レンズ周りの非対称デザインがチャームポイント デザイナーに三宅一成氏を迎えた新生『AQUOS R9』の魅力

 シャープから発売になるスマートフォン「AQUOS R9」はこれまでのスマートフォンとはデザインを大きく変え、人に寄りそう暖かみを感じさせる外観となった。その一方ではライカのカメラを搭載し、写真撮影性能は非常に高い。その実力を見ていこう。

機能重視からデザイン重視へ生まれ変わった『AQUOS R9』

 『AQUOS R9』はインテリアとも調和する、人にやさしいデザインで仕上げられている。たとえば本体を手に持って見ると、角に合わせて広がるディスプレイのベゼル部分の幅は上下左右とも等間隔であり、視覚的にも美しい。どことなく安心感を与えてくれるデザインに感じられる。

 シャープはこれまでスマートフォンのディスプレイについて「Pro IGZO OLED」技術をアピールしてきた。だが『AQUOS R9』では表立ってディスプレイの性能について大きく触れていない。そもそもシャープのTVやディスプレイ技術の高さは多くの日本人に知られている。『AQUOS R9』のディスプレイ表示が綺麗なことは言うまでもないことであり、それよりもデザイン性を製品特徴として前面に出しているのだろう。

上下左右均等仕上げのフロント面

 

 AQUOSの「Rシリーズ」はライカカメラを搭載したハイエンドモデル。背面のカメラデザインもデジタルカメラを意識して、大きな円形バンプを採用してきた。この形状を活かしてレンズフィルターを装着できるケースも投入するなど、製品が目指すところは「カメラ」だった。ところが『AQUOS R9』は一転して「暮らしに溶け込む」製品に生まれ変わっている。

 『AQUOS R9』のデザインを担当したmiyake designの三宅一成氏は無印良品などにも携わったことで知られている。『AQUOS R9』の開発コンセプトはスマートフォンと人との関わりだという。それは使いやすさや持ちやすさだけではなく、日常生活の中で、生活空間になじむデザインであることにもこだわりを持たせている。

人とのかかわりを重視して開発したと語る三宅一成氏

 

 背面を見ると、カメラの位置は従来モデルとは変わり左上に寄せた配置となった。カメラバンプの形状は自由曲線を組み合わせた左右非対称となっている。あえて非対称にすることで機械的な冷たさを感じさせず、自然に存在するオブジェクトのようなデザインに見えるのではないだろうか。

 また『AQUOS R9』の本体カラーはグリーンとホワイトの2色だが、どちらの色もはっきりとした発色ではなく、くすみ感を加えた淡い色合いに仕上げている。これも天然素材のように感じられる部分だ。このデザインや色合いはヨーロッパで好まれる工業デザインにも通じるところがあり、カメラ部分の「LEICA」のロゴと相まって、ドイツなどで売り出せば話題になりそうだ。

自由曲線を使ったカメラバンプデザイン

 

 シャープが自社の「顔」である「AQUOS R」シリーズのデザインを大幅に変えたのは、従来デザインの継承では新鮮味を消費者に与えられないと考えたからだろう。特に日本ではスマートフォンの販売方法も大きく変わり、円安や景気後退の影響もありスマートフォンを選ぶ判断基準も大きく変わった。「生まれ変わったAQUOS」を見せることが、新たなユーザー獲得には必要なのだ。

 さらに近年は海外展開も本格化している。台湾、インドネシアに次ぎ2024年にはシンガポールでもAQUOSシリーズの販売が始まった。グローバル市場に出ていくために、海外ではブランド力の弱いAQUOSを売るためにも、大手メーカーにはない差別化された製品を投入することは必須なのだ。

AQUOSユーザーを全世界に広げる戦略モデル

 

 カメラも音楽も性能は十分、ビジネスにも使える欲張りスマホ

 『AQUOS R9』のスマートフォンとしての性能は十分高い。チップセットはSnapdragon 7+ Gen 3を搭載、ハイエンドモデルのひとつ下のクラスの製品であり、本体の動作やカメラの動きもしっかり追従してくれる。本体内には発熱を冷却するベイパーチャンバーも内蔵し、安定したゲームプレイもできるだろう。

 そしてカメラは5000万画素の広角と5030万画素の超広角を搭載。一般的なスマートフォンは超広角カメラの画質が低いが、AQUOS R9ならどの画角でも高い解像度の写真を撮影できる。望遠カメラはないものの、2-3倍程度のデジタルズームは十分実用的だ。レンズはライカ監修のHEKTORレンズなので納得の写真が撮影できるだろう。さらに撮影時にはAIを活用。食事を撮影中、影が映ってしまう場合も自動的に除去してくれる。他にも夜景も明るく撮れるなど、AQUOS R9のカメラは高い性能を持っている。

食事の影もAIが自動的に削除

 
 また音楽再生機能にも優れている。小型のBOXスピーカーは再生音量も高く、自宅で音楽をおもいっきり楽しむことができる。さらにワイヤレスイヤホンでもいい音を聞くことができる。Hi-Res Audio Wireless準拠の「Qualcomm aptX Adaptive Audio」に対応しており、対応のワイヤレスイヤホンと組み合わせれば屋外でも高音質な音楽視聴体験が可能だ。

音楽再生にも強いのが特徴

 
ビジネスシーンで活用できそうな伝言アシスト機能は、生成AIを活用した新しい機能だ。電話に出れないときでも、かかってきた内容を録音し、それを文字に起こしてくれる。いちいち再生ボタンを押して録音を聞く必要が無いわけだ。さらに長い伝言の場合は用件だけを要約してくれる。あいさつやさようならといった言葉も消去し「明日の10時にいつものコンビニの前で集合」のようにまとめてくれるのだ。これは会議や客先訪問の多いビジネスパーソンにとって有用な機能と言えるだろう。他のメーカーのスマートフォンでも、まだこの機能を実装したモデルは無いはずだ。

伝言の文字化と要約機能は有用だ

 スマートフォンはどれも同じような外観の製品が増えている。また機能も似通っているのが実情でもある。だが、『AQUOS R9』はデザインにフォーカスしたうえで、ライカのカメラにAI機能を搭載するなど他社にはないスマートフォン体験を提供できる製品に仕上がっている。一見すると派手さはないが、実機に触れてみるとその感触の良さに魅力を感じてしまう、そんなスマートフォンなのである。

唯一無二の存在といえる『AQUOS R9』

 

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