写真好きなら即決 「いまのニコン全部入り」なニコン『Z5Ⅱ』のスナップを撮って出しでレビュー!

 「いまのニコン全部入り!」とでも言うべき、フルサイズZシリーズの新鋭機『Z5Ⅱ』が4月3日に発表された。「フルサイズスタンダード機」なのに「全部入り」って表現はどういうこと? というわけでレンズキットの24-200㎜ズームとヘリテージデザインが粋な40mm単玉を相棒に、「全部入りスナップ速報」と洒落こんだ。

 2020年8月に発売されたニコン『Z5』といえばフルサイズ(ニコンではFXフォーマットと呼ぶ)Zシリーズの末弟でありスタンダード機である。最近のように思ってしまうけど、登場したのはもう4年半前のこと。これだけ時間が経てば進化を求められるのは当然で『Z5Ⅱ』には大きな期待が寄せられていた。

 『Z5Ⅱ』最新レビューは多彩な角度でお届けしたいが、まずはその撮って出しスナップを堪能いただくべく、実写編からのスタートとしたい。

横浜スナップ、ヒット打率ゼッコーチョー!

 好天の続く東京、ならばちょっと足を延ばして横浜へ行って、『NIKKOR Z 40mm f/2(SE)』の単焦点レンズでたくさん写真を撮ることに。

ご覧下さい、最高にヌケの良い空ったら! ランドマークを入れつつ、雲ひとつない青空。もいっちょ、青空いきましょう。
こちらは山下公園で抜け駆けして咲いていた桜。一本だけなのでアイドル撮影会のごとくスマホズラリの放列。・青空を撮りたくて手前に被写体をおくのもありだな、とはこの時の気付きだ。

 この日、赤レンガ倉庫では『赤レンガでわんさんぽ』イベントが開催されており、多くの愛犬家が集っていた。ワンちゃんも飼い主も笑顔120%なのは、ハマの青空がなせるマジックだろう。今回はプログラムモードを基本に、そっちに向けてハイシャッター、というくらいの脊髄反射的なストリートスナップに専念してきた。

 フレーミングは電子ビューファインダー(EVF/好天下でも見やすかった!)でおこない、背面液晶はいっさい閉じた(省エネでもある!)。撮影画像の逐次再生チェックもしなかったが、バシバシ撮って、ザクザク撮れたというくらい、撮れ高がいい。つまり撮りたいイメージが記録されていた。一日歩き回って自宅PCでチェックしたらがっかり、とならなかったのだ。お値段以上、ならぬ期待値以上なのは間違いない。

巨大な客船を背景に海風に髪をなびかせて。80年代のトレンディドラマの世界でしょうか(笑)
公園の杣道に咲くローアングル&背面液晶のタッチAFで。
湾内クルーズの出港待ち。グループ観光で満席、天候も最高、行ってらっしゃい。
これは絞り優先モードで開放です。前を行くヤングマンたちの向こうのボケが自然な印象。
シルクセンターに入る横濱帆布鞄にて。古風なレジは現役とのこと。

 手ブレ補正機能(VR)は最高7.5段というから「標準レンズなら1/2秒でも手持ちで撮れる」計算になる。ちょっと恐ろしいくらいの補正量で「あえてブレさせたいからVRを切らなきゃ」なんてことになりそうだ(笑)。

 感度も初代『Z5』の51200(これでも充分に凄いけど!)から64000にアップ。暗部のノイズ低減も著しく、連写スピードも約4.5コマ毎秒から約14コマ毎秒に爆速アップと、「これでどうよ!」と言わんばかりのニコンの粗い鼻息が聞こえてきそうだ。

近所の公園まで娘と夜桜見物。街灯が派手な点光源となり、まるで作った絵のよう。ISOは6400。

 キットレンズ24-200mmと同時に借用した「NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)」(税込4万700円)は、ヘリテージデザインも魅力の単焦点レンズ。小さく軽く、おさいふにも優しい一本だ。このAi NIKKOR的鏡筒デザインには「NIKKOR Z 28mm f/2.8(SE)」(税込4万700円)もあるので、ペアで購入しなきゃね。

 標準レンズよりちょっと広くて、広角レンズよりちょっと狭いこの40mmという画角には、シーンをありのままに切り取るような「写真のイキ」がある。何も足さない、何も引かない、そんな塩梅。開放値f/2と明るいうえ、フルサイズフォーマットだからピント前後のボケがさりげない。もし「Z5Ⅱ」が“お初フルサイズ”なら、レンズキットに40mmを加えるのがお勧めだ。

レンズは40㎜なのだけど、より広角で撮ったように見える一枚。

ただし、横浜で撮った実感としては「40mmf/2はスナップ名人が使うレンズ」だ。画角が自然なぶん意図的にフレーミングしないと散漫な画になりがちで、寄るにも引くにも自分が動く必要がある。先ほど「お勧めだ」なんて書いたが、ワタシの相棒は24-200mmズームかも知れない(笑)

屋外でも見やすいEVFはスナップの味方。

 今年の桜は咲いたと思ったら急に寒くなったり強風が吹いたりだったが、みなさんは桜をキャッチできたろうか。

近所の桜を24-200㎜の望遠側で切り取る。都市は桜の周囲に要素が多いので望遠でトリミングしたらいいかも。

 『Z5Ⅱ』はニコンフルサイズ軍団のスタンダード機という位置付けであり、スナップ目的にも叶った一台だ。なぜなら小さく軽くホールディングも良好で、24-200㎜のような少々大き目のズームレンズで撮り歩いても疲れを感じにくいから。スペックと使い勝手を含めてニコンが『Z5Ⅱ』を「全部入り!」と言うのは、納得至極である。キットレンズの24-200㎜は高倍率ズームにありがちな動作のまったり感もなくシャッターチャンスに応えてくれる優等生である。

ゆりかもめを待っている時に横断歩道を行くグループを200㎜でフレーミング。
運河の造船所、その通用口か。シャビーな青いドアと白塗りの壁。Pモードでこの露出値、適正です。
造船所のクレーンから飛び立つカラスもしっかり捉える!

 今回は使用していないが、もうひとつのキットレンズ24-50㎜はめちゃくちゃ軽くコンパクトで驚きの写りと高評価でありボディとセットで実売30万円を切るので、「望遠はそれほど使わないし、小型軽量を優先したい」なら積極的選択となる。

 さて『Z5Ⅱ』撮って出し編、まずはいかがだったろう。次は併売となる初代『Z5』とのデザインの相違点と進化点、最新ニコンとしての『Z5Ⅱ』の可能性について触れたいと思う。

左が初代『Z5』、右が新生『Z5Ⅱ』。

◯参考情報
ニコン/Z5Ⅱ
ボディ価格オープン(25万8500円)、NIKKOR Z 24-50㎜ f/4-6.3レンズキット(29万9200円)、NIKKOR Z 24-200㎜ f/4-6.3 VRレンズキット(35万8600円)※いずれもニコンダイレクト参考価格(税込み)。

Z5II スペシャルコンテンツ
https://nij.nikon.com/sp/z5_2/
Z5II 製品情報
https://nij.nikon.com/products/mirrorless/lineup/z5_2/

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