“24年前のケータイ”が「子ども向け付録」でまさかの復活 往年の名機『F503 i』付録レビュー

 2025年2月26日に発売された『小学8年生 はじめてのプログラミング号』(小学館)。今回の本誌の付録が、NTTドコモの『F503 i(小8付録バージョン)』だということを知っているだろうか。

 『F503 i』が実際に発売されていたのは、約24年前の2001年。当時の携帯は、カメラがついたりワンセグ機能が搭載されたりなど、携帯に付随するサービスの幅が拡大し始めた時代だった。

 そのなかでも『F503 i』は、『iアプリ』が初めて搭載されたことで大きく注目を浴びた。現代は個人が携帯でインターネットを利用することは当たり前であるが、当時はこの『iモード』や『iアプリ』が、ネットへのアクセスにおいて重要な働きをしていたのだ。

 だが、その『iモード』も、スマートフォンの登場によって利用者が減少し、2026年3月にサービスが終了する。そんな一時代を彩った名機『F503 i』を模した付録が学年誌に登場した。本記事では、そんな『F503 i(小8付録バージョン)』についてレビューしていきたい。

(参考:「FOMA」および「iモード」サービス終了のご案内

レトロケータイ×プログラミングで小学生の心を掴む

 こちらが、本誌の付録である『F503 i(小8付録バージョン)』だ。本商品は、エムボット(NTTドコモ関連会社e-Craft社が展開するプログラミング学習用ロボットキット)、NTTドコモ、コモット(NTTドコモが行う子育て応援プロジェクト)のコラボによって制作されたものとなっている。起動するには単4乾電池が2本必要なので、注意してほしい。

 当時の『F503 i』を知る編集部員に触ってもらってみたところ、「アンテナが伸びるともっとテンションが上がったね!」という感想をいただいた。当時はみなアンテナを伸ばして“バリ3”状態にして使用していたようだ。今回の付録は残念ながらアンテナは伸びないのだが、そういった昔の“携帯あるある”が会話のなかで生まれるのも、この付録の魅力だろう。

 アンテナは伸びないながらも、数字ボタンの“グニグニ感”など、当時の携帯を知る人からすると懐かしさを感じるのではないだろうか。

 本付録の遊び方は、基本的に2種類だ。ひとつは「スタンダードアローンモード」、2つ目は「Bluetoothモード」。まずは「スタンダードアローンモード」から紹介していこう。

 こちらは、電池を入れるだけで遊べるモードとなっている。電源を入れて、カードを画面の部分に挿入する。カードに書かれた手順に従いボタンを押すと、ミニゲームがプレイできるのだ。ゲームの数は8種類。まだプログラミングが難しい年齢でも、「スタンダードアローンモード」なら楽しく遊ぶことができるだろう。

 そして今回の目玉が、プログラミングで遊ぶことができる「Bluetoothモード」だ。このモードでは「dアカウント」が必要になるため、遊ぶ前にアカウントの確認をしておくことをおすすめする。ちなみにdアカウントは、ドコモの端末ではなくても作成することが可能だ。

 筆者はスマホでプレイしたのだが、ブロックをタッチ&スライドをする操作が多いため、「Bluetoothモード」はiPadの方が操作がしやすいと感じた。もし手持ちのiPadがあれば、そちらで遊ぶことをおすすめしたい。

 まずは「embot」というアプリを、手持ちのスマホ又はiPadにダウンロードし、起動する。『F503 i(小8付録バージョン)』と連携させ、アカウント登録をしたら、さっそくプログラミングのスタートだ。

 筆者は本誌の例に従ってプログラミングを組み立てていったが、アイデア次第で組み合わせは無限大だ。一つひとつの操作をブロックでつなげていくだけでプログラミングができているので、簡単でわかりやすい。筆者もプログラミング自体あまり知らなかったのだが、視覚的に仕組みを理解することができ、勉強になった。

 ライトを「つける/消す」や、ブザーを「鳴らす/止める」などの簡単な指示のほかにも、「へん数」や「えん算」などのブロックも選ぶことができるので、基本的な操作に慣れてきたら、応用させたプログラミングをすることも可能だ。

 テンポや音、休符などのブロックを選べば、簡単なメロディも作ることができ、『F503 i(小8付録バージョン)』に連携して流せば、あのころの着メロのような体験もできる。

適当に貼った「iモード」のシールだが、当時を知る編集部員に「貼る場所はそこではない」と言われてしまった。

 40代、50代の親世代は当時の携帯を懐かしむことができ、子ども世代はプログラミング機能を通して携帯の歴史に自然と触れることができる。そして本誌では、「ショルダーホン」に始まり、「ポケベル」「デジタル・ムーバ」など、携帯の歴史も紹介されているので、これをきっかけに昔話に花を咲かせるのもいいだろう。

 懐かしさと学びを掛け合わせた「F503 i(小8付録バージョン)」。この時代だからこそ、ぜひ手にとってみてほしい。

なぜ「iPhone8」はいまだに人気なのか? 専門店に聞いた中古スマホ市場の“いま”

年々価格高騰が止まらないスマホ業界。最新モデルの価格は当たり前のように10万円を超えてきて、昔のように気軽に買い換えを決断するこ…

関連記事