日本初の代替アプリストア『あっぷアリーナ!』 CEOへの直接取材で見えた“狙い”

日本初の代替アプリストア、狙いは?

 BBSS株式会社は、3月31日より発見型アプリストア「あっぷアリーナ!」をオープンした。同アプリストアは、AppleやGoogleが提供するApp Store、Playストアとは異なる、代替アプリストアの一種。運営を担うBBSS株式会社は、ソフトバンクグループ・SB C&S株式会社の傘下企業だ。

 「あっぷアリーナ!」は、ダウンロード数を基準としたランキングから脱却した「発見型アプリストア」で、同ストアの編集チームによるキュレーションやゲーム解説、課金決済額のポイント還元や、クラウド経由で15分間の“体験プレイ”など、ゲームに特化した機能を備える。

 ローンチに合わせて開催されたメディア向けの発表イベントでは、BBSS社CEOの本田晋弥氏、R&D本部本部長の橋本雅斗氏、Aptoide社COOのアルヴァロ・ピント氏らが登壇し、アプリストアについて説明。イベント後半ではタレントの岡田結実、武田真治らも登壇し、実際にアプリストアを体験する様子を披露した。本稿では、ストアの概要解説と、CEOの本田氏への取材をまとめてお届けしよう。(編集部)

スマホゲーマーは「まだ見ぬ新規タイトル」と出会いづらい?

 イベント冒頭、最初に登壇した本田氏は、「国内のゲームアプリ市場のダウンロード数や収益は右肩下がりに鈍化・停滞している」と説明したうえで、その要因のひとつとして「ダウンロード数に基づいたランキング」を挙げ、「世界で200万以上のアプリが配信されているが、ランキング上位のゲームによる独占状態が続いてしまっている」と続けた。

 その結果として、日々配信される新しいゲームやインディゲームがなかなか日の目を浴びられず、ユーザーが新たな「面白いゲーム」と出会うチャンスが減っているのではないか、と本田氏は指摘。それを解決するために立ち上がったのが、「あっぷアリーナ!」というわけだ。

 ストアの特徴として掲げられたいくつかの特徴のなかで、とりわけ重要になるのが「編集型のキュレーション」と「ユーザーへのポイント還元」だ。会見後に本田氏へ直接インタビューを行ったところ、「あっぷアリーナ!」が目指すストアとしての姿が、より詳しく見えてきた。

「良いと思ったもの」を厳選して並べる セレクトショップ的なアプリストア

 はじめに筆者が質問したのは、目指す配信タイトル数だ。これについて本田氏は、「ベンダーあってのストアなので明確な数字は設けていない」とした上でまずは「30タイトル程度は欲しい」と明かしてくれた。

 これまで我々が利用してきたApp StoreやPlayストアのタイトル数を考えると「そんなに少ないの?」と思うかもしれないが、「あっぷアリーナ!」では編集チームが厳選したアプリを紹介することを強みとしているので、配信タイトル数にこだわってはいないということであった。一方で、ビジネスの面や二つ目の特徴であるユーザーのポイント還元施策を活かすためには人気タイトルの誘致も必要であるとし、現在鋭意交渉中とのことだ。

 実際、筆者も最初にこの答えをもらった際には「結構少ないんだな」と感じたが、いわばセレクトショップ的な運営を目指すと言われてみればすんなりと納得することができた。くわえて、この形態にすることは、既存ストアとの差別化やサービスのコンセプト、事業としての安定性担保など、合理性も高いことが本田氏とのやり取りから見えてきた。

 まず、田中氏によればストアを運営していく上での収益構造については、主にゲーム課金に対する手数料などが収入の中心になるとのことで、既存ストアよりも優遇された手数料を採用することでベンダーへのメリットを提示する考えだという。手数料が下がるメリットがあるベンダーに対して、ユーザーはポイント還元などの恩恵を享受できる。そして、こうしたベネフィットを目当てにやってくるベンダー・ユーザーの得られる収益から「あっぷアリーナ!」の運営費や、キュレーション記事などの制作費が捻出される。こうして“三方よし”を成立させているわけだ。

 そして、こうして確保された予算を使っておすすめのゲームアプリ発掘や、キュレーション・レビュー記事の公開などメディア機能を運営していくとのことで、アプリストアでありながらメディア・媒体としての機能を併せ持つこととなる。そういった意味では、「アプリストア」というよりはストア・決済機能を持つポータルアプリ的な側面もあるかもしれない。

 なお、ベンダーがアプリをリリースする際は、パートナーシップを結んだAptoide社を介す形でおこなわれる。Aptoide社はこれまで海外市場向けのアプリストアを運営してきた企業で、日本におけるベンダーとの交渉窓口やプロモーションが可能なBBSS社(およびソフトバンクグループ)とは適材適所の関係性になるというわけだ。

 最後に本田氏が明かしてくれたところによれば、Aptoide社の持つストアには「会員ごとのランク」を管理するシステムもあるとのことで、積極的に利用することでベネフィットを得られる仕組みも実装可能だという。現段階ではあくまでも企画構想中とのことだが、こうしたシステムが実装されれば、ゲームファンにとって魅力的なプラットフォームになるだろう。今後の動きにも注目したい。

■関連リンク
「あっぷアリーナ!」プレスリリース

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