憧れる、けど簡単には買えない「防音室」……導入したVTuberたちの“リアルな声”が話題に

「外部の音」を遮断するためにも必要な防音室
VTuberの場合は「自身の声が外に漏れない」だけでなく「外部の音が入らない」ようにするための防音も必須になってくるだろう。たとえば音声や音楽の収録のときに、外から車やバイクの音が聞こえてきたら元も子もない。外部からの音……たとえば選挙カーの音が配信に乗ってしまい、住んでいる場所を特定されるおそれすらある。
そして特に難しいのが、ASMR系のコンテンツを制作する場合だ。微細な音を聞かせるのが目的であるがゆえに、配信中に少しでも外からの音が聞こえてしまうと興を削いでしまう、あるいは視聴者に“爆音”を届けてしまうため、なんらかの防音手段が必須になってくる。
防音室が話題になってるみたい.’ .’
うめのもみてください
こんな狭い空間で全身トラッキングリングフィットアドベンチャーしてます🔥🔥PCは外に置いてるからasmrが快適♡ pic.twitter.com/Zht4jf3mQl
— 狛犬うめ🌐🐾 (@komaiume) February 18, 2026
さらにASMRの場合、マイクも高感度なものを使っていることが多い。微細な音も拾ってしまいかねないため、配信用のパソコンを置く位置にも気を使うこととなる。狛犬うめのポストの写真を見ると、パソコンを防音室の外側に置くことでASMR用の環境をよりよいものにしているのがわかる。
余談だが、昼間でもASMRを高品質に録りたい、という思いが高じてスタジオを建ててしまったことで有名なのが周防パトラだ。彼女のエッセイ『あくまのかんづめ~周防パトラのエッセイ集~』では、土地までこだわって選んで、スタジオを35年ローンを組んで建設したと述べている。普段の配信部屋は壁全体が吸音材でできており、ASMR配信部屋は3重構造の防音壁に。その他にも音楽制作用の部屋もあるとのことで、2021年から使用しているという。
おはよーー!今日はついに防音室がリフォームされるので配信部屋移動したりするよ~!部屋浮くの楽しみ~! pic.twitter.com/9Kjn6XT0HU
— 周防パトラ🦀❤️ (@Patra_HNST) July 9, 2024
2024年にはさらにこだわりが高まり、防音室の大幅なリフォームを敢行。「部屋浮くの楽しみ~!」という発言でファンを更に驚かせた。
導入は簡単じゃない? 防音室を持つ際の悩み
こうして防音室を実際に使っている人たちの様子を見ると、VTuberならずともついつい欲しくなってしまうところだが、現実はそう簡単ではない。防音室を導入する際には数多くの悩み事もついてくる。
防音室を使う際の悩みの一つが、空調の問題だ。密閉空間であればあるほど音漏れがしないのは間違いないものの、それでは熱がこもってサウナ状態になってしまう。YAMAHAでも防音室にエアコンを設置することを「お勧め」している。逆に室内で燃焼させる暖房器具に関しては、酸欠になる恐れがあるため「絶対に使用しないで下さい」という注意書きもされている(※4)。
また法的な問題もクリアしなければいけない。「消防法」では部屋に火災警報器の設置が義務付けられている。防音室は音が聞こえにくくなるため、防音室にも火災警報器の設置が必要になることがある。特に共同住宅の場合は、管理会社の指示に沿った形式を取らなければいけない(※5)。
「建築基準法」では「居室として扱われる場合には採光・換気用の窓が必須」とされている。そのため、防音室が「居室」に当たる場合は窓を設置しなければいけなくなる。窓の部分は必然的に遮音効果が下がるため、導入前に慎重に調べる必要があるだろう(※6)。
賃貸の場合は「民法」の用法順守義務を守る必要が出てくる。防音室設置は日常生活に必要な工事とみなされない場合は、大家の許可なしに設置ができないパターンもあるため注意が必要だ。また退去時には原状回復義務もある。防音室によっては3~400kgもの重量があるため、設置するとフローリングが凹んだり、最悪床が抜けてしまう可能性もある。そのため原状回復のラインについて、事前に大家や工事業者と打ち合わせておく必要が出てくるだろう(※7)。
わらわも!防音室完備してます!
なんだったら広すぎてウォーキングマシン置いてます!!
あと引越しに防音室だけで35万かかるって言われました、、、っ!永住します!
#防音室 pic.twitter.com/gDiHLCNzK6— 鈴鳴りりん🔔🦇🎶Vtuber (@Ririn_Suzunari) February 18, 2026
鈴鳴りりんのポストした写真の防音室はかなり広く、3畳ほどのスペースでウォーキングマシンを置けるほど余裕がある。見ているだけでうらやましくなる環境だが、同時に「引越しに防音室だけで35万かかるって言われました、、、っ!」と、引っ越しに伴う防音室の移設にかかる驚きの金額の告白もしている。立派な設備であるがゆえの悩みといったところか。
本体の価格、管理の大変さ、住環境の事情、実用時の苦労など、さまざまなハードルもあってなかなか手出しができない防音室。しかし、購入者や制作者のポストから感じられるのは、「それでもVTuberとして最高の環境で続けていきたい」という“覚悟”だ。それだけでなく、配信者であるかないかを問わず興味を持つ人が多いからこそ、SNSで多くの人が関心を持ち、話題になったのだろう。
そして、今回の話題でバズり、多くの人から注目を集めたVTuberが多数いる。発信された情報の数々は、リアルな事情を垣間見ることができる貴重なレビューとして、設置を検討している人の参考にもなっただろう。多くの人の活動意欲を刺激する話題として、今後も注目したい。
〈参考〉
※1:「OTODASU™Ⅱ DEKA FAN・吸音材あり | OTODASU™」https://otodasu.jp/product/otodasu-deka-fan-kyuon/
※2:「ヤマハ | AMDB08H - ユニット 0.8畳、1.2畳、1.5畳 - 概要」https://jp.yamaha.com/products/soundproofing/ready-made_rooms/size_08-15/amdb08h/index.html
※3:「【防音コラム】防音とは?DR値とdb(デジベル)の関係性について|島村楽器 イオンモール名古屋茶屋店」https://www.shimamura.co.jp/shop/nagoyachaya/product/20210215/6313
※4:「ヤマハ | エアコン取付について - 設置に関する情報」https://jp.yamaha.com/products/contents/soundproofing/support/air_conditioner/index.html
※5:「防音室設置のための確認事項 - 新品・中古防音室紹介サイト|島村楽器」https://info.shimamura.co.jp/soundproof/check
※6:「新築一戸建てに防音室をつくるには?メリットや事前準備を解説 - コラム一覧 - お役立ちコラム - パナソニック ホームズ - Panasonic」https://homes.panasonic.com/column/70138/
※7:「【ホームズ】賃貸でも設置可能な防音室タイプを紹介! 費用相場と選び方は? | 住まいのお役立ち情報」https://www.homes.co.jp/cont/rent/rent_01142/





















