「格ゲー」はタイパ時代の最適解? 『ストリートファイター6』が巻き起こすブームの正体とは

格闘ゲームの全盛期は平成前半辺りと言われるが、令和の今になってふたたび大きなブームが生まれている。火付け役となったのは、カプコンによる『ストリートファイター6』(以下、スト6)だ。ここ数年ゲーム業界に起きている変化と、その背景について考えてみたい。
配信者大会が続々開催、会場には若者や女性の姿も
2026年に入ってから、格闘ゲーム界隈では大規模な配信者大会が次々と開催されている。たとえば1月23日には、にじさんじ所属のVTuber・葛葉が主催する「KZHCUP RUMBLE in STREET FIGHTER 6」の決勝戦・エキシビションマッチがパシフィコ横浜 国立大ホールで開催。また人気ストリーマー・SHAKAが主催する『Red Bull LEGENDUS STREET FIGHTER 6 師弟杯 ~2025冬 後楽園の陣~』の決勝トーナメントも、1月28日・29日に後楽園ホールで行われた。
ここで注目したいのはイベントに集まった客層の意外性。『KZHCUP』の直前特番では会場インタビューを行なっていたが、そこには若い層や女性客の姿が目立っていた。また同イベントに関わったプロゲーマーも、格闘ゲームの大会とは思えない女性率の高さに驚いていた。にじさんじファンの女性率の高さも関係しているかもしれないが、それを差し引いても格ゲー文化の変化を感じさせるイベントだったと言える。
これ以前にも、『スト6』のディレクターである中山貴之氏がインタビュー記事で興味深い情報を語っていた。いわく『スト6』の発売によって、主なユーザー層が従来の35歳~45歳男性から20代へと変わったという。(※)
モダン操作、配信者人気、そしてタイパ……復活の理由を考える
なぜ一時期は衰退していた格闘ゲームが、『スト6』を経て再興したのか。その理由としてよく言われているのは、複雑なコマンドやコンボなどを覚えなくても対戦を楽しめる“モダン操作”の導入だ。またゲーム配信者のあいだでの流行、大会イベントの成功なども理由として考えられる。
さらにそのほかの要因として注目したいのは、対戦時間の短さ。そもそも『スト6』が出てくる以前、PvP型の対戦ゲームではFPSやTPSといったジャンルが流行していた。その動きは『PUBG: BATTLEGROUNDS』や『フォートナイト』、『Apex Legends』といったバトロワ系を経て、爆弾設置系FPSブームを再燃させた『VALORANT』にまで至る。
しかし『スト6』が発売された時期は、そうしたシューターゲームにある種の行き詰まりが見えていた頃だった。ネックとなったのは、“1試合当たりの時間の長さ”だ。たとえば『VALORANT』では、ランクマッチにあたる「コンペティティブ」モードをプレイするために一試合30分以上かかる。
そんななか登場した『スト6』は、1ラウンド99秒の2ラウンド先取。この伝統的な言える試合時間が、タイパを重視する現代人にマッチしたのかもしれない。すなわち“カジュアルに遊べる”という性質があったからこそ、継続してプレイする人が増えているのではないだろうか。
格ゲーにはまだポテンシャルが眠っている
とはいえ今のところ、『スト6』に並ぶほどの競合タイトルは出てきていない。格闘ゲームというジャンルにはまだまだポテンシャルが眠っているはずなので、さらなる盛り上がりに期待したい。
参照
※:https://www.walkerplus.com/special/fandomplus/article/1183665/




























