TOKYO PROTOTYPEでGoogleがハードウェアデザイン展 「自然」と「サステナビリティ」を軸にした開発思想を本国のデザインチームが紹介
東京・虎ノ門ヒルズで開催中の都市型クリエイティブフェスティバル「TOKYO PROTOTYPE」に、Googleがハードウェアデザイン展示「GOOGLE HARDWARE DESIGN STUDIO」を出展している。
本イベントは、AIやロボティクス、アートなど実験的なプロトタイプを集めたフェスティバルで、森ビル TOKYO NODE LABと日本テレビ放送網が主催し、文化庁が協力している大規模イベント。
Googleの展示は本イベントの中核コンテンツのひとつに位置付けられており、展示タイトルは「Prototyping — 動きの中の詩。2026」。同社ハードウェアデザインチームが掲げる「Human(人を起点に)」「Optimistic(前向きに)」「Daring(大胆に)」という3つの指針を軸に、自然から着想を得たデザインやサステナビリティを重視した製品開発プロセスを紹介している。
自然から着想を得たGoogleのハードウェアデザインを間近で見れる貴重な機会
展示のテーマは「エモーショナル デザイン」。Pixelシリーズを中心に、ラフスケッチや初期設計図、プロトタイプから製品化に至るまでの過程を時系列で公開している。
会場には5枚の花びらをイメージしたテーブルが設置され、以下の製品カテゴリーごとにデザインプロセスが展示されている。
『Pixel 10』、『Pixel 9a』、『Pixel 10 Pro Fold』などのスマートフォン製品
『Pixel Watch 4』などのスマートウォッチ製品
『Pixel Buds Pro 2』などのイヤホン製品
『Google Home Speaker』などのスマートホーム製品
それぞれの展示では、自然界の形状や質感をどのようにプロダクトデザインへ落とし込んでいるのか、具体的なスケッチや試作品とともに示されている。
展示の中で印象的だったものをいくつかピックアップすると、例えば『Pixel 10』は色鮮やかな筐体カラーが特徴のひとつだが、これは鉱物や植物といった天然素材の色彩から着想を得ているのだという。また、『Pixel Watch 4』の3Dドーム型ディスプレイは、水の表面張力に着想を得ているとのことだった。
また、イヤホン製品である「Pixel Buds」シリーズについては、多くのユーザーが快適に装着できるように、開発のプロセスのなかで数千以上の耳をスキャンしてデザインを最適化しているという。
たとえば、2019年の『Pixel Buds(第2世代)』では、数千の耳のスキャンデータを基にデザインされたとされていて、最新の『Pixel Buds Pro 2』では、さらに大規模なデータとして45百万の耳スキャンデータポイントを分析し、より快適でセキュアなフィットを追求しているという。
「Pixelスマートフォン」のカメラモジュールにはリサイクル素材が使用され、耐久性と外観品質の両立を実現している。『Pixel Watch 4』のプロトタイプでは、バッテリー交換のしやすさを重視した構造が確認でき、修理可能性を高める設計思想もうかがえた。会場では分解図や部品を実際に見て触れることができる。
こうした展示により、完成品を眺めるだけでなく、デザインがどのような思考や試行錯誤を経て形になったのかを追体験できる点が大きな魅力となっている。
会場では、米国本社から来日したGoogleのデザインチームから直接説明を受けることもでき、普段は表に出にくいデザインプロセスを身近に感じられるはずだ。
国内未発売モデル『Google Home Speaker』も展示
Google製品ファンの来場者にとって注目すべきポイントのひとつが、国内未発売の『Google Home Speaker』の展示だ。
『Google Home Speaker』は、マカロンから着想を得た柔らかなフォルムを採用し、家のどこに置いても空間に溶け込むデザインとなっている。表面を覆うニット素材は、靴下のように高い伸縮性を持つ一体構造で、スピーカーをシームレスに包み込む。
この継ぎ目のないファブリック構造により、素材廃棄量を約63%削減し、接着剤の使用量も99%削減したという。内部構造の紹介では、小型マイコン「Seeed Studio XIAO」を用いた試作基板も展示され、開発過程における試行錯誤が可視化されていた。日本未発売モデルという点でも、非常に貴重な展示と言える。
TOKYO PROTOTYPEでは、Googleの展示のほかにも、生成AIを使ったレースカー体験、触覚デバイスを用いたゲーム、空中を泳ぐ魚のインスタレーションなど、多様なプロトタイプが展示されている。
会期は2026年1月29日から31日まで。会場は虎ノ門ヒルズ ステーションタワーおよびTOKYO NODE各フロアで、入場は無料となっている。Googleの展示「GOOGLE HARDWARE DESIGN STUDIO」は、45階のアライバルホールで開催されている。