M4『iMac』『MacBook Pro』に手のひらサイズの『Mac mini』も アップルの“エキサイティングな発表”を振り返る

手のひらサイズに小さくなってパワーアップした『Mac mini』

 2日目にはM4チップを搭載してコンパクトに生まれ変わった『Mac mini』が発表された。

 同じデスクトップタイプでも、ディスプレイ一体型のiMacと異なり、好きなモニターやキーボードなどを組み合わせて使うことができるため人気がある機種だ。今回新たにデザインされたボディは12.7cm四方で高さ5.0cmと小さく、重量も0.67kg〜0.73kgと軽量になっている。

 新しいMac miniには、M4チップに加え上位の「M4 Pro」を搭載したモデルも用意されている。10つの高性能コアと4つの高効率コアを搭載したM4 Proでは、マルチスレッドのCPUパフォーマンスがM1 Proの最大1.9倍、M2 Proの最大1.6倍と高速化。GPUも20コアで、グラフィックスパフォーマンスはM1 Proの最大1.9倍、M2 Proの最大1.5倍と高速だ。

 ポート類に関しては、背面にHDMIとギガビットEthernet、M4モデルはThunderbolt 4(40Gb/s)×3を配置、M4 ProモデルではThunderbolt 5(120Gb/s)×3に変わる。ディスプレイは最大3台が接続可能だ。また前面にはUSB Type-C(10Gb/s)×2とオーディオジャックを配置して、よりアクセスしやすいレイアウトになった。

 M4を搭載したモデルはメモリやストレージの容量が異なる3種類を用意。オプションでメモリは最大32GB、ストレージは2TBまで選択可能だ。M4 Pro搭載のモデルは1種類だけだが、こちらはオプションでメモリが最大64GBまで増やせ、ストレージも最大8TBが選べる。メモリやストレージをマックスまで増やしたいなら、M4 Proモデル一択になる。

 こちらの『Mac mini』も発表当日の10月30日から予約開始、来週11月8日発売で、価格は94,800円からとなっている。

M4 Maxを選択可能な最高のMacBook Pro

 最終日の3日目に登場したのが『MacBook Pro』だ。こちらは従来の筐体にM4シリーズをのせたパワーアップ版となるが、M4、M4 Plusにくわえて最上位の「M4 Max」が選べる点が最大の特徴だ。

 ノーマルのM4でもM1チップ搭載のMacBook Pro(13インチ)より1.8倍、M3 MacBook Pro(14インチ)より1.3倍高速になっている。M4 ProやM4 Max搭載のモデルでもCPUやGPUパフォーマンスがアップしているので、グラフィックスを駆使するワークフローを多用するユーザーには朗報だろう。

 ボディは従来と同じで、14インチと16インチのディスプレイサイズを用意している。最大1000ニト、HDRコンテンツは最大1600ニトのピーク輝度とXDRディスプレイのスペックは変わりない。Nano-textureディスプレイのオプションも同じだ。ただし、ディスプレイ上部に搭載している1080p FaceTime HDカメラが新たな12MPセンターフレームカメラに置き換わった点は新しいiMacと同じだ。iPhoneをWebカメラとして利用しなくても「センターフレーム」や「デスクビュー」が実現できるようになった。

 これまでの下位モデルには左側に2つのThunderboltポートしかなく、右側に周辺機器を配置する際にはケーブルレイアウトに工夫が必要だったが、今回からすべてのモデルで左側に2つ、右側に1つ、合計で3つのThunderboltポートを搭載している。M4 ProもしくはM4 Maxモデルは12Gb/sのThunderbolt 5になる点にも注目だ。

 バッテリー駆動時間も向上し、M4モデルのMacBook Pro(14インチ)とM4 Plus/M4 MaxモデルのMacBook Pro(16インチ)では最大24時間と最長になった(それ以外のモデルでも22時間)。

 新しくなったMacBook Proも発表当日の10月31日から予約を開始し、来週11月8日から発売だ。価格は248,800円からとなっている。

すべてはApple Intelligenceのため? 本格化するアップルの“人工知能押し”

 今回の発表を一言で表すと、アップルが提供するパーソナルインテリジェンスシステム「Apple Intelligence」の為に行った底上げだ。3日間にわたって発表したビデオ内容を見ると、どれもApple Intelligenceのために設計した点を強くアピールしている。

 Macに関してはM1以降のデバイスであればApple Intelligenceに対応するとアップルはアナウンスしているが、今回の発表内容からするとApple Intelligenceをストレスなく使うにはM4シリーズと16GBのメモリが推奨スペックにあたるのでは、と考えてしまう。今回はM4化されなかった『MacBook Air』だが、発表の最後に標準メモリを従来の8GBから16GBに増やしたアナウンスがあったことを考えると、あながち16GB推奨なのは間違っていないのかもしれない。

 Apple Intelligenceが日本語で使えるようになるのは来年以降とまだ先だが、すべての機能を最大限に利用したいなら、これを機に買い換えを検討するのも良い時期なのかもしれない。

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