プロゴルファーに競り勝つYouTube運営とは? UUUM GOLF制作陣が語る“転換期”と“差別化戦略”

動画とは異なるコミュニケーション 視聴者参加型のコンペを行う意義

ーー視聴者の方々とのコミュニケーションといえば、11月21日には視聴者参加型のコンペを初めて開催するとお伺いしました。コンペを開催する意義を教えてください。

築比地:視聴者とリアルにお会いできる接点だと位置付けています。自分たちが楽しみながら皆さんに上手くなってもらいたい、ゴルフを楽しんでもらいたいという気持ちを動画を通してお伝えしています。ただ、なかなかコメントしてくれる方が少ない(笑)。基本的には一方通行のコミュニケーションで、あまり反応が見られないんですよね。それを直に感じて、視聴者との触れ合い、エンゲージメントを高めて、さらにいいコンテンツを作っていきたいというのがコンペの位置づけです。

原田:UUUM GOLFは6年くらい運営していますが、視聴者の方と接する機会がこれまで1回もなかったんです。90万人規模のチャンネルがあるのに、そういうことをまったくやっていないのはいかがなものか、というのが経緯です。会えたことに対する生の反応をみたり、動画の感想が聞けたら嬉しいですね。コミュニケーションの場になればと考えています。

築比地:「かえでちゃんに会えた」と参加者の方がいってくださったら嬉しいです(笑)。

ーー視聴者のみなさんも楽しみにされていると思います。視聴者が参加できるコンペといった新しいことにも取り組まれていますが、今後の展望について教えていただけますでしょうか。

築比地:当初の計画より半分ほどの期間で赤字から黒字にできたので、事業の第一段階はまずは成功だと思っています。ですが、やはりYouTubeだけでいろいろビジネスを広げていくのは、難しい時代になってきたと思うんです。ゴルフは過処分所得が多い人がやっている傾向がありますので、YouTubeでは圧倒的な地位を築きつつ、それを利用してビジネスを横に展開していく。今回初めて、かえでが先生に教わるレッスン動画も販売しましたが、うまくなりたいという視聴者が圧倒的に多いので、練習器具の販売といったことができればと思います。エコシステムというか、ゴルフを始めたばかりの方からベテランの方まで、動画を視聴したり、イベントに参加したり、物を買っていただくなど、ゴルフにまつわることはUUUM GOLFで全部完結するところまでできたらいいなと考えています。

原田:チャンネル運営については、これまで通りうまくなりたいという人が上達するようなコンテンツを出していきたいと思っています。熱量のある視聴者の方々にみていただいていて、チャンネル自体がコアなチャンネルになってきているので、もう少し間口を広げて、熱量のある人も楽しめるし、初心者の方も見るコンテンツがあるというような、幅広いコンテンツを展開していきたいです。

かえで:加入して3年になりますが、ここまで上達できたのはいろんな方に教えてもらっているおかげですし、これがUUUM GOLFの1番の良さだと思っています。3年前のボールに当たらない時期の動画があるというのもYouTubeのいいところだと思いますし、視聴者にとっても成長の過程がわかりやすいコンテンツだと思うので、これからもいろんな方に教えていただき、うまくなっていきたいです。

ーーかえでさんがプロ並みに上達した暁には、このチャンネルはどうなってしまうんでしょうか。

原田:それが難しいところで。下手だから分かる感覚と上手いから分かる感覚があると思うんですが、僕たちも成長してきて、初心者の気持ちがわからなくなってきてるというところもあります。ゴルフを始めたばかりの方に出演してもらい、その方たちに初心者領域をお任せしつつ、僕らは上級者のところ、かえでちゃんがその時点でわかる感覚というのを伝えていけたらいいなと思います。

築比地:かえでがその子を教える、というのもみてみたいですよね。私たちは「世界中のゴルファーを笑顔にしたい」をモットーに掲げているのですが、私もまもなく定年を迎えるので、UUUM GOLFが今までやってきたことを若い世代が積み上げつつ、ゴルフのよさを圧倒的な熱量で伝えてくれたら、僕が目標としていたことを達成できるのかなと思っています。若い世代に期待しています。

激務イメージのエンタメ業界で男性マネージャーが育休取得 取得者本人と担当者が語るUUUM流“令和の働き方”

今回は、同社で実際に育休を取得した経験のあるバディ・相澤直人氏とサステナビリティ推進責任者でえるぼし担当の鈴木義之氏に、同社にお…

関連記事