ダウ90000・吉原怜那×枝優花対談 有料という“ゲート”が生む「ちょうど良い距離感」
吉原「日常生活でも竹山さんに話そうって瞬間がある」
ーー吉原さんは、以前からカンニング竹山さんと交流などはあったのでしょうか?
吉原:いや、それがまったくなかったんです(笑)。だから、最初にお相手がカンニング竹山さんと聞いたときはかなり驚きました。でもいま思えば、もし相手が同じくらいの若手芸人だったら、もっと探り探りになっていたのかなぁと思います。竹山さんくらい大ベテランで歳も離れてて、人間としての属性も全然違うような人と組んだ方が番組が面白くなるだろうし、私もまだまだ若手なので、頼らせてもらっています。
ーー収録はどのように行っているのでしょうか?
吉原:スタジオで月に1回4本録りをしています。1回だいたい25分くらいですね。最初はお互いの世代のギャップについてよく話していました。竹山さんが50代で私が23歳なので、親子くらい歳が離れてるんですよ。番組タイトルも『違和感なふたり』なので、そのギャップが伝わるように意識していたんですけど、意識しすぎてトークの内容が固まっちゃって。
でも最近はそこから少しずつ変わってきて、“竹山さんに話したいこと”を話そうと思うようになりました。日常生活のなかで、「あ、これ竹山さんに話そう」と思う瞬間があるんです。それを溜めておいて、収録のときに話すようにしています。竹山さんも「これ、れなちょに聞きたかったんだけどさ」っていうことを話してくれて、それがすごく嬉しいです。最近は、MBTIの話をしたのがめっちゃ楽しかったですね。
ーー枝さんはおひとりで配信をされているかと思うのですが、どのように収録をしていますか?
吉原:それめっちゃ気になります。ひとりで30分くらい話すってことですよね? すごい……。話す内容とかどうやって考えているんですか?
枝:私は事前に決めちゃうと固くなっちゃうタイプなので、録音ボタンを押して喋りだしちゃいます。長く続けているからっていうのもあるかもしれないんですけど、質問とかを見るとみんな、なにを知りたがっているのかがなんとなくわかってくるんです。そもそも映画監督って、生活リズムとかけっこう謎だと思うんですよ。だから今週何をしていたのかっていう近況報告から始めることが多いですね。
でも忙しかったり、自分のメンタル的に収録まで気持ちが追いつかなかったりするときは全然休んじゃいます(笑)。そこもけっこう自由にやらせてもらっているので、ありがたいですね。
ーー枝さんのリスナーの方は、どんな人が多いのでしょうか?
枝:同世代のリスナーさんが割と多くて、「会社を辞めたいけど、どうしたらいいのか」とか、進路や就職とか、人生相談されることが多いですね。私はいままで好きなことやって、結果こうなったっていう人生を歩んできた人間なので……。だからそういう相談が多いのかもしれません。3年前にメッセージしてくれた方から、「枝さんが言ってくれたことを実行して、いまこんな生活をしてます」というメッセージをもらったときはすごく嬉しかったです。
吉原:めっちゃいい話……!
枝:あと、「会社で働き続けるか悩んでて、島に旅行に行ったときにピンときて、そのまま島に移住して働きました」みたいな人もいました(笑)。すごいですよね。私も常に自分がやりたいことをやってきた人間なので、「いましかないよ!」みたいなことをみんなにずっと言い続けてて。やりたいことって、過去でも未来でも回収できないじゃないですか。だから無責任な言葉かもしれないけど、その人の行動の後押しになってたら嬉しいですね。
吉原:枝さんに相談したくなる気持ち、わかるなぁ……(笑)。自分の想いを言い続けるってめっちゃ大事ですね。ちなみに私いまお金ないんですけど、ひとり暮らししようか迷ってて。それでもやってみた方がいいと思いますか?
枝:マジの悩み相談だ!(笑) ひとり暮らしをすると、自分のやりたいこととか興味あることも明確に見えてくるので、おすすめですよ。環境を変えようと思うようになったら絶対それがタイミングなので、面倒臭くなってしまう前に行動するのもいいかもしれないですね(笑)。
吉原:よし、ひとり暮らしします!
無法地帯に生まれるちょうどいい“距離感”
ーー『Artistspoken』での配信で得た気づきや発見などはありましたか?
吉原:今年の5月から、「超ときめき♡宣伝部」というアイドルグループの子たちの番組がスタートしたんですけど、メンバーの小泉遥香ちゃんが子役時代からの友達なんです。このあいだ10年ぶりくらいに再会したときに、お互い『Artistspoken』で配信していることを初めて知って。あのとき一緒にレッスンを受けてた友達が、“アイドル”と“芸人”っていう別々の道を歩んで、また同じ場所で再会するってすごいなと思って。この場所があったからまた出会えて、そのつながりがすごく嬉しかったです。
ーーそれは素敵な出会いですね。枝さんは3年間続けてきて、『Artistspoken』は改めてどういった場所だと感じていますか?
枝:私は仕事柄SNSを半分仕事として使うことも多くて、最近は考えすぎて気軽に投稿しづらくなってたんです。でも、別のアカウントを作るほどのパワーはなくて……。なんか昔はもっと気軽にSNSやってたのになぁっていう、寂しさもありました。
そんなとき、ある人が「このSNSはもう私のアカウントで私の国だから、私の国に入ってくるんだったら私の国のルールに従ってもらいます」みたいなことを言っているのを見たことがあって、妙に納得したんです。いまは無法地帯になっているけど、私も自分の国が守れたらすごくいいのにって。『Artistspoken』は有料という“ゲート”があるから、そういう意味でもちょうどいいなと思いました。これから参加されるアーティストの方はもっとどんどん増えて、規模も大きくなっていくと思うんですけど、このリスナーとの距離感はずっとちょうどいいままなのかなと思います。聴きたい人が聴きたいという距離感が心地良い場所だと思いますね。
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