『プロスピ 2024-2025』先行レビュー 新モードで野球ゲームとしての“やり込み要素”が格段に上昇

『プロスピ 2024-2025』先行レビュー

 10月17日発売のPlayStation®5&Steam®向けゲームソフト『プロ野球スピリッツ2024-2025』。プロスピシリーズ最新作となる今作は、以前公開したインタビュー記事にあるように“立体音響”の充実や、”音声合成”を使った実況、そしてよりフォトリアルになったグラフィックやモーションなど、一層リアルになった良さはもちろんのこと、新モード「白球のキセキ」や「myBALLPARK」チーム・選手のエディット機能が充実するなど、新たな要素が盛りだくさんだ。

『プロスピ』最新作に込められた「立体音響×球場」と「音声合成×実況」の徹底ぶり 開発者たちが語る“音”の裏側

『プロ野球スピリッツ2024-2025』は、立体音響技術や実在スタジアムの音響情報を収録し、実況に音声合成を導入するなど、音響面…

 今回はそんな同作について、発売前にプレイする機会を得ることができた。プレイ時間が限られていたためすべてとはいかないが、注目のモードや機能についていくつか記していきたい。

 まずは新モードの「白球のキセキ」から。これは「パワプロ」シリーズのプレイヤーにとってはお馴染みとなる「栄冠ナイン」のプロスピ版といって差し支えないだろう。ただし、栄冠ナインにはない要素も多い。スタートする際に都道府県を決めるのだが、実際の高校野球の参加校数や人口をもとに各都道府県に試合数が設定されていたり、育成についても投手であれば各球種の球威とコントロールと変化量などを個別でパワーアップさせなければならないため、より細やかな育成計画が求められる。

 コマンドカード式の練習は変わらずだが、1週間の練習として、3種類をコスト内に収まるように選んでコマンドを実行する(一番左側にあるアイコンにはゴミ箱マークが表示され、ターン経過後に削除される)仕組みに。赤マス・青マスのようなものは存在しないが、ドクロマークや音符マークの付いたアイコンを選べば同様の効果が得られる。同じ練習や同じ色のアイコンを続けて選ぶことで練習効率が高くなるため、これらを駆使して選手やチームを強化していこう。

 また、栄冠ナインでは「転生選手」としてプロ野球選手が入学してくることがあったが、今回の「白球のキセキ」では似たような名前の選手が「プロ選手憧れ部員」として、その選手の能力を一定数引き継いだ状態で登場。筆者がプレイした際には、森友哉選手に憧れている「森竜也」が入部してきた。

 筆者はパワプロの栄冠ナインやアプリ版の『パワフルプロ野球 栄冠ナイン クロスロード』をこれまでかなりの時間プレイしてきたが、「白球のキセキ」は慣れること&強いチームを育てることの難易度がかなり高くなっているように感じた(筆者が試合数の高い地域を選んだせいかもしれないが)。そのぶん、やり込む楽しさは格段にありそうだと感じたため、そういった熱を持ってプレイできるユーザーにとってはおすすめのモードと言えるだろう。

 もう少しライトに、でもリアルな野球っぽいモードをとご所望の方に勧めたいのが「myBALLPARK」だ。最初に球団を選択し、『プロスピA』のような各ランクの選手をゲットするところからスタート。秘書(雪平莉左さん、あのさん、森元流那さん)を選択し、彼女らのサポートを得ながら球団施設や街の設備を充実させることで、チームはより成長し地域密着型の球団として街に不可欠な存在になっていく。これは「球団と産業が連携して、街全体が複合的に潤っていく仕組み」として、MLBの考え方になっている「ボールパーク」構想とも紐づいており、まさにプレイヤーは「BALLPARK」を発展させることが使命なのだ。

 それも難しそう……と思った方も安心してほしい。「ペナントレース」などこれまでのプロスピにあったモードも継続しているし、さらにライトなものとして、ポーカー的なゲームを繰り返すだけで選手が育成できる、いわゆる「サクサクセス」的な「スピリッツ」モードもある。それらの方法で作成した選手は、エディットモードで投・打のフォーム、ベンチ前でのホームランパフォーマンスなどを細かく自分好みに設定できる。瞳や髪型、体型などの人体モデルも詳細に設定可能で、調整できるパーツ項目は、120以上にものぼるというのだから驚きだ。

 また、海外移籍した選手やOB選手も追加で購入が可能。OBはコーチ・監督陣のほか、赤星憲広さん、エルドレッドさん、ロバート・ローズさん、上原浩治さん、金田正一さん、井端弘和さん、イチローさん(94年・00年)、里崎智也さん、李大浩さん、岩隈久志さん、郭泰源さん、西崎幸広さんを確認できた。海外移籍の選手は基本的に日本在籍最終年のデータをもとに作られているが、ユニフォームはそのチームの最新版のものなので、ダルビッシュ有選手は着たことないはずのファイターズユニを着ていて新鮮だったし、大谷翔平選手はまだ現在のようにメジャーでホームランダービーを競うような選手としての能力値ではないのも面白い。これらのアップデートは年数回あるようで、2024年ドラフトの選手や2025年以降の移籍・新加入選手も含め、どのような変更が発生していくのかも楽しみだ。

 まだまだ他の機能やモードも試したかったが、体験が終わってしまったため、今回の先行レビューは以上としたい。気になる方は『東京ゲームショウ』で先行プレイをしたり、他メディアのいろいろなレビューを読むなどして、発売を楽しみにしていてほしい。

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