デニムの「DIESEL」から伝説の「INFOBAR」柄まで デザインも魅力のスマートリングの世界
指輪をはめているだけで毎日の運動量や睡眠状態がスマートフォンに記憶されていく、そんな便利な「スマートリング」が次々と発売されている。2025年12月には『DIESEL ULTRAHUMAN RING(ディーゼル ウルトラヒューマン リング)』が登場。お気に入りの指輪をつけているだけで自分の健康状態を把握できるのが特徴だ。
最新テクノロジーとファッションの融合製品
『DIESEL ULTRAHUMAN RING』はサイズにより2.4〜3.6グラムと軽量なリングで、24時間指先にはめたままにしていてもストレスがない。一見すると普通のファッションリングに見えるが、内部には複数のセンサーが内蔵されており、運動状態や睡眠時間、また心拍数などを自動的に計測してくれる。またバッテリーも内蔵しており、4日から6日の連続利用もできる。計測されたデータはスマートフォンのアプリに記録され管理も可能で100点満点のスコアで「睡眠が足りていないな」など自分の健康状態を簡単に把握できる。
同じようなことができる製品には腕時計型のスマートウォッチがあり、アップルの「Apple Watch」が代表例だ。スマートウォッチも毎日の運動量などを記録してくれ、またスマートフォンに届いた通知を画面で見ることができる。さらに支払い機能も搭載したスマートウォッチも多く、スマートフォンを取り出さなくてもある程度のことができてしまう。
しかしスマートウォッチは、ほぼ毎日充電が必要な製品が多く、またちょっと汗をかいたときなどベルトと手首の感触が気になってしまうことも。また、どんなに高機能なスマートウォッチでも、自分のファッション感覚と合わないデザインのものを買おうとは思わないし、ファッションやTPOに合わせて腕時計をつけかえる、という人にもスマートウォッチは向かない。
それに対してスマートリングは指にはめるだけでよく、装着している感覚があまりない。また、指先が汗をかくこともあまりないから、気になって外すということも少ない。さらにスマートウォッチほど目立たないため、ファッションに合わせて付け外す必要もほとんどない。
1万円から買えるスマートリング
スマートリングは2015年ころに最初の製品が登場し、年々小型化やバッテリー駆動時間の延長、そしてスマートフォンアプリの改善が図られてきた。代表的な製品はオーラ(Oura)で、日本でも最新の『Oura Ring 4』が発売されている。最近では有料サブスクリプションの加入状況によって利用できるデータ管理や分析機能が変わり、より高度なインサイト解析にも対応している。
他にもGalaxyシリーズのスマートフォンを出しているサムスンの『Galaxy Ring』や、日本メーカーの『SOXAI RING』など、実はスマートリングは様々な製品が販売されているのだ。価格は1万円を切るものもあり、気軽に買うこともできるようになってきている。「ジョギングなど運動管理をしたいけれどスマートウォッチは高い」「毎日の睡眠状態を簡単に知りたい」といった人にもスマートリングは向いている。
ただしスマートリングは表示画面がないので、リング単体で運動量を確認したり、スマートフォンの通知を見ることはできない。また測定できる運動の種類もスマートウォッチよりは少な目。あくまでも気軽に指に装着して、普通に生活しているだけで自分の健康状態を把握できる、そんな製品となっている。スマートウォッチを選ぶときは性能やサイズが気になるが、スマートリングは各社の製品でできることはほぼ変わらず、外観・デザインで選ぶのがよいだろう。
2026年はブランドリングが増える
アマゾンなどで「スマートリング」で調べると、どのメーカーの製品もシルバーやブラック、ゴールドなどのカラーのモデルが多く、ファッション性を高めたデザインのものがあるものの、これまで外観はどれも似通ったものだった。しかし最近になって、ここで紹介したDIESELの製品など、デザインに凝ったものが出てきている。
たとえばクラウドファンディングのCAMPFIREで出資者を募っている「Smart Recovery Ring/INFOBARコラボモデル」は、伝説のケータイと言われた「INFOBAR」のタイル型デザインを採用した製品。特徴ある外観はINFOBARの代表的カラー「NISHIKIGOI」「ICHIMATSU」をリングに落とし込んでいる。実はKDDI(au Design project)とヘルスケア系スタートアップであるissinが開発したので、アプリの使い勝手も良好だ。
実はスマートウォッチでもブランドとのコラボモデルやデザインに注力した製品が販売されており、2024年にはルイ・ヴィトンが『タンブール ホライゾン ライト・アップ』を筆頭に、いくつかのブランドウォッチが発売されている。とはいえスマートウォッチは前述したようにデザインの好みもあるし、サイズが大きく機能が高いことから価格も高めで、ルイ・ヴィトンの製品はちなみに50万円超えだ。
とはいえ今後、デザインに優れたスマートウォッチやスマートリングが出てくれば、ファッションブランドの腕時計や指輪から乗り換える人も出てくるだろう。スマートリングであればスマートウォッチよりも価格を抑えられ、洋服やバッグと異なるブランドであっても身に着けやすくなる。2026年にはブランドとコラボしたスマートリングが多数登場し、テクノロジー×ファッションの時代がやってくるはずだ。