大都市の“超現実”を車とスキルで駆け回る! オープンワールドRPG『Neverness to Everness』試遊レビュー

『Neverness to Everness』試遊レビュー

 Hotta Studioが手掛ける新作オープンワールドRPG『Neverness to Everness』(以下、NTE)が、『東京ゲームショウ2024』に出展され、試遊でも好評を博していた。本稿では会場での試遊におけるインプレッションから、同作の魅力や期待したい点を紹介する。

NTE 新ゲームプレイトレーラー|ヘテロシティの日常

 『NTE』はヘテロシティという都市を舞台とした、超現実アーバンオープンワールドRPGだ。個性豊かなキャラクターたちとともに都市を駆け巡り、「異象(アノマリー)」と呼ばれる敵との戦闘ではキャラクターを切り替えたり、さまざまなスキルを駆使したりと、歯ごたえのあるアクションが展開できる。

 オープンワールドのアクションRPG自体はすでに珍しくなくなっている感もあるが、本作の特徴は現代と未来の中間のように感じさせる都市のビジュアルと、高層ビルの並び立つなかを自由に動き回れるということにあるだろう。ファンタジーでありつつも、われわれの暮らす現実とのつながりも感じられる。“超現実”とはまさに的を射た表現ではないだろうか。

 試遊では女性の主人公、ミント、ナナリ、早霧(サキリ)の4人を使用可能。事前情報の段階から注目していた、重力を無視して走り回れるという(正確には足元に向かって重力が発生するようになる)要素については、ナナリのスキルによって発動する。スキルの効果時間のみのため、決して無制限ではないが、さまざまなビルなどの側面を我が物顔で歩ける感覚は、オープンワールドの探索に新たな楽しみを与えてくれていた。

 また、探索面では車を自由に乗り回すことができるというのも、大きな魅力のひとつだ。Hotta Studioの手掛ける『Tower of Fantasy(幻塔)』にも車両が登場することもあり、同社にとっては得意分野でもあるのだろう。ヘテロシティを爆速で駆け抜ける爽快感は格別だ。操作感は「グランド・セフト・オート」シリーズっぽいのかと思いきや、筆者は「ウォッチドッグス」シリーズを思い出した。慣性に引っ張られながら車をぶっ飛ばし、衝突すると傷が増えるものの、試遊の範囲では廃車にはならなかったため、ゲームにおける運転が上手くないというプレイヤーでも心配することなく楽しめそうだ。

 さらに、街中にある店では所有している車をカスタマイズすることも可能。カラーリングを自分好みに変更することができ、それ以外にもカスタマイズ要素があるようだ。自分好みに改造して、探索の“相棒”として使い倒してあげよう。

 試遊の大部分を探索に費やしたため、バトルの感想はややあっさりとしてしまうのだが、異象とのバトルにおけるプレイフィールは、非常にスタイリッシュなバトルアクションというのが第一印象だ。回避を中心にしながらスキルを使って優位に立ち、異象をブレイクさせて攻撃を叩き込む。オープンワールドのアクションでは定番とも言える流れだが、初心者でも楽しめるように操作難度は調整されているように感じた。少なくとも、なにをすればいいかわからないままに蹂躙されることはないだろう。

 もちろん、ビジュアルの魅力的なキャラクターたちの派手なモーションやエフェクトも作り込まれており、視覚的な楽しさも十分。キャラクターデザインに惹かれて本作に興味を持ったのならば、満足度の高いバトル体験が得られるはずだ。

 気になった点としては、意外とスタミナが切れやすい点と、ダッシュのスピードがあまり速くなくやや不便に感じること、車の呼び出しが場所によってはスムーズにいかないことなどだろうか。ただ、『NTE』はリリース日が現時点で未定であり、まだまだβテストなどを経て改善が進んでいくはずなので、細かなユーザビリティのさらなる向上に期待したい。

 ストーリーの導入部分では世界観を少しだけ知ることができ、そこからどう“超現実”が発展していくのか、興味は尽きない。ヘテロシティも試遊ではまだ「見えるけど行けない」場所もあっただけに、乗り物とスキルを駆使してどこまでも縦横無尽に駆け回る日を心待ちにしている。

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