個人でも手軽にプロ並みの3D配信ができる? 『Warudo』を活用するVTuberが話題に
日々何気なく視聴するVTuberの配信。その裏側を意識している人は、どのくらいいるだろうか。
特に、直近は平面のキャラクターが動くLive2Dの姿だけでなく、黎明期のように3Dモデルの姿で活動するVTuberも増えている。その実現方法は様々だが、大がかりなスタジオを所有する企業でなくとも、一個人で実現できるようになりつつある。
この記事では、「3DのVTuber配信」の実現手法のひとつとして、アバターアニメーションソフトウェア『Warudo』を用いた配信環境を、個人勢の配信者・ねこめぐんそうの一例とともに紹介してみたい。
VTuberの仕組みについておさらい
まずは、VTuberの基本的な仕組みをおさらいしておこう。
おおまかに、VTuberのアバターには、平面のイラストをリアルタイムにアニメーションさせるLive2Dアバターと、3DCGで制作した3Dアバターの2種類が存在する。2025年現在、多くのVTuberはLive2Dアバターで活動を開始し、実績などを積み重ねた末に3D化するのが、定番のロードマップだ。
Live2Dアバターは、頭部、両目、口、髪、服など、複数の部位がパーツとして重なり合って構成されている。これらにアニメーション設定が施され、組み上げられたアバターを、演者はWEBカメラを介して操作する。
頭や表情の動きがLive2Dアバターに反映され、私たちの前に「生きたキャラクター」のように現れるのが、VTuberと呼ばれる存在だ(直近ではLive2Dアバターを持ちながらも、VTuberを自称しない「配信者」もいるが)。
リアリティが話題を呼んだねこめぐんそうの3D配信
一方で、最初から3Dモデルで活動し続けているVTuberも少なくない。2017年~2018年初頭のVTuber黎明期は、むしろ3DモデルのVTuberがスタンダードだった。
そして2025年現在も、3Dモデルを基本形態とするVTuberは一定数いる。活動スタイルは様々で、自前で3Dモデルのモーションキャプチャー環境を整えてしまう人や企業もいれば、VRデバイスを用意してソーシャルVRプラットフォームの『VRChat』で活動する人も見られる。
そして、直近で話題になった人物として、ねこめぐんそうが挙げられる。PCの前に座る3Dモデルを斜めのアングルから映す場面では、動きや陰影の繊細さが際立ち、右手に握る3Dモデルのマウスも連動して動いている。その実在感の高さがXで広がり、本人も驚きを隠せないほどの話題を呼んだ。
この投稿を見て、「『VRChat』から配信しているの?」と思われた人もいるだろう。しかし、ねこめぐんそうがこの時活用していたのは全く別のツール――『Warudo』である。