Razerがゲーマーを“震撼”させにきてるぞ……『Marvel Rivals』×「Razer Sensa HD ハプティクス」インプレッションレビュー

 ゲームの没入体験はどこからやってくるものだろうか。音響の定位感、液晶の美しさ、コントローラーの形状、あるいは物語のプロットの美しさなど。これまで様々なメーカーやゲームスタジオが、“没入感”を求めてさまざまな工夫を凝らしてきた。

 そのうちの一つとしてよく知られているのが「振動」だ。古くはNINTENDO64のコントローラー用周辺機器「振動パック」に始まり、その後プレイステーションの「DUAL SHOCK」シリーズなど、気付けば「コントローラーが震える」というのはいまや当たり前になってきた。

 そして近年、これらの触覚(ハプティクス)デバイスに特に力を入れているのが、デーミングデバイスメーカー・Razerだ。同社が展開するさまざまなデバイスに触覚機能を取り入れるだけでなく、対応ゲームタイトルと連携し、演出や音楽、効果音などに合わせてデザインされた触覚をフィードバックしてくれる「Sensa HD ハプティクス」といったソフトウェアの開発にも熱心だ。

 そんななか今回、昨年12月にリリースされたばかりの最新のスーパーヒーローPvPチームシューティングゲーム『Marvel Rivals(マーベル・ライバルズ)』にRazerの触覚機能「Sensa HD ハプティクス」が対応した。筆者はさっそく、Razerのデバイス群とSensa HDの組み合わせを体験。本稿ではそのファーストインプレッションをお届けしよう。

導入は簡単、繋いで連携をONにするだけ!

 今回、筆者は『Razer Freyja』『Razer Kraken V4 Pro』『Razer Wolverine V3 Pro』の3デバイスを借り受けた。いずれも昨年夏〜ことし2月にかけて発売されたばかりの最新デバイスたちだ。

 デバイスの紹介に入る前に、簡単にゲームについてもおさらいしておこう。今回のレビューでプレイした『Marvel Rivals』は、6対6のPvPチームシューティングゲーム。Marvelのキャラクターたちが持つ個性豊かなスキルを駆使して戦う、いわゆるスキル制TPSというジャンルだ。「キャラゲー」と侮ることなかれ、実際にはかなり戦略性の高いゲームで、チームメイトとの連携が求められるeスポーツ向きのタイトルでもある。4月11日には「シーズン2:地獄の晩餐会」が開幕、それにあわせて「Razer Sensa HD ハプティクス」および、RGBライティング機能「Razer Chroma RGB」に対応した。

 というわけで、いざ設定へ。手順は簡単で、ゲームランチャーの設定画面で「Razer Chroma/Sensaを有効にする」にチェックを入れてやれば、ゲーム側の設定は完了だ。

 デバイス側の設定も、特に難しいことはない。Razerの設定アプリ「Razer Synapse」「Razer Chroma RGB」のふたつをインストールして、各デバイスをPCに接続するだけ。Razerのデバイスを使っていればほとんどの場合はインストール済みだろうから、持っている人は念のためアップデートの有無だけ確認すればよい。デバイスを繋いだら、ChromaアプリからデバイスのHAPTIC SOURCEを「Sensa HD Games」に設定すれば、あとはアプリ側が対応ゲームを認識して制御してくれる。

600種類を超えるハプティクスフィードバックがリッチすぎる

 ゲームを起動すると、すぐに“ブルッ”と『Razer Freyja』からの振動が伝わってくる。感覚としては、まだゲームのコントローラーに近い。しかし、ワクワクする。さっそく訓練場に足を踏み入れて、色んなキャラで変化を楽しんでみることに。

 個人的に一番気に入ったのは、アイアンマン。空中を自由に飛行できるのが特徴で、メイン射撃の「インパクトキャノン」と、サブ射撃の「収束ビーム」や「ミサイル爆撃」スキルを駆使して戦うキャラクターだ。いくつかのキャラクターを試したが、「Razer Sensa HD ハプティクス」の魅力を体感するなら一番適しているのではないだろうか。

 収束ビームの発射中は『Razer Freyja』から持続的に振動が伝わってきて、ビームを撃っている実感が得られる。さらにビームを敵に当てると少しだけ振動が強くなり、ヒット確認もできる。驚くべきは、自己強化スキルである「オーバードライブ」を使ったとき。

 この強化中に収束ビームを放つと、クッションがうなりをあげるほどのパワフルな振動が伝わってくるのだ。

 またそれだけでなく、『Razer Kraken V4 Pro』のハプティクスもなかなかに新鮮。大量のミサイルを身体の左右から一斉発射するスキル「ミサイル爆撃」を使用すると、イヤーカップが一発一発の射出に合わせてテンポよく振動してくれるのだ。

 「武装の発射」にフォーカスを当てたハプティクスデザインは、あたかも自分がアイアンマンになったかのような気持ちにさせてくれる。正直、この段階でかなり楽しい。

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