Apple発表会『Awe dropping.』直前予想 新型iPhoneや3年ぶりのAirPods Pro、識者による“その先”への期待も

 9月9日、日本時間で10日の午前2時にAppleのスペシャルイベントが開催される。例年、この時期のイベントでは「iPhone」や「Apple Watch」の新型を発表するのが常だ。今回のイベントに関しても、事前に各所で発表される内容のリーク情報が飛び交っている。

 ここ数年、こうしたリーク情報はかなり正確で、iPhoneに限らず、Appleデバイスの新製品に関しては、形状や基本スペックなどハード面の内容はほぼ当たっているーー“当たってしまっている”とも言える。

 イベントはリーク内容の答え合わせ的な扱いになってしまい、以前のように「どんな新製品が登場するのだろう?」というワクワク感がなくなってしまっているのも事実だ。あと数日すれば、こうしたリーク情報の答え合わせも完了して、「あぁ、今年もリーク通りだったか……」とある意味、納得するのだろう。

 しかし、毎年それでは面白くない。ので、ここでは噂として囁かれている情報を踏まえつつ、“こんな新製品が出てくれたらいいのに”という想いを込めて、Apple歴40年を超える筆者が期待している製品を勝手に予想してみよう。

 なお、今回のスペシャルイベントのタイトルは「Awe dropping.」。DeepLに翻訳させたところ「畏敬の念を込めて」と訳されたが、日本語での案内は「言葉にできない。」となっている。はたして言葉では表せない画期的な新製品は登場するのだろうか?

『新型iPhone』に関する噂をおさらい

 今回もiPhoneに関しては、ノーマルモデルの『iPhone 17』とプロモデルの『iPhone 17 Pro』の2種類が登場すると噂されており、ボディのデザインや主なスペックに関してもかなり詳細に“予想”されている。モデル構成については、ディスプレイサイズの違いによりプロモデルには『17 Pro』と『17 Pro Max』の2種類が登場するようだ。ただしノーマルモデルに関しては大画面の『17 Plus』はなく、『iPhone 17』のみ。その代わりに薄型の『iPhone 17 Air』を発表すると予想されている。

 その他にも「Apple Watch」の最新モデル、Series 11の登場と、ここ数年、アップデートがなかった『AirPods Pro』の第3世代モデルが一緒に登場すると噂されている。

「新しいボディデザインのiPhone」

 あらためて、ここからは筆者が期待する製品予想を書き連ねていこう。

 iPhoneに関しては、年々、カメラのレンズ径が大きくなったり、多少、ボディのエッジが丸くなったりしたものの、基本的なデザインは2019年の『iPhone 11』以降、大きくは変わっていない。背面カメラユニット部分、いわゆるカメラバンプやカメラアイランドと呼ばれる出っ張り部分が、ある意味、近年のiPhoneのデザインアイコン的な存在になっている。

 しかし筆者は、どうもこれが好きになれない。カメラ性能が向上する度に背面カメラユニットのスペースも大きくなるし、レンズの出っ張りも増してiPhoneのデザインの美しさを邪魔していると感じているからだ。iPhoneをテーブルなどに置いた時にガタつくし、レンズ周辺の凹凸部分に細かなほこりが蓄積するのも気になる。エントリー向けとして登場したiPhone 16eのシンプルな背面を見てから、さらにこの部分のデザインが気になるようになってきた。

 『iPhone 16 Pro』のカメラユニット部分を見返してみると、レンズ部分だけでなく、その土台となる部分も大地のように出っ張ったデザインを採用している。『iPhone 16e』はレンズが1つだけに加えてカメラユニットの出っ張りがないので、非常にシンプルで美しいデザインに仕上がっている。

 ただ現実を眺めてみると、今後、レンズの大型化や可変絞りの採用、光学ズームの性能アップなどがされていくと仮定すると、現状のままではカメラユニットの薄型化に期待はできない。

 今回の「iPhone 17」シリーズに関しても、リーク情報から推測したボディデザインを見る限り、カメラユニットは存在しているし、なんなら今より出っ張り部分の面積が広がっている。ますます筆者が望むシンプルなデザインから遠ざかっている。いっそのこと、ボディの厚さを増してもいいのでカメラユニット部分をフラットにしてほしいというのが筆者の希望だ。

血圧や血糖値が測定できるウェアラブルデバイス

 筆者はヘルスケアの機能を使いたいが為に「Apple Watch」を常用している。現在、使用しているSeries 10では、心拍数や血中酸素濃度の測定に加え心電図の計測、睡眠時無呼吸の通知など、さまざまな健康とウェルネスに対応できるが、血圧や血糖値に関してはまだだ。

 そのためBluetooth搭載で「ヘルス」アプリとも連携できる血圧計を併用しているが、「Apple Watch」だけで賄えればそれに越したことはない。血糖値に関しても定期的な監視を行いたいので、ぜひ何らかの方法で対応してほしい。

 しかし血糖値に関しては、アメリカのFDA(食品医薬品局)が採血が不要な非侵襲的デバイスを正式に承認しておらず、不正確な測定結果が糖尿病管理に悪影響を及ぼす可能性があることを2024年2月に注意勧告している。

 ただ、レーザー技術を駆使した採血不要な血糖値センサーも開発されているので、近い将来、ウェアラブルデバイスで正確な血糖値測定ができるようになる可能性は大きい。「Apple Watch」にこだわらないので、ぜひ血圧と血糖値が測定できるデバイスがAppleから登場してほしいものだ。

 なお、『Apple Watch Series 11』のデザインに関しては従来モデルから大きな変化はないようだが、健康とウェルネスに関する新しいセンサーが搭載されるのではないかと噂されている。

リアルタイム翻訳できるデバイス

 現在、すでにリアルタイム翻訳の機能を搭載しているスマートフォンも登場しているが、筆者は長年、「バベル魚」のような自動翻訳デバイスを心待ちにしている。バベル魚とは、ダグラス・アダムスのSF小説『銀河ヒッチハイク・ガイド』に出てくる、耳に入れるだけであらゆる言語を翻訳してくれる生物だ。

 嬉しいことにAppleでは、「iOS 26」でAirPodsを使ったライブ翻訳をサポートする予定になっている。ただ、登場しても当初は日本語がサポート外の可能性が大だ。できるだけ早期に日本語を含めたリアルタイム翻訳ができる環境が整うことを期待したい。

 またオーディオ製品では2年以上アップデートがない『AirPods Pro』の新モデルが登場すると予想されている。ケースのペアリングボタンがタッチ式になったり、イヤホン部分に心拍センサーが搭載されるなど期待されている。

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