレベルだ。
さらに倍率をあげて20倍(460ミリ)で撮ってみた。スカイツリー頭部の細かいディテールもしっかりわかる。
そして最大の120倍(2760ミリ)。さすがに全体のディテールは甘いものの、記録として残す分には十分使えるだろう。常用するならこの半分、60倍程度くらいまでがいいかもしれない。
今度は近距離撮影をおこなってみた。これくらいの距離まで近づける。
望遠を使ったテレマクロなら、このような拡大写真もお手の物だ。被写体に近づくよりも、あえて遠くから望遠で撮影するのもテクとして覚えておくといいだろう。
こちらは『Xiaomi 17T』での撮影だ。『Xiaomi 17T Pro』同様に5000万画素のカメラはいい絵を残してくれる。
ただし2つのモデルの広角カメラは前述したようにセンサーの性能が異なる。その差は特に夜景でわかりやすい。こちらは『Xiaomi 17T』で撮った夜の写真だ。細かい部分も映えるよう、美しく撮影できている。
一方、より高性能なセンサーを搭載する『Xiaomi 17T Pro』で撮影した夜景がこちらだ。一見するとわからないようでも、ライトの色の表現、後方の建物の明るさの表現など、『Xiaomi 17T Pro』のほうが上回っている。もっと光の少ない夜景ならよりその差は際立つだろう。
おサイフ、カメラ、本体サイズで選べる
2つのモデルはどちらも実力十分なチップセットとカメラを搭載しており、甲乙つけがたい製品に仕上がっている。もちろんパフォーマンスを考えれば上位モデルの『Xiaomi 17T Pro』が最適であり、おサイフケータイとしても使える利便性は高い。しかし『Xiaomi 17T』の片手で楽に持てる小ぶりな大きさも魅力だ。気になる人は電量販店や、東京、大阪に続き7月に名古屋にオープンするシャオミの直営店「Xiaomi Store」の店頭で実機をぜひ試してほしい。