極上のリアリティでフルリメイクされた伝説のステルスアクション 『METAL GEAR SOLID Δ』試遊レポート

『METAL GEAR SOLID Δ』試遊レポート

 2024年9月26日~9月29日の計4日間にわたって開催された『東京ゲームショウ2024』(TGS2024)。同イベントに出展を果たしたコナミデジタルエンタテインメント(コナミ)ブースにて、『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』(METAL GEAR SOLID Δ)の世界最速プレイアブル体験会が行われた。

コナミデジタルエンタテインメントブース・『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』コーナー
コナミデジタルエンタテインメントブース・『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』コーナー

 本稿では、試遊を通して分かった『METAL GEAR SOLID Δ』のプレイフィールについて、レポート形式でお届けする。

ネイキッド・スネークの旅路が20年越しにフルリメイク

 本作は、2004年12月に発売されたPlayStation2(PS2)用ソフト『メタルギアソリッド3』(MGS3)のリメイク版となる。本稿の執筆時点で発売日は未定。対応機種はPlayStation5/Xbox Series X/Steam(PC)のマルチプラットフォーム展開が予定されている。筆者はこのうち、ブース内に用意されていたXbox Series X版をプレイした。

『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』カットシーン
『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』カットシーン

 『METAL GEAR SOLID Δ』の時代設定はオリジナル版と同様、時代は東西諸国の対立構造(冷戦)が際立つ1960年代だ。プレイヤーはアメリカ合衆国のCIAに所属する工作員「ネイキッド・スネーク」を操り、西側への亡命を望む研究員をソビエト連邦から奪還するべく、単身で敵地へと乗り込む。試遊版ではこのゲーム冒頭パート「バーチャスミッション」の一部を体験することができた。

 筆者は約20年前に『MGS3』を経験したリアルタイム世代の1人だが、『METAL GEAR SOLID Δ』のカットシーンを観賞するうち、当時の記憶がより補強されて脳内に浮かび上がってきた。

『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』バーチャスミッション開始
『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』バーチャスミッション開始

 バーチャスミッションの開始を目前に控え、航空機内では「ゼロ少佐」や「パラメディック」が監視モニターを見守り、各員に対し作戦の最終説明を行っている。その傍らで葉巻をふかしつつ、開始の合図を受け取るやいなや降下用マスクを颯爽と装着するのが、「メタルギアソリッド」(MGS)シリーズ始まりの男「ネイキッド・スネーク」(スネーク)だ。「鳥になってこい」とスネークに一声かけるゼロ少佐の存在感も相まって、ゲーム本編に対する期待が大いにかき立てられた。

徹底的に追求されたリアリティ 『MGS3』のテイストそのままにプレイフィール向上

 単身で敵地に乗り込み奮戦する「MGS」シリーズの醍醐味と言えば、やはりステルスアクションではないだろうか。敵兵士の巡回ルートや視界を把握しつつ、誰にも悟られることなくフィールド内を移動。必要であれば隠密状態を保ったまま無力化し、粛々と命じられた任務を遂行していく……。こうしたテイストは『MGS3』の時点で健在だったが、そのリメイク版『METAL GEAR SOLID Δ』では、ビジュアルやシステムを含め、プレイフィールが大きく向上している。

『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』スクリーンショット
『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』スクリーンショット

 まず誰もが感じるであろう点は、PS2時代から一新されたグラフィックス。美しさは言うまでもないが、木々の枝葉から泥土のぬかるみにいたるまで、“リアリティの追求”という観点のもと、舞台となるジャングルが丹念に描かれている。くわえて、プレイ中の行動に応じてスネークの衣服が汚れたり、ダメージを負うと傷がリアルタイムで反映される作り込みの深さには驚かされた。

 そして『MGS3』を代表する要素「キャプチャー」と「カモフラージュ」も、『METAL GEAR SOLID Δ』にて健在である。

 本作では任務の性質上、スネークはジャングル内で装備品はもちろんのこと、食糧も自身で調達しなければならない。とりわけ食糧の確保は「MGS」シリーズにおいても特殊な仕様であり、生命を維持するうえで時にはヘビやワニといった危険生物をも食す必要があるのだ。

『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』スクリーンショット
『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』スクリーンショット

 麻酔銃やサバイバルナイフを使い、捕獲(キャプチャー)した生物を食べて飢えをしのぐ。場合によってはフィールド内でインスタントラーメンやカロリーメイトが手に入る場合もあり、それらを食したスネークの反応を見るだけでも、本作をプレイする価値は十二分にあると言っても過言ではない。

 一方のカモフラージュは、スネークを敵の目から欺くために重視すべきパラメータの一つだ。フィールド内の茂みや岩場など、環境に適した装備(衣服&フェイスペイント)を身に着けている場合、カモフラージュ率が増えて敵兵から見つかりにくくなる。逆に衣服とフェイスペイントが環境に合っていない状態だと、カモフラージュ率がみるみる低減。少し動いただけでも気づかれやすくなってしまう。

『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』迷彩服セレクト画面
『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』迷彩服セレクト画面

 プレイ中は常にカモフラージュ率に気を配る必要があるものの、仕様を理解すれば戦況をより有利に運ぶことができる。まさしくジャングル内のゲリラ戦を上手く再現したゲームシステムだと言えるだろう。

 戦闘面では「CQC」と呼ばれる近接格闘術、そして殺すことなく生物を無力化できる麻酔銃「Mk.22」が序盤の攻撃手段となる。CQCは敵兵と組み合った際の迫力が増し、Mk.22は射撃時の感覚が従来よりもリアルになっていた。特に麻酔弾は発射後の弾道がブレるので、狙った箇所へ確実に命中させるためにはある程度慣れが必要だと思われる。あくまでも試遊版から得られた所感ではあるものの、『MGS3』の経験者であれば尚更、銃器類にまつわる操作感の違いが顕著に感じられるかもしれない。

『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』スクリーンショット
『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』スクリーンショット

 そのほか、分かりやすい新要素として“カメラ視点の追加”が挙げられる。リメイク版から実装される「NEW STYLE」を選ぶと、スネークの背後から映像を映し出し、三人称視点に近い視点でゲームプレイを楽しむことが可能。『MGS3』と同等の感覚を味わいたいなら、俯瞰(ふかん)視点でスネークを見下ろす「LEGACY STYLE」を選ぶこともできる。いずれにせよ、プレイヤーの好みに合わせて切り替えられるうれしい仕様だと言えるだろう。

 ネイキッド・スネークの活躍が美しく生まれ変わる『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』は、PlayStation5 Xbox Series X/Steam(PC)に向けて開発中。興味のある方は続報を忘れずにチェックしておこう。

コナミデジタルエンタテインメントブース・『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』フォトスポット
コナミデジタルエンタテインメントブース・『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』フォトスポット
コナミデジタルエンタテインメントブース・外観
コナミデジタルエンタテインメントブース・外観

コナミデジタルエンタテインメント 東京ゲームショウ2024特設サイト
https://www.konami.com/games/event/tgs/

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