King & Princeがファンと紡いだ絆の8年——「アイドルを続ける意味になった」相思相愛な関係

 King & Princeが、5月23日にデビュー8周年を迎える。

 デビュー曲「シンデレラガール」を初めて聴いたときの衝撃は、いまだに忘れられない。というのも、当時大学生だったわたしの周囲では、“アイドルファン卒業”の風潮が漂っていた。就活や将来のことなど、考えなければならない現実が一気に押し寄せてくる時期だったため、以前ほど熱量高くアイドルを推す余裕がなくなっていたのかもしれない。そんな空気を変えたのが、King & Princeの「シンデレラガール」だった。久しぶりに現れた王道アイドルに心を掴まれた人が続出し、学内で「キンプリ、誰推し?」という会話が自然と飛び交っていたのを覚えている。

 あれから、もう8年か——そんな風に思うけれど、数々のことを乗り越えてきた彼らにとって、この8年はかなり濃密なものだったにちがいない。

真逆だからこそ「一緒にいて楽しい」「夫婦みたい」な“れんかい”のバランスの妙

 2018年、6人でデビューしたKing & Princeは、2023年5月23日より永瀬廉と髙橋海人の2人体制になった。このコラムを書くにあたって、新体制始動からの7カ月に密着した『連続ドキュメンタリー RIDE ON TIME』Season6(フジテレビ系で放送、PrimeVideo・Netflixで配信)を見返したのだが、髙橋が「6人だったメンバーが2(人)になっているわけじゃないですか。3分の1になっているわけだから……」と言いつつ、「いろんなことを考えた上で2人で一緒にいるから、ずっと楽しく仲良くやっていこうぜっていうのは、自分も思っているし、廉も思ってくれてるっていうのが共有できている」と語っていたのが印象的だった。

『RIDE ON TIME』Season 6 【King & Prince】 編 2024.06.18 より Netflixにて2週連続配信!

 永瀬と髙橋は、6人時代から“れんかい”コンビとしてファンに親しまれてきた。しかし、現在の関係性はただ仲が良いという言葉では言い表せないほど、特別なものになっているように感じる。お互い、背負うものの大きさを理解しながら、足りないものを補完し合う——番組のなかで見えたのは、そんな“相棒”のような関係性だった。考え方や、人間としてのタイプが真逆なところも、「だからこそ、一緒にいて楽しい」(髙橋)「嫌なところも嫌じゃなくなる。もう夫婦みたいです」(永瀬)と笑い合う。

 「与えられたものを頑張るスタンス」の永瀬と、アーティスティックな感性で次から次へとアイデアを生み出す髙橋。ライブの構成においても、その対比がいいバランスとして表れていた。「意見が食いちがうってこともないですし、海人が『これがいい』って言ったら納得してそれもできるし。もちろん、意見を求められたら言うけど……っていう。すごくバランスよく話し合えているなと思いますね」という永瀬の言葉を聞き、パズルのピースがカチッと音を立ててハマったような感覚になった。

 「この人とずっと一緒にいたら喧嘩もないだろうし、寄り添っていけるなって思える人。産んでくれたご両親、ありがとうございますって感じです」——髙橋のこの言葉からも、永瀬への深い信頼が伝わってくる。失ったものもある。でも、だからこそいま隣にいる相手の存在がより特別で、かけがえのないものに感じられるのかもしれない。King & Princeの楽曲「彩り」には、〈描く未来には いつも君がいればいい〉という歌詞が登場する。私は、このフレーズが彼らにリンクしているように思えてならない。

「アイドルを続ける意味になった」King & Princeとファンの強固な絆

 現在の体制は、デビュー当時に思い描いていたものではないのは分かる。それでも、彼らはこの形をいつか「運命」と呼べるものにするため、King & Princeという看板を背負いながら走り続けているのだろう。グループに大きな変化が起きたとき、そのアイドルがファンとどのような関係を築いてきたのかが見える。King & Princeとファンの絆は、紆余曲折を乗り越えてより強固なものになったように感じるのは、私だけだろうか。

 永瀬と髙橋は、いつも視点を“ファン”に置いている。ファンファーストという言葉が、こんなに似合うアイドルはなかなかいない……と思うくらいに。わたしがいちばん感動したのは、3人が脱退することが発表されたときのこと。ラジオ番組『King & Prince 永瀬廉のRadio GARDEN』(文化放送)で永瀬がファンに向けて、「(皆さんは)たかがファンじゃなくて……皆さんが思っていたかもしれない“たかがファン”ていう存在が、俺らにとってはアイドルっていう活動を続ける意味になったってことを知っててほしい」と語っていたのだ。この言葉を聞き、「こんなに愛されているファンは幸せだろうな……」と羨ましくなったのを覚えている。

 また、髙橋も自身が作詞作曲した楽曲「話をしようよ」で、ファンに対する想いを伝えていた。とくに、〈「私なんか見えてないでしょ」ってきみは言うけど なわけないじゃん 全部きみのためで僕らのため〉というフレーズは、永瀬のスタンスに通ずる部分がある気がした。ファンを、ただ応援してくれる存在ではなく、自分たちがアイドルでいる意味そのものとして捉えているからこそ、出てくる言葉なのだろう。

 2人体制になって初めてのライブの前にも、彼らは「“いい雰囲気でやれてるじゃん”って安心させてあげたい」「ファンの人の不安とかを取り除いてあげられるような楽しくて幸せな気持ちでいっぱいにしてあげたい」と話していた。その言葉のとおり、King & Princeのファンは不安に包まれた夜を乗り越え、笑顔を咲かせている。

 デビューから8年。彼らは決して平坦ではない道を歩んできた。それでも、ファンを愛し、愛され、King & Princeという看板を守り続けている。葛藤を抱きながらも、“続ける”ことを選び、泥臭く歩んできた彼らは、美しい。これから先、King & Princeが描いていく未来に、変わらずあたたかな彩りがあることを願って。

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