物語ベースだからこそ生まれる“実在感”と“説得力” 「アイマス」キーマンが語るMRライブ&コラボ施策の流儀

「アイマス」MRライブ&コラボ施策の流儀

 アイドル育成シミュレーション(プロデュース)ゲームを原点として、多方面に広がりを見せる「アイドルマスター」(以下、アイマス)シリーズ。2025年7月26日に誕生から20周年を迎える本シリーズは、近年、MR(複合現実)領域の取り組みや各種コラボ展開を積極的に推し進めてきた。

 MR技術によって3DCGで描かれたアイドルが現実のライブ会場でパフォーマンスを行うMRライブや、各種配信コンテンツ。あるいは日常的に目にする商品やサービス、自治体や官公庁とアイドルたちがコラボし、それらの魅力をアイドルたちがPRするなどの施策。それらによって、「アイマス」のアイドルたちが存在する次元と、私たちが生きる次元とが急速に溶け合いつつある。

 こうした「アイマス」ならではの取り組みについて、バンダイナムコエンターテインメントにて本シリーズを統括する波多野公士氏と、MR領域全般を担当する吉本行気氏に、それぞれの狙いや現状の手応えなどを伺った。

 本年3月に発表されて以来、注目を集める「如月千早武道館単独公演『OathONE』」の話題に始まり、MRライブやコラボ施策の実現にあたり苦心したポイントや、シリーズ発のライバーアイドル「vα-liv」の歩みに関しても語っていただいたので、ぜひ最後までチェックしてほしい。

過去20年間で最大級の反響を呼んだ“如月千早武道館単独公演”

――まずは、おふたりのご経歴と担当領域についてお聞かせください。

波多野公士氏(以下、波多野):2009年に入社し、2022年よりAE事業部765プロダクションにてゼネラルマネージャーを務めています。「アイマス」シリーズのゲームを中心とした事業戦略や、「パックマン」「たまごっち」などのIPのゲーム事業を扱っている部署の責任者です。

 「アイマス」シリーズにおける役割としては、事業戦略面やビジネス面全体の統括を担当しています。

吉本行気氏(以下、吉本):前職ではゲームやウェブサービスなどの開発に関わっており、2020年にバンダイナムコエンターテインメントに入社しました。

 入社以降は、「ASOBI STORE」や「ASOBI STAGE」といったお客さま向けの直接的なサービスの開発を担当した後、「MIRAIKEN studio」の担当を経て、現在はMR事業の責任者としてMR領域全般を担当しています。「アイマス」シリーズにおいて、MRを中心としてシリーズを拡張していくお仕事をやらせていただいています。

AE事業部 765プロダクション・ゼネラルマネージャーの波多野氏
AE事業部 765プロダクション クロスメディア課・マネージャーの吉本氏

――「アイマス」におけるMR領域の取り組みとして、直近では「如月千早武道館単独公演『OathONE』」を発表したことが大きな注目を集めました。2026年1月24日・25日に開催を控える本公演について、企画した経緯を教えてください。

吉本:「アイマス」シリーズとしては、2022年に、新戦略として「PROJECT IM@S 3.0 VISION」(以下、3.0 VISION)、および「“MR”-MORE RE@LITYプロジェクト」(以下、MRプロジェクト)を立ち上げました。これらは大まかに言うと「アイマス」のアイドルたちが原点であるゲームから飛び出し、さまざまな領域に活躍の場を広げていくことを目的としており、以来さまざまな取り組みを行ってきました。

 そのなかで、「菊地 真 ・ 萩原 雪歩 twin live “はんげつであえたら”」(以下、はんげつであえたら)、「961 PRODUCTION presents 『Re:FLAME』」、「283 Production LIVE Performance [liminal;marginal;eternal]」といったMRアイドルによるライブイベント(以下、MRライブ)や、MRライブを含む複合型イベント「THE IDOLM@STER M@STER EXPO」などを開催することができ、私たちとしても手応えを感じていました。

 そこで、こうしたMRライブの取り組みを、さらにワンステップ上のステージへと引き上げていくべく企画を検討していった末に、日本武道館でMRライブを開催することができれば「アイマス」シリーズにとっても大きな意味を持つものにできるのではないかとの結論に至りました。

 タイミングよく武道館を使用する目処もついたので、あの舞台に立つにふさわしいアイドルとは誰かということをチーム内で議論しました。そのうえで、やはりプロデューサーさん(※1)たちやファンのみなさんの一生の思い出となるであろうこの公演にふさわしいのは千早に違いないということで、本公演を開催させていただく運びとなりました。

※1 プロデューサーさん:「アイマス」シリーズのプレイヤーのこと。転じてファンネームとしても用いられる。

――本公演の発表に際しては、如月千早さん本人が「MIRAIKEN studio」に集まった報道陣の前で記者会見を行ったことも印象的でした。まるで現実とバーチャルの境目があいまいになっていくような。

吉本:まさにそうした感覚をみなさんに味わっていただくことが、「3.0 VISION」の目指す方向性であり、「MRプロジェクト」として取り組むべきことのひとつだと考えています。幸いなことに、こうした私たちの取り組みをプロデューサーのみなさんも徐々に受け入れてくださっているので。

 「もっともっと新しいMRライブが見たい」とのお声も多数いただいていたので、私たちとしても見せかたや情報の出しかたにはこだわりたいなと。千早が実際にみなさんの前に現れて記者会見をし、武道館公演を発表することで、「本当に千早本人がコンサートをしてくれるんだ」と感じていただけるように、という部分は大事にしてきたつもりです。

波多野:おかげさまで大きな反響をいただき、大変うれしく思っています。

吉本:公演を発表した際の「アイマス」公式Xのポストに集まったリポスト&“いいね”数は、過去最高クラスでした。当該ポストを通じて、久々に「アイマス」の情報に触れたという方もたくさんいらっしゃったようです。

 「久しぶりに見たらこんなことになっているんだ」「千早も長いこと頑張ってきたんだな」「千早を支えてきたプロデューサーさんたちも頑張ったんだね」というように、いつも以上に反響の輪が広がっていたように思います。それを観測していた私自身も、ものすごくうれしい気持ちになりました。

問われるのは「アイドルたちの存在を信じ抜く力」

――如月千早さんの武道館公演をもってひとつの到達点を迎えたMRライブの取り組みですが、これまでを振り返ってターニングポイントになったと感じる公演があれば教えてください。

波多野:2018年に、横浜の「DMM VR THEATER」にて開催した「THE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪GROOVE☆」は、プロデューサー・ファンのみなさんに向けてアイドルと出会える場所を作り上げるという意味で、今日における「MRプロジェクト」の礎となった公演だったと思います。個人的に、私が初めて携わらせていただいた「アイマス」のイベントでもあるので、思い入れも強いですね。

 あれからずいぶんと時間が経ちましたが、こうして千早の武道館公演まで物語が紡がれていったのは、あえて誤解を恐れずに言えば、アイドルたちを応援してくださった“ファン”のみなさんのおかげとも言えますし。ひいては、みなさんが“プロデューサーさん”としてアイドルたちを支え、導いてくださったおかげだと思っています。

 そういった意味で、MRライブは技術の発達によって開発可能になったものではあるのですが、本質的にはストーリードリブンで実現できたものだと思うんです。それって、すごく素敵なことだなと。

吉本:私からは、現在のMRライブの在りかたのベースとなった公演という観点で、まず「315 Production presents F@NTASTIC COMBINATION LIVE ~BRAINPOWER!!~」を挙げたいです。「315プロ」(※2)から「DRAMATIC STARS」と「S.E.M」が出演した、『アイドルマスター SideM』として初のMRライブでした。

※2 315プロ:『アイドルマスター SideM』に登場する芸能事務所。

 それから、「はんげつであえたら」ですね。「765プロ」(※3)から菊地真、萩原雪歩の2名だけが出演するツインライブということで。このふたつの公演は、みなさんに受け入れてもらえるのかが実際に開催してみなければわからないところもあって、ものすごく不安だったんです。

※3 765プロ:『アイドルマスター』に登場する芸能事務所。

 だからこそ、ライブ終演後のみなさんから想像以上によい反応をいただけて胸をなでおろしました。お帰りになるみなさんの表情を拝見して、私としても開催できて本当によかったという気持ちになりましたし、非常に印象深いですね。

――具体的にどういった点を不安に思われていたのでしょうか。

吉本:まずもって、現実のライブ会場とMRアイドルという存在とを融合させることができるのかどうかですね。アイドルたち本人がパフォーマンスをするという事象を、ステージ上でしっかり表現しきれているのだろうかと。

 アイドルそれぞれの個性をどう立ち振る舞いに反映するか、どれほどの精度で表現できるのかというキャラクター描写もそうですし。それをリアルのライブ会場とうまく噛み合わせるための技術に関しても、どうすれば正しいかがわからないなかで模索していったところがありました。

――従来のキャスト陣によるライブと比較して、MRライブならではの難しさや苦労するポイントについて教えてください。

吉本:ライブは繊細なものなので、ちょっとした振る舞いやしぐさ、間の取りかたひとつとっても、“そのアイドルらしくない”という違和感があると、盛り上がりに水を差してしまうことになりかねません。MRライブの場合はとくに、メタ視点になってしまいやすい部分があると思いますし、一歩引いて観ようと思えばいくらでも引いてしまえると思います。

 ある意味、ライブを作る側・観る側がお互いに暗黙の了解のうえで成立しているのがMRライブだとも言えるので、プロデューサーのみなさんのことを信頼しつつ、私たちとしても最初から最後までどっぷりと世界観に没入できるようなライブになるよう気を遣っています。

波多野:結局のところ、制作サイドに問われているのは「彼ら/彼女らアイドルが本当にそこに存在しているのだ」と信じ抜く力なのだと思います。そこは何があっても譲ってはいけないポイントであり、そうした思いが前提としてあったうえで、いまの時代性や技術力がアイドルの”実在感”に輪郭を与えてくれている。そういった関係値ないし構造になっているのが熱いなと思います。

次元の境界をかき乱す“切り込み隊長”「vα-liv」

――「3.0 VISION」の一環として始動し、ライバーアイドルとしての正式デビューを経て精力的に活動中の「vα-liv(ヴイアライヴ)」について、今後期待したい役割や展望をお聞かせください。

波多野:アイドルですから、まずはやはり、もっともっとたくさんの方に愛される存在に成長していってほしいと思っています。

 一方で「3.0 VISION」のなかでの、「vα-liv」に担ってほしい役割という観点でお話すると、ひとつは“2次元と3次元の境界をあいまいにする存在”になってほしいということです。従来の「アイマス」シリーズのアイドルたちが2次元の世界に存在していると仮定すると、「vα-liv」はライバーアイドルという属性ゆえに3次元の世界を生きているとも言えます。そんな彼女たちが、積極的に2次元と3次元を行き来することによって、その境界をどんどん曖昧なものにしていってくれると思うんです。

 そして矛盾するように聞こえるかもしれないのですが、私たちと同じ3次元側に生きている「vα-liv」の存在は、従来の「アイマス」シリーズのアイドルたちが生きる次元と私たちとのあいだに明確な境界線があることの象徴でもある気がしています。彼女たちのおかげで、プロデューサーさんたちが「いまはどの次元にいるんだ?」と意識するきっかけにもなるのではないかなと。

 「vα-liv」のことは“切り込み隊長”だと思っているので、ぜひ新たな領域を切り開いていってもらいたいですし。もちろん孤軍奮闘させるわけではなく、プロジェクト皆で頑張っていきますし、ときには先駆者としてリードしていってくれるとうれしいなと思います。

――まさに切り込み隊長として多方面で活躍中であり、日々成長を続けている彼女たちをどう見守っていますか。

波多野:胸が熱くなりますよね。運営側の立場として手前味噌で恐縮なのですが、本当に日々、成長していってくれていると感じます。

 「PROJECT IM@S vα-liv 1stLIVE -HERE WE ARE!!!-」も感動しました。すごいことだなと。「アイマス」シリーズ全体で見ると、もっと大規模な公演も年間通して開催しているので忘れがちなのですが、「Zepp DiverCity TOKYO」に集まった約2,000人のプロデューサーさんたちの前で、しっかりライバーアイドルとしてパフォーマンスをやり切るというのは、なかなかできることではないと思います。

 あらためて、応援してくださったプロデューサーのみなさんに感謝をお伝えしたいです。彼女たちや、プロジェクトをここまで連れてきてくださって、本当にありがとうございます。

お仕事依頼を待つアイドルは、総勢340名以上!

――“ゲーム領域に閉じないアイドル活動”を推進するなかで実現されてきた官公庁・自治体・企業・商品などとのコラボ施策について、これまでの反響や手応えはいかがですか。

波多野:ライセンスパートナーのみなさまや、官公庁の皆様との取り組みは、やはり意識して取り組んでいる部分があります。私たちとしては、やはり「アイマス」のアイドルたちに触れていただく機会をもっともっと増やしていきたいという思いがありました。

 そのうえで、プロデューサーのみなさんとしても、自分たちが手塩にかけて育ててきた、ともに成長してきたアイドルたちが輝いている姿をもっと見たいという思いと、「アイマス」のライセンス案件を受け入れていただける件数が比例して伸びていってくれた結果、こうして数多くの施策を実現できたということだと受け止めています。

 今後も引き続き、アイドルたちが活躍する場を創出していく取り組みは積極的に推し進めていきたいと考えています。ご興味をお持ちの方は、ぜひ一度ご連絡をいただけますと幸いです。
 
――コラボ展開を推し進めていくうえで、「アイマス」ならではのアピールポイントはどんなところだとお考えでしょうか。

波多野:「アイマス」のアイドルたちは、ひとりひとりが正真正銘のアイドルです。2025年6月現在で340名以上のアイドルがおりまして、それぞれがキラリと光る個性を持っていますので、ぜひお仕事のご相談をいただければと思います。

 また、これはバンダイナムコグループでの事例になるのですが、2022年にBANDAI SPIRITSのコレクターズ事業部が主催する「TAMASHII NATION」というフィギュアの展示・販売イベントにおいて、『アイドルマスター ミリオンライブ!』がブランドアンバサダーとして起用されたことがあったんです。

 そこではアンバサダーを務めたアイドルたちが、「このフィギュアは◯◯という作品の△△というキャラクターで……」と別作品の立体物に対してその魅力を語り、販売促進につなげるという取り組みを実施させていただきました。いわば、メタにメタを重ねた二重構造になっていたわけですが、アイドルである以上はそういった活躍もできるんだなと手応えを感じた出来事でした。

すべての根底にある「アイマス」という名の“物語”

――「3.0 VISION」や「MRプロジェクト」の取り組みを通して、「アイマス」が現実世界や日常生活をどんどん侵食していく様子を個人的にも楽しませていただいています。一方で、プロデューサーさんから「ゲーム外に進出せず世界観を保ってほしい」といった意見がおふたりのもとに届くことはあるのでしょうか?

波多野:さまざまなご意見を伺うことはありますし、そういったお声が上がることも理解しています。

 そのうえで、“「アイマス」とは何か?”を考えたときに、“アイドル育成シミュレーションである”というひとつの軸があると思うんですけれども。その軸がブレてさえいなければ、ゲーム、音楽、ライブ、アニメ、etc……と媒体が変わっていても、それは「アイマス」なのではないだろうかと私は解釈しています。

 当然ながら世界観の共有などは入念に行うのですが、たとえばゲームとしては長い歴史があるブランドを、アニメ化するにあたって物語の出発地点からいま一度描き直してみた事例もありますので、軸の部分は大事にしつつ、さまざまな媒体やアプローチ方法でお届けしていきたいと思っています。

吉本:とくにMR領域の取り組みに関しては、ネガティブなご意見というよりも戸惑いの感情ですとか、「自分が応援しているブランドやアイドルをもっと活躍させてほしい」といった思いの表れであるように感じることが多いです。

 ただ、時代や媒体の変化に合わせて戦いかたを変えていくのが「アイマス」の在りかたでもあります。アーケードゲームから始まり、家庭用ゲームになって、モバイルになり、スマホアプリになり……と、変化に適応しながら常に挑戦を続けてきたことが、20年も愛され続けるIPとなったひとつの要因です。なので、これからもアイドルの活動領域を広げていく取り組みを続けて、さまざまな領域でアイドルたちが活躍する姿をみなさんにお届けしていきたいと思っています。

波多野:「アイマス」はゲームを原点とするIPであり、ゲームを始めるとまずはチュートリアルがあります。そこで「アイマス」という作品は、プロデューサー、という役割が設定されます。そこがおもしろいところなのではないかと思うんです。

 並行して、たとえばMRライブの際、プロデューサーのみなさんは、「今日のこのライブは“ファン”として目いっぱいアイドルたちを応援してあげよう」とか、「今日、初めて出会ったという体でまたイチから新たな物語を紡いでいこう」というように立場を切り替えながら、ロールプレイを楽しんでくださっていると感じています。

――MR領域の取り組みや各種コラボ施策に関して、内容については新鮮さや驚きがありつつ、人選を見ると納得感があると感じます。それゆえにプロデューサーさんたちも心から楽しんで乗っかっていけるのかなと思うのですが、説得力を持たせることができる要因はどこにあるのでしょうか。

吉本:弊社のマーケティングチームやライセンスチームが、ものすごく丁寧にコミュニケーションをしてくれていることは大きいと思います。結果、パートナーさんも、「アイマス」のアイドルを起用する意味やプロデューサーさんたちの存在に目を向けていただけるようになり、プロデューサーさんに楽しんでいただけるような施策が実現できているのではないでしょうか。

波多野:実は、私たちが運用しているSNSアカウントに届く、プロデューサーさんたちのお声からヒントをもらえることも多々あります。たとえば、現在進行中の「ふたマス!!!!!!」という日本各地にコラボマンホールを設置していくプロジェクトがあるのですが、プロデューサーさんがこれまでのコラボレーションで盛り上がったり、意見を出してくださった結果として実現している側面も大きいです。

 何より、頼れる制作チームの醸成という意味でも、プロデューサーさんやパートナーさんからご理解を得るというところでも、ひとえに「アイマス」として紡いできた20年分の物語があってこそだと感じます。制作チームの文化として「アイマス」が持つ価値を共通理解し、責任を持って新しいことをプレゼンテーションしていく。そのうえで、物語に沿って生まれたコラボだから、プロデューサーのみなさんも受け入れていただきやすいのかなと。

――「アイマス」が、ゲームや各種メディアミックス、ライブなどを通じて紡いできた物語にプロデューサーさんたちは心動かされているのであり。そうした物語をベースにして生まれた取り組みや施策であるから説得力があるというわけですね。

波多野:さまざまな媒体を通じて生まれた物語が、媒体を超えて相互に影響し合っているのも「アイマス」ならではかなと思います。どこかで生まれた象徴的なエピソードが、こちらの媒体ではこういう表現で出力されるのか、といったこともよくあるのがおもしろいポイントかもしれませんね。

 “影響し合う”といえば、「3.0 VISION」では“CRE@TE POWER WITH YOU! あなたらしさが、きっと誰かの力になる。”というアクションスローガンを掲げています。この“YOU”にあたるのは、当然ながらアイドルたちとプロデューサーさんです。

 ただ、実はここにもうひとつテーマを込めていまして、それは制作スタッフやクリエイターたちも“YOU”である、ということなんです。制作陣同士も影響し合ってアイドルの物語が進んでいき、それが結果的に誰かの力になればいいなと。それぞれの色で、「アイマス」の物語をつくってほしい。そういった思いも込めたアクションスローガンになっています。

――このアクションスローガンを策定するまでには、きっと熱い議論が交わされたのだろうなと想像します。

波多野:はい。実は各ブランドのリーダークラスを集めて合宿を実施し、そのなかで決めました。

――“合宿”という響きがまたなんとも、いい意味で「アイマス」らしい泥臭さを感じさせますね……。

波多野:そうかもしれないですね(笑)。まさに「アイマス」は汗と涙にまみれながらつくりあげられていった歴史があるというか、“人の手の温もり”が感じられる作品なのかなと思います。

――最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

吉本:昨今は、「3.0 VISION」や「MRプロジェクト」をご存じでない方からも、「最近のアイマスってちょっと変わったよね」「おもしろいことをやっているね」というお声を頂戴する機会が増えてきたと感じています。

 「アイマスをいろいろなところで見かけるようになったよね」といった反応をいただけることもうれしいですし、それは紛れもなく日々プロデュース&応援してくださっているみなさまのおかげだと思っています。本当にありがとうございます。これからも、何卒よろしくお願いいたします。

波多野:ここまで、この記事を読んで下さってありがとうございます。今回のインタビューを通して、「アイマス」にご興味を持っていただけた企業・行政の方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお問い合わせをいただければと思います。

 そして、ふだんから応援してくださっているみなさまに向けては、今後もアイドルたちが生き生きと活動している姿、輝いている姿を楽しめるような展開をさらに増やしていきたいと考えていますので、楽しみに待っていてほしいなと思います。

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