世界一の携帯電話評論家・山根康宏のスマホ進化論(第18回)
日本未発売だけど気になる存在 ファーウェイ『Pura 90 Pro Max』が見た目はポップ&中身はウルトラ級の個性派スマホだった
Huawei(ファーウェイ)は日本ではスマートウォッチなどを手掛けるメーカーとして知られているが、実は海外ではスマートフォンも発売している。そのファーウェイの最新鋭機がカメラ強化のスマートフォン『Pura 90 Pro Max』だ。一見すると派手な見た目が特徴のスマートフォンだが、中身はウルトラ級のカメラを搭載した、見た目からは想像できないハイスペックな製品なのである。
日本には無い、ド派手なボディーカラー
『Pura(ピュラ) 90 Pro Max』はそのボディーカラーに目を奪われるほど、最近のどれも同じようなスマートフォンとは異なるカラーリングが施された製品。残念ながら日本はおろか、他の諸外国でも販売はされていない。現在は中国のみで発売中のスマートフォンなのである。ところがその中国では老若男女問わず、幅広い消費者から注目を集めているスマートフォンだという。

その理由は本体性能が高いこともあるが、何といってもそのボディーカラーに秘密がある。カラバリは5色あるが、最も目立つ色合いが背面にグラデーションカラーを施したモデルなのである。最近のスマートフォンの背面仕上げは1色のみで「どうせカバーをつけるから、本体色なんてなんでもいい」と考える人も多いだろう。ところが『Pura 90 Pro Max』はカバーをつけるのがもったいない、そう思わせてくれる色合いに仕上げられている。

グラデーションカラーはもう1種類ある。実はこのグラデーション仕上げは、今から10年くらい前にちょっとだけ流行ったことがあった。歴史は繰り返すというが、当時も斬新だと思えたデザインが、今見ても他にはない独自性を十分感じさせてくれる。

別のカラバリの緑色のボディーは、単色ながら濃淡が流れるように処理されたこれもグラデーション仕上げとなる。落ち着いた雰囲気の中にも遊び心が感じられる、なかなかうまいカラーリングだ。

もちろん「普通の色がいい」という人向けに、無難な白と黒のボディーもある。だが中国の家電量販店に行ってみると、お昼休みに付近のオフィスビルから休憩がてらやってきたビジネスパーソンがこぞって触っているのはグラデーション仕上げのモデルだ。

なかなか面白そうなファーウェイのスマートフォンだが、中国の消費者以外が使うにはやや敷居が高い問題がある。まずOSはiPhoneのiOSやサムスン、シャープ、ソニーなどが採用するAndroid OSではなく、ファーウェイが独自に開発したHaromyOS(ハーモニーOS)を採用している。そのため日本や海外で使われているアプリの数が圧倒的に少ないのだ。特にSNS系は全滅である。実は抜け道としてそれらのアプリを入れることもできるのだが、通知がうまくこなかったり、写真がアップロードできないなどの問題もある。スマートフォン好きな日本人がファーウェイのスマートフォンを買った際は、普段使いはiPhoneなどを持ち、ファーウェイはカメラとして使う、という使い分けをすることが多いようだ。

カメラ性能は業界トップクラス

それでもファーウェイのスマートフォンに注目する海外ユーザーが多いのは、前述したようにカメラの性能が非常に高いからだ。実はファーウェイは数年前まで、カメラの老舗メーカー、ライカとスマートフォンのカメラで協業を行っていた。現在ライカはシャオミとシャープと協業しているが、スマートフォンメーカーと協業したのはファーウェイが最初だったのだ。現在、ファーウェイはライカから学んだ知見と独自の画像技術を取り入れた「XMAGE」というイメージングシステムを開発してスマートフォンに搭載している。AI加工が全盛な時代だが、ファーウェイのカメラは「自然な色合い」かつ「映える」写真を撮れるという評価も高い。
『Pura 90 Pro Max』は望遠カメラに2億画素の超高画素センサーを搭載している。そのため望遠撮影に非常に強く、10倍どころか20倍や50倍、そして100倍までのデジタルズーミングも苦も無く撮影できる。また普段使い用の広角は5000万画素、ワイド撮影を得意とする超広角は4000万画素だ。どの倍率でも美しい写真を残せるのである。

では実際にカメラの性能を見てみよう。まずは1倍、23mmでの撮影だ。中国のファーウェイストアの店内から外を撮影してみた。

続いていきなり10倍で撮影し、望遠の性能を見てみた。望遠カメラは光学4倍だが、Pura 90 Pro Maxのカメラアプリの画面内には、倍率表示として4倍の上に10倍があり、ワンタッチでこの高倍率撮影ができる。10倍での画質は十分で、日常的にこの高倍率を使いたいと思わせてくれる。

こちらは30倍だ。ここまでの倍率だと多くのスマートフォンは画像がボケてしまったりあまり見られるものではないが、『Pura 90 Pro Max』ならこれが30倍で撮ったとは言われなければわからないだろう。またAI手振れ補正により三脚が無くとも手持ちで十分撮ることができる。

そして100倍で撮影してみた。ここまで高倍率だとさすがにAI手振れ補正を利かせながらの撮影となるので、手持ちで被写体の狙った場所を中心に収めるのはやや難しかった。また撮影中のプレビュー画面はボケて見えるが、撮影後はAI補正がかかり、シャープな仕上げとなる。さすがにAIで補正したような、若干「作った」感のある絵になるものの、SNSでシェアする分にはまったく問題ないだろう。

このように『Pura 90 Max Pro』は見た目だけのスマートフォンに感じるものの、実は業界最上級のカメラを搭載している端末なのだ。iPhoneなどと比べてもカメラ性能はかなり高く、日本でシャオミが発売中の高性能カメラモデル『Xiaomi 17 Ultra』と遜色ない性能を持っている。中国以外で触ることができないのが残念だが、もしも中国旅行に行くことがあれば、ぜひ現地のファーウェイのお店などで『Pura 90 Pro Max』を触ってみてほしい。

























