初売りでApple Watchを買うなら『SE 3』がオススメ! 歴代モデルを買い続けてきた筆者のレビューをお届け
ことし9月、「iPhone 17」シリーズや『iPhone Air』と一緒に発表された『Apple Watch Series 11』。こちらもiPhoneと同様、毎年アップデートされている注目のデバイスだ。
筆者は「Apple Watch」登場以来、毎年買い替えを繰り返してきた。今回も最新のSeries 11を入手したので、それまで約1年間使ってきた前モデルのSeries 10との違いや使用感、そして狙い目のモデル『Apple Watch SE3』の魅力などを、あらためてレポートしてみたい。新年の初売りセールやキャンペーンに乗じて、スマートウォッチを買ってみたいという読者の参考になれば幸いだ。
最も薄く最も快適なデザインに収めた『Apple Watch Series 11』
まずはSeries 11で何が新しくなったか復習しておこう。Appleのイベントでも最初に触れられたのが、「これまでで最も薄く快適になり耐久性もさらに向上したこと」だ。Apple独自のIon-Xガラスは同社いわく「業界で最も強靭なガラス」であるという。この素材にAppleが設計したセラミックコーティングを原子レベルでガラスと結合させることで、ガラスの硬度を大幅に向上させた。その結果、耐擦傷性能が2倍に向上している。
通信の面でも、最新規格である5Gに対応した。新しい5Gモデムとアンテナアーキテクチャによりパフォーマンスが向上し、通信範囲がさらに広がった。しかも電力効率が一段とアップしたのでモバイル通信の消費電力も減っている。日本国内でもdocomoとau、ソフトバンクがApple Watchの5G通信対応を表明している。
最新OSであるwatchOS 26では、各種新機能やApple Intelligenceが利用できる。新しいLiquid Glassにマッチした文字盤のデザインも用意されているので、デザイン面でも進化している。
健康機能に新しい睡眠スコアが追加 高血圧アラートの機能にも対応
従来からの心臓や聴覚、周期記録、メンタルヘルスなど健康のための機能も幅広く揃っている。今回、そこに追加されたのが睡眠に関する新機能だ。
これまでも睡眠に関する機能はあったが、今回、さらに睡眠の質や体の回復力の高め方を理解するのに役立つ「睡眠スコア」が追加された。
睡眠スコアでは、睡眠時間や就寝時間の規則性、目覚める頻度、各睡眠ステージにいた時間などを分析してスコアを導き出してくれる。スコアの算出方法が見られるので改善のためにできることが簡単にわかる。Apple Watch上の睡眠アプリで詳細を確認したり、iPhoneの「ヘルスケア」アプリで長期的に記録もできる。
今回さらに心臓の健康と睡眠のための新機能も追加された。それが高血圧の可能性をアラートで知らせる機能だ。これは、Apple Watch Series 11が搭載している光学式心拍センサーで計測したデータを使って心拍に対する血管の反応を分析。30日間のデータを解析して高血圧のパターンが認められると通知する仕組みだ。すべての高血圧の症例を検出できるわけではないが、多くの人に命を守るための生活習慣の改善や治療の開始を促せると考えている。
日本でも12月4日から高血圧アラート機能が利用できるようになっているので、気になる方はぜひチェックしてみてほしい。
バッテリーの再設計で最大24時間の駆動時間を実現も、前モデルと比べると違いはわずか
こうした機能に対応するため、バッテリーも再設計されている。最大24時間駆動するので昼夜を通してApple Watchを着けていられるし、約30分で0%から80%まで充電できる高速充電も前モデルと同じだ。さらに15分の充電で最大8時間駆動する仕様も加わった。
このように新機能が満載に見えるApple Watch Series 11だが、多くの機能は過去のモデルでも使用できる。例えば「睡眠スコア」は、watchOS 26で実装された機能なのでSeries 6もしくはSE 2以降のモデルであれば使える。「高血圧アラート」に関しても、Series 9以降のモデルであれば利用可能だ。
前モデルのSeries 10とスペック表を照らし合わせると、5G対応とバッテリー駆動時間、2倍の耐擦傷性能を持つIon-Xガラスぐらいしか新しいポイントはない。チップもS10で変わりないし、搭載しているセンサーの種類も同じだ。
Apple WatchのSeries 11とSeries 10の主なスペックを比較してみても、赤字の部分が異なるだけで、あとはほぼ同じだ。