キーボードと一体化したPC『EliteBoard G1a』は、HPが提案する新たな「Copilot+ PC」のカタチ

話題のキーボード一体型PC知ってる?

 米ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー展示会「CES 2026」において、HPが発表した『EliteBoard G1a』は、PC業界の注目を集めた製品のひとつだ。

 ディスプレイを備えない“キーボード一体型PC”という独特の形状は、見た目だけを切り取ればやや風変わりに映るかもしれない。

 しかし、本機の注目ポイントはその外観ではなく、NPUによるローカルAI処理を前提とした一定の性能要件を満たす「Copilot+ PC」を割り切った構成で成立させている点にある。

「ディスプレイ搭載を前提にしないPC」という割り切り

日本HP事業説明会で『EliteBoard G1a』を紹介した松浦徹氏
日本HP事業説明会で『EliteBoard G1a』を紹介した松浦徹氏

 『EliteBoard G1a』は、ノートPCではなく法人向けのデスクトップPCとして位置付けられている。据え置き利用を前提としながら、キーボード一体型とすることで設置や移動の柔軟性を高めたモデルだ。

 近年、ノートPCは大きく進化し、場所を選ばず作業できる汎用的な端末として定着した。一方で、オフィスや自宅、コワーキングスペースなど、作業場所ごとにディスプレイが常設されている環境も増えている。USB Type-Cケーブル1本で映像出力と給電が可能な環境も、すでに一般的になりつつある。

 『EliteBoard G1a』は、こうした利用環境を前提に設計された製品だ。

『EliteBoard G1a』

 持ち運ぶのは、演算資源と入力装置を内包した本体のみ。外部ディスプレイに接続すれば、どの場所でも同じ作業環境を再現できる。フリーアドレス制のオフィスや、自宅と職場を行き来する働き方を想定した、用途特化型のPCと言える。

 興味深いのは、この割り切りが単なる簡素化や低価格化を目的としていない点だ。キーボード一体型という独特の形態でありながらも、本機はビジネス用途を前提とした「Copilot+ PC」として構成されている。

 プロセッサーには「AMD Ryzen AI 300」シリーズを採用し、AI処理性能は最大50TOPSと「Copilot+ PC」の要件を満たす。無線通信はWi-Fi 7とBluetooth 6.0に対応し、オンライン会議向けにスピーカーとマイクも内蔵。法人向け製品として、セキュリティ機能や拡張性にも配慮されており、実際のオフィスの環境でも十分に役立てられる。

 『EliteBoard G1a』の特徴は、ノートPCのような万能さを追求するのではなく、「ディスプレイが用意された場所で使う」という条件に基づき、構成を最適化した点にある。ディスプレイを外部に委ね、PC本体だけを携行するというこの設計思想は、当然すべてのユーザーに向くものではない。

 それでも、この前提条件に合致する働き方をするユーザーにとっては、現実的かつ合理的な選択肢となり得る。『EliteBoard G1a』は、Copilot+ PC時代における新たな業務用PCの一形態を提示する意欲作と言えるだろう。

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