約8年ぶり新作『マリオテニス フィーバー』、前作超えなるか シリーズ復権へ試される真価
2月12日、任天堂は『マリオテニス フィーバー』を発売する。
「スーパーマリオ」から派生したスポーツゲームとして、絶大な人気を誇る「マリオテニス」シリーズ。その最新作は、期待どおり、さらにはそれを超える成功を掴み取ることができるだろうか。前作や「マリオカート」シリーズとの比較から、その可能性を模索する。
「マリオテニス」シリーズから約8年ぶりとなる新作がNintendo Switch 2で登場
『マリオテニス フィーバー』は、2000年にNINTENDO 64で発売された『マリオテニス64』を初作とする任天堂のスポーツゲーム「マリオテニス」の最新作だ。プレイヤーは、「スーパーマリオ」シリーズでおなじみのキャラクターたちから1体を選択し、テニスのルールでCPU、他のプレイヤーと協力・対戦する。
特徴となっているのは、豊富なプレイアブルキャラクター数とシンプルでわかりやすい操作、遊び心満載のシステムなど。『マリオテニス フィーバー』には、シリーズ最多となる38のキャラクターが登場する。彼らの長所を生かすのか、それとも短所を補うのか。自分のスタイルを探しながら戦えることも、同タイトルのゲーム性のひとつとなっている。
また、今作には、それぞれに異なる能力を持つ30種類のラケット「フィーバーラケット」も登場。繰り出される「フィーバーショット」を駆使することで、試合を有利に進められる。公式によると、キャラクターとラケットの組み合わせは、1,000通り以上にも及ぶとのこと。上述した魅力は、さらにパワーアップしている。
シリーズにとっては、2018年6月にNintendo Switchで発売された『マリオテニス エース』以来、約8年ぶりとなる新作。現世代機であるNintendo Switch 2がある程度普及したタイミングでのリリースとなるだけに、市場にどこまでインパクトを与えられるかに注目が集まっている。
『マリオテニス フィーバー』は、2026年2月12日発売予定。対応プラットフォームはNintendo Switch 2のみで、価格は、パッケージ版が税込8,980円、ダウンロード版が税込7,980円となっている。
命運握る新システムの評価 取り巻く環境にヒットの予感
2000年の誕生以来、四半世紀にわたって愛されてきた「マリオテニス」。同シリーズからはこれまでに、7作のオリジナルタイトルが発売されている。しかしながら、そのすべてが好評を博してきたわけではない。特に直近の作品は、プレイヤーによって賛否が分かれる結果となっている。
前作『マリオテニス エース』は今作同様、シリーズファンの大きな期待を背負いながら、2018年6月に発売を迎えたが、プレイアブルキャラクターのバリエーションや、単調でビギナーに易しくない新システムなどが議論を呼んだ。一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が発刊する『2023CESAゲーム白書』によると、全世界における販売数は、2022年末の時点で450万本。決して小さくない数字ではあるが、リリース以降のNintendo Switchの快進撃を考えると、事前の期待ほどは受け入れられなかったと表現するのが妥当だろう。
最新作『マリオテニス フィーバー』には、シリーズに対するイメージの払拭も求められることになる。奇しくも両作の発売のタイミングは、対応ハードのローンチから間もない時期。結果が比較しやすいとも言える。言わずもがなだが、今作の対応プラットフォームであるNintendo Switch 2は、ローンチ以降、飛ぶ鳥を落とす勢いで販売台数を伸ばしており、ここにきて誰もが手に入れやすい状況となってきた。そのような土壌を生かすことができれば、自ずと成功への道は見えてくるはずだ。
一方、Nintendo Switch 2で「スーパーマリオ」シリーズの一部に属する作品が発売されるのは、『マリオカート ワールド』以来、2作目となる。両者のあいだには、「人気スピンオフシリーズの最新作」「(広義には)おなじくスポーツゲームに分類され、パーティーゲームとしての性質も併せ持つ」「前作がともに、対応ハードのローンチ期にリリースされている」といった共通項がある。
「マリオカート」シリーズの前作にあたる『マリオカート8 デラックス』は、WiiUで発売された『マリオカート8』の完全版という位置づけながら、世界的なヒットを記録。「Nintendo Switchで最も売れたソフト」に君臨し続けている。全世界における販売数は、2025年9月末時点で6,956万本。この数字は他の追随を許さない。
同作のヒットの背景には、「対応ハードであるNintendo Switchの躍進」「完全版として発売されたことで、完成度がある程度約束されていた」「(部分的な賛否はあれど)シリーズの原点的な面白さと新しさを両立した、過不足のないゲームデザイン」などの存在があったと考えられる。これらはゲームタイトルのヒットにおける必要十分条件であるとも言える。
人気シリーズの最新作であることはもとより、Nintendo Switch 2のリリースと同時に発売されるタイトルとしても、フリークたちの注目、期待を一身に浴びることになったその続編『マリオカート ワールド』だが、オープンワールド化、新システムの登場といった変化とは裏腹に、前作ほどの顕著な好評は得られていない現状がある。無論、比較対象が偉大過ぎることは言うまでもない。それでも事前の話題性からすると、やや物足りない結果と言えるのではないだろうか。
反面、『マリオテニス フィーバー』には、こうした過去作との比較が前向きに作用すると考えられる。先にも述べたとおり、前作『マリオテニス エース』が満場一致の好評を獲得しているわけではないからだ。このような場合、新作に盛り込まれる変化はファンに好意的に捉えられやすい。システムにおける最大のセールスポイントであろう「38体のキャラクター」「30種類のフィーバーラケット」「それらの掛け合わせによる1000通り以上のバリエーション」といった個性は、話題性以上の評価を獲得するための重要なエッセンスとなっていくに違いない。
くわえて、パーティーゲームとしてのポテンシャルに関しては、対戦の色が濃い『マリオカート ワールド』に対し、協力的な要素も含む『マリオテニス フィーバー』が優位である可能性がある。それぞれの前作がリリースされた頃は、まだNintendo Switchが現在の地位を獲得しておらず、他のゲーム機と横並びであった。しかし今日、Nintendo Switch 2を含む任天堂のプラットフォームはファミリー機として広く浸透しており、特に独占で展開されるタイトルに関して、家族で、さらには普段ゲームをプレイしない友人同士で盛り上がるといった遊ばれ方をされている。こうした取り巻く環境の変化も、『マリオテニス フィーバー』には追い風として作用するだろう。
一定以上の期待はされつつも、爆発的なヒットを記録するほどの注目はされていない同タイトルだが、もしかすると、Nintendo Switch 2のマーケットを牽引するダークホースとなるかもしれない。『マリオテニス フィーバー』は前作超えの評価を手にできるだろうか。