花譜Ch登録者100万人到達、しぐれうい「ロリ神」1億回再生 大台を記録したVTuber業界の動き

大台記録のVTuberたちと、活気づくXR業界

『serial experiments lain』の展示など、ユニークなワールドが多数登場した『VRChat』

 先週は、日本発のユニークなVRChatワールドが話題になった。以下で紹介するワールドは、いずれも一週間以内に1万人が訪れる盛況ぶりを見せている。

 ひとつは、カルト的人気を誇るメディアミックス作品『serial experiments lain』のVRミュージアムだ。Anique株式会社によるプロジェクトとして、『VRChat』に建設されたバーチャルミュージアムの第1弾展示企画 『Weird展 ようこそ、ワイヤードへ』が、6月21日より開催中だ。

 展示内容は、アニメ作中の印象的なシーンの抜粋を、ひとつの作品として展示するものが多い。岩倉玲音の顔が映るシーンだけを集めた「巨大なブラウン管の塔」など、アート性を意識した作品も見られる。

 そして、アニメ版で幾度となく登場する「通学路」の再現空間もある。耳に残る効果音もろとも再現した白い道は、VRで足を踏み入れるとなかなかにインパクトがある。平面の1シーンを立体空間として再構築するシンプルなコンテンツなのだが、やはりこういうものほど訴求力があるものだ。

 ひとつのミュージアムとしてもかなり丁寧に作られており、順路の最後にお土産コーナーまで設置されているのはニクい設計だと感じた。エントランスホールでは、『serial experiments lain』アニメ版本編の視聴ができ、これからこの作品に触れる人も取りこぼさない意思が感じられる。会場への誘い文句も、自然と「lainを好きになりましょう」になるだろうか。

 『VRChat』内でのインタビュー企画動画が話題となったVTuber・エンジンかずみは、その活動の集大成ともいえるワールド『NAGiSA』を発表した。いわゆる集会場的な空間なのだが、「1対1の5分間の会話」をコンセプトに据えているのが大きな特徴だ。

 すでにできあがった輪に入り、話しかけるタイミングをうかがうのではなく、ランダムにマッチングした人と1対1の空間に転送され、5分間だけ会話する。実際にためしてみると、ちょうどいいスパンでローテーションしていくので、コミュニケーションが苦でないならいくらでも続けられそうだと感じた。「見知らぬ誰かとちょっとだけ交流したい」という需要を満たす、VR空間のコミュニケーションの一番楽しい部分を気軽に体験できる場だ。

 『VRChat』関連コンテンツに注力する株式会社Vは、新たな自社開発ワールド『VRC-JP 初心者プラザ』を公開した。これまで有志による制作が多かった、初心者に有用な情報などを提供する「初心者向けワールド」を、企業主導で作り出したものになる。

 方向性としては、操作説明、おすすめワールド紹介、サンプルアバター展示、イベントスペースなど、多機能であることを最重視している。そして、このワールドは同社運営のDiscordコミュニティ「VRC-JP」の派生企画でもある。 

 「Discordコミュニティと接続する企業運営の初心者向けワールド」という空間が、UGCの空気が強い『VRChat』で今後どう発展していくかは気になるところだ。

『VSPO! EN』が6月30日より始動 青月レミア、黒刃アリヤ、地崎ジラの3名がデビュー

ぶいすぽっ!を運営する株式会社バーチャルエンターテイメントから、英語圏プロジェクト『VSPO! EN』が始動する。6月30日10…

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「連載」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる