事務所の解散で名前と姿を一新した人気VTuberが、再び企業と手を組むまで ChumuNoteが語る「VTuberの就活」

ChumuNoteが語る、“VTuberの就活”

MIX、DJ、歌……多岐にわたるChumuNoteの音楽活動

――レメディ・アンド・カンパニー社はChumuNoteさんの音楽を聴いて声をかけたそうですね。ChumuNoteさん本人としては、どのように受け止めましたか?

ChumuNote:そもそも名前の「ChumuNote」の「Note」は英語の「音符」という単語から取ってきていて、就活もしつつ、音楽にもっと力を入れていきたいと考えていたタイミングだったので、そこを評価していただけたのはめちゃくちゃ嬉しかったですね。最新であげていた「Fatal」の歌ってみた動画は、社長さんも聞いてくれてるっていう話をしていただいて、すごく褒めてくださいました。

――歌の活動を始められたのはいつ頃からですか?

ChumuNote:もともと歌うこと自体に楽しさを感じるタイプで、好きなんです。自分の曲や歌でペンライトを振ってくれている人を見ると喜びを感じますね。

 『VirtuaREAL(バーチャリアル)』というVTuberのコンピアルバムに参加させてもらったことがあるのですが、制作元のUSAGI Productionさんが、参加VTuberの公募をしていて。それに応募したところ、審査に合格できて、オリジナル楽曲を作れると決まったんです。そのときに「あ、自分は歌ってもいいんだ」と思えて、それから本格的に歌にも力を入れ始めました。

 ちなみに、そのときに生まれたのが「DANCE is the answer」という楽曲で、歌の活動の原点ですね。

DANCE is the answer (2023 ver.)

――歌だけでなく、MIXやDJなど音楽全般にお詳しいですよね。音楽に本格的に触れ始めたのはいつ頃からですか?

ChumuNote:音楽を本格的に始めたのは中学生の頃で、吹奏学部でクラリネットを吹いていました。

 MIXに関しては、高校生の時の放送部でラジオドラマの編集をしていたのが最初です。そこで音声編集に興味を持ってMIXを始めたんですが、最初は編集をしようにも素材がなかったんです。「無いなら自分で歌っちゃおう」みたいな感じで歌い始めて、歌の録音はそのときからになりますね。

――MIXの技術はどうやって磨いてこられましたか?

ChumuNote:インターネットで調べたり、MIXをすでにやられている方に連絡を取って、分からないところを聞いたりしていましたね。たとえばPerfumeさんやSEKAI NO OWARIさんの曲で「ケロケロ(※ピッチ補正をして声がロボットのように聞こえる調整をすること)」するMIXとかあるじゃないですか。真似してみたいと思って、やり方を調べて試してみる、というのを繰り返して勉強しました。

——ほとんど独学だったんですね。ミキシングエンジニアを名乗り始めたのはいつ頃からですか?

ChumuNote:最初は個人的な趣味としてやっていたんですが、公でMIXができることをアピールし始めたのは、前名義でオーディションを受けたときです。たくさんの方が応募するオーディションなので、個性がかぶっていない方が埋もれないじゃないですか。そのとき「MIXができるVTuber」としてひとつ覚えてもらおうと思って名乗り始めたのが原点ですね。ちなみに、今もTRIFRONTIER(トライフロンティア)という会社でミキシングのお仕事をしていますよ。

――DJ活動はどんなきっかけで始められたのですか?

ChumuNote:以前『VIRTUAFREAK(バーチャフリーク)』というクラブイベントが新木場で開催されていて、エハラミオリさんがVTuber楽曲メインでDJをしていたんです。そこで引退したVTuberの流石乃ルキさん、ロキさんの楽曲とかを流していて。

 VTuberとしては引退してしまった方たちだけど、その楽曲でみんながすごく盛り上がっているのを見て「音楽って、やっぱり続いてくんだな」とすごく感動したんです。それでDJにも興味を持って、自分でも始めました。

――DJ活動をしていて嬉しかったことや、印象に残っていることはありますか?

ChumuNote:自分の好きな曲を流して、それを検索してくれた人が「めっちゃいい曲に出会えた、ありがとう」って言ってくれたときですね。みんなが「その曲好き!」ってなって湧いているときの一体感は楽しいです。

 あるとき、曲中でスクワットをする曲を流したんですよ。それをDJで流した時に「スクワットしてね」と言ったんですが、まさか本当にしてくれるとは思っていなくて(笑)。「いやごめん! めっちゃ早いBPMでかけちゃった!」とか、そんなやり取りしたことがありましたね(笑)。

【MV】シーサイド・スクワット feat.ChumuNote / 帛田ヌキ【オリジナル曲】

個性を活かし、補い合うユニット・épeler(エプレ) 今後の活動は?

――もう1つ注目度の高いところで、ChumuNoteさんはFlare Rune(フレア・ルーン)さん、柚子花(ゆずは)さんと共にユニット「épeler(エプレ)」でも活動されていますよね。そちらの今後について、考えていることがあれば教えてください。

ChumuNote:épelerはけっこう熱量が高くて、『メガミノウタゲ』の企画に参加させてもらったり、楽曲コンテスト『FEAT CONTEST 2024』の審査員をさせてもらったりと、外部の方々とも一緒にプロジェクト動かしていく活動が多めになっています。

 それと10月からは、3人で集まる定期配信をそれぞれのチャンネルでもおこなっています。互いのチャンネルを行き来することで、メンバーそれぞれの個性を広く知ってもらいつつ、ひとりひとりしか応援していなかったファンの人にも「épeler」の活動を知ってもらいたい、楽しんでもらいたい、というのが狙いです。

 ただ、元々はそれぞれ個人で活動をしていたメンバーの集まりなので、そこは今後も尊重していこうという話をしています。個人の活動を尊重しつつ、ユニットでしかできないことを3人でやっていきたい、という考えです。

――épelerと個人活動との両立はすごく大変だと思うのですが、なにか心がけていることはありますか?

ChumuNote:épelerの3人はそれぞれ得意なことが異なっていて、僕はMIXなど音響周りに強くて、Flare RuneちゃんはLive2Dや3Dモデリング、デザインやイラスト制作ができます。柚子花ちゃんは文章を書くのが得意で、ライターとしてお仕事をしていたりしますし、そもそも行動力のある子なので、中心になって企画を進めてくれていたりします。それぞれが別ベクトルの得意ジャンルを持っているので、タスクや役割を分担をして「みんなで作っていくこと」を大切にしながら活動しています。

――レメディ・アンド・カンパニー社というと、海外にも拠点を持っているグローバル企業ですよね。ChumuNoteさんの中で、海外に向けて挑戦してみたいことなどはおありですか?

ChumuNote:海外向けの活動という面でも、レメディさんはすごく頼れるパートナーですね! もともと「ちゅむ主総会」の初期から「音楽は言葉や国境を超える」ということを話していて。音楽活動をグローバルにやっていきたいというのはずっと思っていました。

 日本の文化は海外でも人気が高いので、まずはいい作品を作って認められることが大事かなと思っています。

――レメディ社と組むことで、今後どういったシナジーが生まれそうでしょうか。

ChumuNote:作品を一緒に作っていくうえで偏りすぎない、バランスの取れた作品が作れるんじゃないかなと思っています。

 僕とレメディさんって、良い意味で住んでいる世界や価値観が違うんですよ。自分は本当にオタクでサブカル好きな人間なので、そっちの世界には詳しい。でも、レメディさんは医療の世界で活躍されていて、一般的な企業としての考えも持っていて、グローバルな広い視野を持っていています。なので、いろんな視点を知ることが出来るんです。

――レメディ社がChumuNoteさんに別の文化を教えてくれる可能性もあるということでしょうか?

ChumuNote:そうなるといいな、と思っています。それから、スケール感も違いますよね。自分ひとりだと低い目標を立てがちなところを、レメディさんがより大きい目標を示してくれるので、もっと大きくなりたいという気持ちがより強くなります。

――ちなみに、レメディ社と手を組んだことで始めた「新しい挑戦」はありますか?

ChumuNote:英語を勉強し始めました! レメディさんはグローバル企業らしく英語話者の方が多数在籍されているので、英語の技術を身につけるうえですごく力になってくださっています。すぐには結果に出ないかもしれないですが、大きい存在を目指す上で必要な技術を身につけていくのは、有名なタレントになるためには必要なことだと考えて、コツコツ裏で挑戦しています。

――最後に、ChumuNoteさんの夢を教えて下さい。

ChumuNote:いつか、「さいたまスーパーアリーナ」でライブがしたいです!

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