なぜ『TGC』はYouTuberの起用に踏み切ったのか 令和のトレンドを生むショーの“裏側”
SNS上にも存在するTGC
ーー常に進化し続けているTGCですが、いままでの歴史のなかで転換点になった出来事はありましたか?
池田:やはりコロナですかね。コロナ禍になってからは2年ほど、無観客での開催となりました。配信は以前から行っていたのですが、コロナ禍になってからは、デジタル面にかなりフォーカスするようになりました。復活したときによりお客様に熱量を持ってご来場いただけるTGCにすべく取り組み、配信の視聴者数は最終的に約6倍まで増加させることができました。
ーー具体的にはどのように力を入れたのでしょうか?
池田:いままでは、あくまでもリアルに開催されているイベントが中心で、ステージの様子をそのまま配信していました。コロナ禍で、眼の前のイベント=TGCから、スマホの中=TGCになったことで、事前にSNSで #出演者リクエスト をつけて、どんな人に出演してほしいか呼びかけたり、当日はシークレットゲストは誰なのかをSNSで予想してもらったり、SNSを通してお客さんとコミュニケーションを取るようになりました。
池田:いまは開催する何か月も前からSNSの戦略を立て、本番当日だけで何百投稿も発信しています。そして、どのプログラムのときにどのくらい盛り上がっているのかを分析して、次の開催時に活かしたりしていますね。
ーー“リアル”と“ネット”の盛り上がりを比較して見ていると。
池田:SNS上での会話量やインプレッションなどを分析して、「このプログラムはもっと前半に持ってきたほうがいいね」「ここで1回山ができるからこのくらい時間を使おう」というように、SNSの盛り上がりを分析してショーの全体の構成にも反映するようになりました。もっと言うと、もちろんリアルで開催しているのもTGCなのですが、私たちは“SNS上にもTGCがある”と考えています。リアルだけではなくSNS上にあるTGCも楽しんでいただけると嬉しいです。