“テレビ超えの臨場感”をプロジェクターで手に入れよう 『Aladdin Poca Laser』で推しのライブを見る

 好きなアーティストがコールドスリープ(活動休止)に入る。筆者は人生の要所要所でそのアーティストの曲をいつも聴き、何度も背中を押してもらっていた。そんな人生の大半をアーティスト活動に捧げてくれた3人・Perfumeが、それぞれの人生を歩むために、活動を休止するという決断をした。二度と姿が見られなくなるわけではないが、ファンにとっても3人にとっても、2025年が大きなターニングポイントであることは間違いない。

 だからこそ、筆者はいまこのタイミングで改めて3人のパフォーマンスに浸ろうと思った。ただ、そこまでの思いがある場合、果たしてテレビの映像で満足できるのだろうか?

 そこで今回は『Aladdin Poca Laser』(税込9万9900円)をお借りして、ライブ鑑賞をすることに。本商品の使い心地とともに、プロジェクターでライブを鑑賞する価値を伝えられたらと思う。

“手軽さ”は日常に溶け込むかどうかの鍵

 「Aladdin X」のプロジェクターといえば、照明・スピーカー・プロジェクターが一体型になった照明一体型3in1プロジェクターが知られているが、本商品はその『Aladdin X』初となるポータブル型となっている。

 新モデルは、『Aladdin Poca(アラジン ポカ)』(税込6万9900円)と『Aladdin Poca Laser(アラジン ポカ レーザー)』の2種類。今回使用するのは、後者のLaserモデルだ。主な違いは明るさであり、Laserモデルの方が、色の鮮やかで明暗がくっきりと映るので、それこそ今回のようにライブ映像を視聴する際や、明るい場所で使うときはこちらの方がおすすめだ。

 本体には「Aladdin OS」が搭載されており、YouTubeやNetflixなど主要配信サービスはログインするだけでおおよそ網羅できる。

 筆者がまず感動したのは、ジンバルが付属でついているところだ。三脚を購入する必要もなく、持ち上げてクルッと回すだけで使うことができるので本当に楽である。寝っ転がりながら片手で回して、天井にも簡単に映すことができる。

 さらに自動補正機能を備えているため、いちいちピントを調整する必要がない。天井でも壁でも、向けた先でくっきりとした映像が映し出される。

 ちなみに筆者はプロジェクターをすでに一台持っているのだが、それは本体とは別に三脚が必要なタイプである。しかも三脚は使い続けてネジが緩くなってしまい、本体はいちいちピントを合わせなければならず、いろいろと面倒くさくなって気が付けば埃を被ってしまっていた。

 せっかくプロジェクターを持っていても、準備に手間取ると次第に「今日はいいか」と思うようになり出番を失ってしまう。プロジェクターが日常に根付くかどうかは、性能以上に、“気軽に使えるかどうか”にかかっているのかもしれない。

 こちらが実際に自宅の壁に映した様子である。スクリーンではなくただ白い壁に映しただけだが、色がとても鮮明だ。多少部屋を明るくしてもかなり見やすい。

 本商品には2種類のレンズが付属している。いずれもマグネット式で簡単に装着でき、取り付けるだけで100種類以上の映像素材を楽しむことができるようだ。こちらで操作をしなくても、レンズを装着すると自動的にコンテンツが再生される。試しに、オレンジ色の「Aladdin Lens A」から使ってみることに。

 こちらが、レンズを使う前とあとの比較写真だ。「Aladdin Lens A」を使うと、映像を5倍(最大200インチ)の大きさで映してくれるようだ。写真だとなかなか伝わりづらいが、ここまで大きく写ると、映像を見ているというよりは自分がその景色のなかにいるような感覚になる。広い部屋で使うのもいいが、狭い部屋でレンズを使い、壁からはみ出るくらい映しても楽しいかもしれない。

 こちらはレンズを使って星空を天井に映した様子だ。寝転がって見てみると、鮮やかさも相まって星が降ってくるような感覚を味わうことができる。

 次は曇りガラスのようになっていた「Aladdin Lens B」を使ってみる。こちらは何かの景色が映るというわけではなく、フワッとした雰囲気の光を映してくれるようだ。今回はまっすぐ壁に向けて映したが、色や光の当てる場所を変えるだけで、部屋の雰囲気をかなり変えることができるだろう。

 そして今回は本商品を使って、12月21日に配信されたPerfumeの『Perfume ZO/Z5 Anniversary “ネビュラロマンス” Episode TOKYO DOME』を視聴してみた。本公演はPerfumeがコールドスリープに入る前のラストライブである。

 実際に視聴してみたところ、本商品は今回のライブにぴったりだった。というのも、今回の舞台は5万人を収容する東京ドーム。本公演も、ドームの天井まで目一杯空間の広さを使った演出が取り入れられていた。プロジェクターはテレビと違って枠がないため、部屋の大きさに合わせて壁いっぱいに映すことができる。そのため、ライブ会場の広さや奥行きをよりダイレクトに感じられた。

 また、壁に映しているため、筆者も来場者と同じように“見上げるような目線”でライブを視聴した。こういったところも、テレビにはない没入感を味わえる要因のひとつだろう。

 そしてPerfumeを知っている人ならわかると思うが、彼女たちのライブは最先端の映像技術とテクノロジーがベースにある。本公演も、光輝く立方体がメインステージに鎮座していた。最大200インチを誇るサイズ感で映し出された光の粒は、思わず「眩しっ」と思うほど目の前に迫ってきているように感じた。

 どうしても生で見ているわけではないため、会場の温度、匂い、空気、振動までは伝わらない。それでも、プロジェクターは限りなく近いところまで、その世界に連れて行ってくれる。向こうの世界とこちらの世界を隔てる壁を限界まで薄くしてくれる。ぜひ、大切な何かを振り返りたいと思ったら、よりその世界へ“連れて行ってくれる”プロジェクターを使うといいかもしれない。

『スイカゲーム』との連動も楽しい 10万円切りの一体型プロジェクター『Aladdin X2 Light』レビュー

2024年10月21日に新発売される「Aladdin X2 Light」は、LEDシーリングライト、高音質スピーカー、高性能プロ…

関連記事