俳優・中川大輔の『今日好き』推しメンは? 『プーケット編』からの遍歴を振り返る

 現役高校生たちが2泊3日の修学旅行に飛び出し、運命の恋を見つける恋愛番組『今日、好きになりました。』(ABEMA/以下、今日好き)。旅の主人公であるカリスマ高校生は言わずもがな、同番組を語るうえで欠かせないのが、彼らの恋を支える“恋愛見届け人”の存在である。

 2019年4月放送の『ハワイ編』より、“今日好きのパパ”として圧倒的な信頼感を誇る井上裕介(NON STYLE)を筆頭に、2021年9月の『朝顔編』から司会進行を務めるかす(ちなみに初回出演は、2021年5月放送の『鈴蘭編』ゲストで迎えられたときだった)。そこから約1年遅れのこの時期にレギュラーメンバーとなり、高校生のお兄さん・お姉さん的な立ち位置で彼らの恋に寄り添ってくれるのが、ともに俳優の大友加恋と中川大輔である。

 それぞれ、大友は2022年7月放送の『セブ島編』、中川は同年9月の『プーケット編』から番組に登場。なかでも本稿で注目したいのが中川で、気弱、おどおど、シャイ、弟感、年下男子っぽい……と、彼を表す形容詞はさまざま。スタジオに癒しの空気を運んでくれるのが常だが、自身の“推しメン”のこととなると話は別。彼女たちの恋を全力で応援し、ときには振るわぬ恋の結果を目の当たりにして、ソファーでやさぐれてしまう場面も。ちょうど前回の『夏休み編2025』に、中川にとって最新の推し=ひなの(瀬川陽菜乃)が参加していたため、この機会に彼の約3年にわたる推しメン遍歴を辿っていきたい。

りんか(横山莉華)


 すべては、ここから始まったーー中川にとって初めての『今日好き』で、“初代推し”として運命的な出会いを果たしたのが、りんか(横山莉華)である。参加した旅は『プーケット編』に『ダナン編』。特徴は、すらっとしたビジュアルと、鹿児島訛りの方言。そんなりんかの恋を観て、中川はどうしたか? ……正解は、ただただ僕(読み:しもべ)になった。

 というのも、彼女が旅の冒頭で2ショットをした場面。内容こそ特別目立ったものではなかったはずだが、VTRを観て中川の口からぽろっと出てきたのが「りんかさん」。素敵な女性と出会ったかのよう。まさかの“さん付け”だ(実際、りんかは素敵な女性なのだが)。

 彼女の恋がなかなか好転せず、スタジオから“押してダメなら引いてみても?”との声が挙がると、もしりんかのような女子が少しでも不機嫌な様子を見せたら、自分は気になって仕方がないと勝手にドギマギ。すかさず、同じく見届け人のかすから「女王さまが好きなの?」と鋭く指摘されると、「そうかもしれないっす」とたじたじになるばかりだった(ちなみにこれ、後の伏線である)。

 旅を継続しての『ダナン編』では、りんかが1話冒頭の予告映像で涙しているのを目撃して「誰が泣かしたんやろ」と冗談混じりだが語気を強めたり、グループ行動の際にも「俺がいます、りんかさん」と、役者不足ならば現場に直行しかねなかったり。とにかく「りんかさんはなにも悪くない」のスタンスを貫いたわけだが、そんな中川の想いが届いてか、彼女はこの旅で当時の彼氏を見つけることとなった。もちろん、その相手とは中川ではない。

れい(向井怜衣)

 先ほどの“伏線”を回収しよう。“女王さま”とまでは言わずとも、ぶっきらぼうでそっけなく、それでいて甘すぎる“ツンデレガール”こそ、『夏休み編2023』に登場した、れい(向井怜衣)である。れいの恋を観て、中川はどうしたか? ……正解は、語彙がなくなった。

 もはや、一連の流れを“中川劇場”として次世代に受け継ぎたいくらい、とにかく彼は大興奮。まずは、れいが後に彼氏となる男子と初2ショットし、気になる存在だと打ち明けられて「マジ? いえ〜い」と“ふにゃピース”を見せる。そのまま、お互いの好みの髪型を追々披露しようと指切りを交わし、その最後に“ぶちっ”と指を振り解く姿を観て、ここで中川が叫び出した。「たまんねえな! コイツたまんねえぜ!」。興奮のあまり、語彙をなくしている。

 中川はその後もれいにハマってしまい、このVTRを終えて「めちゃくちゃいいっすね」「25歳ですけど、“やるじゃん”とか言われたいです。“やればできるじゃん”とか」と、かすが先ほど残した「女王さまが好きなの?」という指摘が、あながち間違いでないと証明されることに。ちなみに、件の彼氏が北海道、れいが広島出身だったのだが、カップル成立後の会話で相手から「広島か。でも忙しいからな〜」とこぼされた際、彼女は「来い、暇だろ」とぶった斬り。たぶん、中川なら迷わず行くと思う。

きさき(寺島季咲)

 初回参加の旅がりんかと同じ『プーケット編』だったため、当時こそ“推し認定”はされなかったものの、2回目の旅となった『沖縄編』から中川が一気に覚醒。その後に『卒業編2024 in プーケット』『卒業編2024 in セブ島』と、合計4回の旅を経験したのが、きさき(寺島季咲)である。

 きさきをひと言で表すならば、とにかく“ピュア”。相手に対して真摯に向き合う姿は、俗世的な心の澱みとはかけ離れていて、高校1年生当時に『今日好き』に飛び込むも、“そもそも恋愛とは?”といった悩みに直面し、ただただ翻弄されるしかなかった。筆者の記憶を辿ってみて、『今日好き』でもっとも涙したのはきさきだと思っている。そんなきさきの恋を観て、中川はどうしたか? ……正解は、彼女の親友になった。

 『沖縄編』できさきの想いが報われないことを察すると「マックとか行って話を聞いてあげたい」「竹内まりやの『元気を出して』を歌ってあげたい」と、“親友ポジ”からきさきの傷心ぶりに共感を示す。その想いがいつしか、親友から“推し”に発展していったのだ。

 また『今日好き』歴代名シーンを語るうえで、きさきが『卒業編2024 in セブ島』にて自身の努力不足や不甲斐なさを嘆いた際、番組スタッフがそれは彼女の見当違いであり、「いままでも辛い想いしてるんだから、もう幸せになっていいんだよ」と優しい言葉を投げかけるシーンがあるが、その後にかすからこんな質問をぶつけられた。きさきがカップル成立しても「喜べます?」。

 中川は「喜べますよ!」と即答し、公私混同はなしだと強調こそしたものの、最終的にきさきが当時の彼氏と結ばれたシーンを目撃すると、「幸せになれてよかったス……」と、予想していた反応を遥かに超えて、なんと感涙してしまった(見届け人が涙するのはなかなか珍しい)。たしかに公私混同はしていないが……褒め言葉として、あまりに入り込みすぎている。本職のドラマ撮影でも、そんなに泣きませんよね?

 なお、この話のオチとして紹介したいのが、その後にABEMAプレミアム限定で公開された、成立カップルをスタジオに迎えてのアフタートーク。ようやく対面したきさきに「目にビー玉入ってます?」と尋ねたところ、あのハンサム中川ですら「気持ち悪い」と、同じ仲間の見届け人たちに一蹴されてしまうほどだった。確認したい読者各位はぜひ、ABEMAプレミアムにご登録を。

関連記事