旅で絶滅危惧種を撮影→まさかの大発見 YouTuberたちの激レア生物との遭遇を振り返る
長崎県を拠点に活動している動画クリエイター・るいが、同県の離島・対馬を旅した際、絶滅危惧種であるツシマヤマネコの仔猫を撮影。これが学術的にも貴重な発見であったことが発覚したことで、YouTubeでいま、ちょっとした注目を集めている。るいの旅動画がもたらした大発見はどのようなものだったのか。るいの動画を中心に、YouTuberたちの貴重な生物との遭遇と意義を紹介する。
今回取り上げる動画クリエイター・るいは、長崎県でスパイスカレー店を営みながら、「るい村長」(チャンネル登録者数4.41万人)を含む3つのYouTubeチャンネルを手がけている。旅動画を投稿する「るい旅ローカル / Rui’s Local Trip」では2023年6月、長崎県の離島・対馬を訪れた際の様子を投稿。その動画でるいは姫神山砲台跡を訪れた帰りに、茂みのなかにいるツシマヤマネコの仔猫を偶然発見、その様子を紹介していた。
るいは今年3月30日に投稿した動画で、このツシマヤマネコの仔猫の映像が、資料価値のあるものだったと報告。ツシマヤマネコは対馬のみに生息する野生のネコ科哺乳類で、環境省のホームページには生息数が100頭弱(90頭又は100頭)と推定されていることが記載されている。なお同省が公表している『レッドリスト』では、ごく近い将来に野生での絶滅の危険性が極めて高い種である「絶滅危惧ⅠA類」に選定されており、旅動画のコメント欄には、対馬在住の視聴者から「本物のツシマヤマネコに遭遇して映像も撮ってしまうなんて相当ラッキーですよ」「対馬で生まれ育った私ですが一度も野生のツシマヤマネコ見たことないです!」と、ツシマヤマネコと遭遇すること自体が貴重なことであることがわかる。
しかしるいによると、実は今回はさらにすごいことになっているというのだ。対馬は北側の「上島」と南側の「下島」に分かれているのだが、るいが仔猫を撮影したのは下島エリア。るいが環境省に情報提供した際の話によると、これまで下島では仔猫が未確認であり、るいの映像が「ツシマヤマネコが下島でもちゃんと繁殖している」という証拠になったことが明かされている。
下島でのツシマヤマネコの仔猫の発見の凄さが発覚したきっかけは、るいが経営するカレー店に、当時環境省に勤めていた男性が客として来店したこと。その男性の勧めで環境省に連絡を入れたことで、ことの凄さがわかったそうだが、1泊2日という短い滞在の間に絶滅危惧種であるツシマヤマネコの仔猫を下島で発見し、撮影に成功するという奇跡的な出来事に、「もう人生の運全部使ったんちゃうかな」と笑いながら、「YouTube面白いな」と感想を述べている。
参考:ツシマヤマネコ(環境省公式サイトより)