都市拡張音楽ライブ『Hyper Music Venue』特集

渋谷のスクランブル交差点にでんぱ組.incを“召喚”する 一度は見ておきたい、スマホひとつで体験できる最新エンタメ

 さて、ここからは実際にでんぱ組.incのライブの体験についてレポートしよう。この日のスクランブル交差点はあいにくの雨だったが、いつもどおり多くの人で賑わっていた。株式会社STYLYスタッフの説明を受けながら、アプリで作品を選択。渋谷の街を映すようにスマートフォンを眼前に掲げる。

 周辺の建物をマーカーとしているのだろう、しばらくすると認識が完了して「Future Diver」の小気味よいメロが流れ出す。

 一回あたりの体験時間は短いものの、さまざまな作品を見るにはこのぐらいの短さがむしろありがたい。登場メンバーがランダムなこともあり、さまざまなライブを何度も楽しめる。今回のダンス映像はすべて新規撮り下ろしとのことで、まさしく“ここでしか見られないコンテンツ”になっている。

 音をイヤフォンで聞きながら、スマートフォンを通して渋谷の町並みを覗くと、自分の眼前にだけライブ空間が現出する。隠し事をしているような、内緒でライブを覗いているような感覚になるこの体験は、非常にユニークだ。ぱっと横を見てみると、他の体験者はスピーカーで楽曲を再生していた。スマートフォンからライブが“漏れ聞こえてくる”のもまた、ユニークな体験だ。

 ふと街に目を向けると、「なにかのイベントかな?」と不思議な眼差しをこちらに向ける人々も。同じ街で同じ時間を過ごしているのに、空間にレイヤーを一つ被せるだけでまったく違う体験が生まれる、現実世界と仮想世界のギャップが目の前にあることが面白い。

 株式会社STYLYでは『STYLY』アプリを「空間レイヤープラットフォーム」と呼称しており、この体験を広めようと挑戦を続けている。今回のプロジェクト『Hyper Music Venue』も、新たな音楽体験空間=音楽ベニューの創出を目指した試みであり、「都市拡張音楽ライブ」と銘打たれているのだ。体験していると、空間を用いた壮大な実験に参加する高揚感が生まれてくる。

 今回は一人のアイドルのパフォーマンスを体験できたが、たとえば自分を囲むようにメンバーが集い、ライブをしてくれたらもっと面白そうだ。XRグラスを誰もが当たり前に使う時代が訪れたら、きっともっとリッチなコンテンツが生まれるだろう。こうした想像がどんどん膨らむ。

 この「空間にレイヤーを一つ被せる感覚」を、実際に体験して驚いてほしい。巨大なでんぱ組.incのメンバーが渋谷の街で踊る姿は、画像やテキストで見る以上の迫力を持っており、少し未来の……STYLYの言葉を借りれば「空間を身にまとう時代」のエンターテイメントの姿を夢想せずにはいられない。体験期間は2024年12月22日まで。

 なお、渋谷サクラステージにある「404 Not Found」ではでんぱ組.incのポップアップストアが開催されているので、体験後はぜひこちらにも足を運んでみてほしい。ARライブ体験の動画をSNSでシェアして、404 Not Found会場内のスタッフに見せると、でんぱ組.incに応援メッセージを送れるリンク付きの限定ステッカーがもらえるほか、ガイドチケットも無料配布されている。

■『Hyper Music Venue』概要
公式WEBサイト:https://hypermusicvenue.com/
作品体験期間:~2024年12月22日(日)まで
最優秀作品発表:12月23日(月)
主催:株式会社STYLY
特別協賛:東急不動産株式会社
コラボレートパートナー:404 Not Found
パートナー:NEWVIEW(https://newview.design/

■『Hyper Music Venue feat. でんぱ組.inc in 404 Not Found』概要
会期:11/22(金)~12/22(日)
時間:10:00~21:00
会場:「404 Not Found」東京都渋谷区桜丘町1-4 Shibuya Sakura Stage SHIBUYA SIDE 4F(Google Map

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