『Weekly Virtual News』(2024年9月17日号)
不破湊がYouTube100万人登録を達成 『VRChat』はぽこピー×スタンミ×弟者という意外な組み合わせを生む
不破湊が100万登録を達成 有名アパレルによるVTuber向けLive2D衣装販売にも注目
「にじさんじ」では、新たな100万登録達成者が現れた。2019年デビューの不破湊だ。個人の活動はもちろん、ユニット ・ROF-MAOでの活動もめざましく、にじさんじ男性タレントの中でも特に幅広い人気を得ている一人だ。
直近では音楽活動での活躍もめざましく、12月には初のソロライブを控えている。ROF-MAOの方もYouTubeが100万登録に届いており、男性タレントも大きな支持を集める現在のにじさんじを象徴するかのような動きとも言えるだろう。
《リリース》
ななしいんく所属のVTuberをX広告で活用できる「ななしいんく Amplify」の提供を開始https://t.co/V1zLHUc4YM— 株式会社アドウェイズ (@Adways_JP) September 9, 2024
「ななしいんく」はアドウェイズとともに、「Amplifyスポンサーシップ」アライアンス広告商品『ななしいんく Amplify』を発表した。運営企業の774株式会社がアドウェイズの連結子会社であることを活かし、X広告として『ななしいんく』タレントを起用したコンテンツを配信できる商品とのことだ。
資料によれば、これはコンテンツ制作費、キャスティング費を含んだパッケージ型の商品であるため、VTuberを活用する場合は通常のタイアップ依頼よりも費用を抑えられる点がポイントだ。こうした動きを踏まえると、「IPとしてのVTuber活用」が、この事務所でも本格稼働していくものと予測される。
興味深い事例として、VTuberをターゲットに定めたデジタル衣料ブランド「ふぁむふぁむ@あくしーずふぁむ」の立ち上げも挙げられる。これはVTuberの顔のモデリングデータと組み合わせることで“着替え”ができる商品だ。レディースアパレルブランド・axes femmeを手掛けるアイジーエーが、クリエイターチーム・うさねこメモリー協力のもと展開する新規ブランドであり、Live2Dモデルで活動するVTuber向けのモデリング済みデータを販売する。
🎁ショップ公開記念🎁
このポストをリポストしてくれた方に抽選で”お好きなVお洋服”を1着プレゼント👗axes femme×うさねこメモリーの新しいVTuber専門のお洋服屋さん 「ふぁむふぁむ@あくしーずふぁむ」公開したぜ🐰
モデリング済衣装なので誰でも簡単にファッションが楽しめるぞ🐰… pic.twitter.com/9DQZi9XZo9— うさねこメモリー@VTuberさん向けの素材屋さん (@usanekomemory) August 15, 2024
Live2Dモデルの衣装変更は、発注からモデリングまでの費用がなかなかにかさむことから、容易に行えないのが実情だ。「ふぁむふぁむ@あくしーずふぁむ」は、モデリング済みの衣装つきボディを比較的安価に販売している点が特徴的だ。『VRChat』カルチャーにおける市販3Dモデルのような存在が、Live2D VTuberにも根付くだろうか。
ぽこピー&スタンミ&弟者 夢の共演が映したもの
9/14 今日 21時
ぽこピーランド pic.twitter.com/bigDTViglq— スタンミじゃぱん (@sutanmiJPN) September 14, 2024
夏祭りアップデートが実施された『VRChat』内のテーマパーク「ぽこピーランド」に、ストリーマーのスタンミと弟者が来園した。道中の案内を買って出たのは、甲賀流忍者ぽんぽことピーナッツくんその人。『VRChat』上でVTuberとストリーマーが共演する配信の中でも、特にビッグネーム同士と言える面々での共演が実現した形だ。
配信内容は、全ての施設をめぐれば数時間は余裕でかかる広大なテーマパークをめぐり、アトラクションを楽しむシンプルなものとなった。ジェットコースターやコーヒーカップではしゃぎ、お化け屋敷で震え上がり、アクセサリーをつけて盛り上がる、スタンミや弟者のこれまでの配信でも見られた和気あいあいした『VRChat』配信だ。
その一方で、VTuberである甲賀流忍者ぽんぽこ&ピーナッツくんと、ストリーマーであるスタンミと弟者との間で交わされた会話や議論も見逃せない。それぞれの活動の違い、人との接し方、「友達」の捉え方、配信中のスタンスなどなど、様々なテーマを通しておこなわれた会話は、時折ヒートアップする場面もあった。しかし、不思議とケンカにまでは発展しない、絶妙な温度感のトークだった(その分、ある種のグダグダ感も生まれていたのはご愛嬌)。
おつかれさまでした
弟者とぽこピー回でした。 pic.twitter.com/pSRmmSJCNy— スタンミじゃぱん (@sutanmiJPN) September 14, 2024
こうした深い話に花が咲くのは、ソーシャルVRでは“あるある”である。オンラインを通じたボイスチャットではあるのだが、ボディーランゲージ(と、それができる身体そのもの)が介在することで、より情報量の多いコミュニケーションが成立するからだ。
スタンミはトコロバとの配信を通して「友人との何気ない時間」の尊さという、『VRChat』のコアな価値を広く伝えたが、今回もまた一つコアな価値を伝えたように感じる。なにより、VTuber業界で芽生えた「VTuberとストリーマーの交流」が、ソーシャルVRの世界にもやってきたことは、少し感慨深い。