オオカミくんの素顔…『キミとオオカミくんには騙されない』本編で明かされなかった“3つの裏側”に迫る

『キミとオオカミくんには騙されない』“3つの裏側”

 2024年10月27日に最終話が放送され、衝撃のラストが大きな反響を呼んだ『キミとオオカミくんには騙されない』。その感動が冷めやらぬなか、いま新たな注目を集めているのが「3つの裏側」と題された特別映像だ。最終告白から1週間後、あんころ(山本杏)、みぃ(入江美沙希)、きゃすみる(辻加純)の3人が再び集結し、これまで明かされることのなかったオオカミくんたちの素顔に迫っていく。


 告白の瞬間まで相手が“嘘つきオオカミくん”かどうかわからない、まるで人狼ゲームのような緊張感が魅力の「オオカミには騙されない」シリーズ。数々の名作を生み出してきた本シリーズだが、今回は特に大きな盛り上がりを見せた。最終的に、こた(吉川康太)、ガクティー(田中学人)、たいりの3人がオオカミくんとして参加していたことが明らかとなり、そう(植村颯太)とまほち(堀口真帆)がカップルとして成立。視聴者投票では、きゃすみるとたいりが1位に選ばれたものの、オオカミくん解除に必要な100万票には届かず、切ないラストを迎えた。


 プレミアムコンテンツの見どころは、番組終了後だからこそ実現した、オオカミくん同士の本音トークや、脱落したメンバーとの再会シーンにある。さらに、オーディションの舞台裏や密着映像を通じて、「オオカミくん」として参加を告げられた瞬間から、彼らが抱え続けた葛藤が明らかになっていく。たとえば、「できれば2人は惑わせたい」と意気込んでいたこたが、徐々にみぃへの純粋な想いに揺れ動く姿や、たいりがきゃすみるに「オオカミじゃないよね?」と重ね重ね問われたときの心情。また、あんころへの気持ちと“オオカミくん”という役割の間で苦悩し、涙するガクティーの姿など、番組では見られなかった彼らの本音が次々と明かされていく。オオカミくんとしての一面と、その裏にあった本心。そんなギャップが詰まった3つのエピソードに、ファンなら頭を抱えること間違いなしだ。

 注目すべきは、オオカミくん解除を賭けた最高のカップル投票への各メンバーの反応でだ。意中のきゃすみるとの関係に期待を寄せ、素直に喜びを表現するたいりに対し、“オオカミくん”という役割との間で葛藤を見せるこた。そして脱落メンバーのことを想い、複雑な表情を浮かべ続けるガクティー。この三者三様の反応からは、本編では描ききれなかった彼らのリアルな感情の機微が鮮やかに映し出されている。

 そして今回のプレミアムコンテンツでは、初の脱落者となったameと“オオカミくん”であるガクティーが、あんころへの想いを率直に語り合うシーンも描かれる。通常の恋愛リアリティーショーではMC以外に第三者の視点が入ることは珍しい。しかし本作は、脱落したメンバーという「外の目」を効果的に取り入れることで、より多角的なドラマを生み出すことに成功している。


 ほかの恋愛リアリティーショーでも、過去のシーズンのメンバーやキャストにゆかりのある人物が登場することは多々あるが、「オオカミの正体を知る人」とオオカミが対話をする構造は本作ならではの面白さであるように感じた。メンバーが去るたびに漏らされる「自分こそが去るべきだった。ここにいる資格なんてない」というガクティーの苦悩の言葉からは、彼らが背負った役割の重さが伝わってきたのではないか。

 

 そして、最終告白後の女子5人が再び集まるシーンも心を打つ。恋に破れた切ない思い出から、一緒に過ごした楽しい日々の笑い話まで、メンバーたちと一緒に失恋を振り返るような温かな空気感が、視聴者の心に深く響いていく。メンバーと“最高のラスト”を迎える意味でも、本編のみで視聴を終わらせるというのはあまりにも勿体無い。

 

 『キミとオオカミくんには騙されない』は、放送を重ねるたびに新しい魅力を作り出してきた人気番組だ。今回は魅力的な本編はもちろん、プレミアムコンテンツで描かれる裏側の物語、そして視聴者の気持ちに寄り添った丁寧なエンディングまで、すべてが本編からの続きとして違和感なく、見事にまとまっている。視聴者投票を始めとしたリアリティーショーの新しい形を示した今シーズンは、「オオカミには騙されない」シリーズの中でも特別な一作として多くの“キミ”の記憶に残るはずだ。

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