自分だけの武器を磨くぶいすぽっ!のオンリーワン 兎咲ミミ&空澄セナの“個性”に迫る
デビュー以前からコツコツとプレイしていたゲームがいまの彼女を支える
先にあげた2024年の「ぽぐもん調査」のなかで、リスナーが一番好きな空澄セナの配信は「雑談配信」となっている。オーディションでも認められたトーク力や、彼女の人となり・親近感・親しみやすさをダイレクトに感じたいファンが多いということなのだが、逆に言えば、空澄セナに求められているのがゲームスキルや歌といった部分ではない、ということも示している。
これを単なるアンケートの答えとして受け止めるか、痛烈なメッセージとして重くみるかは人それぞれであろう。だが、企画やトークでリスナーを楽しませるかたわらで、空澄セナがかなりの時間をFPSに割いてきたことは覚えておきたい。
なかでも『Apex Legends』には特に多くの時間を注いでいる。自身がデビューして以来、現在までの4年間支持され続けている同タイトルは、先にも書いたようにオーディションを受ける際に「ブロンズからプラチナ4まであげてから審査に行った」というエピソードもあり、空澄にとっては忘れられないゲームといっても過言ではないだろう。
デビューした直後はゴールドランク、その後はプラチナ~ダイヤモンドランクの間でシーズンを終えることが多かったが、2023年5月から8月までのシーズン17においてマスターランクに到達。デビューから約3年かけてのマスターランク到達ということで、ひとつの目標が達成された瞬間といえる。
『Apex Legends』で地道にプレイスキルをあげていく実直さを育んだ空澄セナだが、じつはデビュー前からつづけていたお気に入りゲームがもう一つある。世界的な人気を誇るeスポーツタイトルとしても知られている『League of Legends(LoL)』である。
じつは彼女はデビュー直後から折りに触れて『LoL』について話したり、配信上でプレイしていたのだが、当時のぶいすぽっ!やVTuber~バーチャルタレントシーンにおいて同タイトルはそこまでスポットライトを浴びていなかった。
そんな状況が変わったのは、ZETA DIVISION所属のストリーマー・k4senによる大会『The k4sen』や彼が夜な夜な開いていたカスタムマッチが話題になってからであろう。この大会・カスタムマッチ配信が影響し、いまではシーンに関わるタレントだけでなくファンたちにも同作品が浸透しつつある。
空澄セナもk4senらによるカスタムマッチには何度か参加しており、相棒・アカリを使って印象的なプレイをみせてきた。「(『LoL』は)『Apex Legends』とおなじくらいプレイしてる」と2022年の配信で話しており、特に相棒キャラ・アカリは相応に練度も高く、使った際のプレイングは多くのファンを魅了するものだ。
2023年末からの「The k4sen」を通じた盛り上がりをうけ、空澄も『LoL』熱が高まったようで、Twitchで配信する際は『LoL』をプレイすることがほとんどだ。こういった経験・盛り上がりもあり、2024年6月にはデビューしたばかりの『LoL』女子・千燈ゆうひとともに、国内リーグ『League of Legends Japan League』のウォッチパーティーを開いている。仕事の都合で途中参加という形にはなったが、熱戦を見守った。
空澄は「特にゲームが上手くない自分でもここまでできるんだということを見せていきたい」と常々話しており、自身も『LoL』と『Apex Legends』の2つのゲームに注力し、ゲームスキル・ランクをどんどんとあげていきたいと語っている。
ぶいすぽっ!内で6人目・7人目である兎咲ミミ・空澄セナの両名は、じつはあまりコラボ配信など目に見えた関わりが少ない2人でもある。空澄が雑談配信を多く取って人気であるのに対し、兎咲は雑談配信などはせずもっぱらゲーム配信が多いタイプ。兎咲が長時間に渡ってゲーム配信をするのに対し、空澄は長時間になるまえにゲーム配信を終えるタイプ。やりたいこと・活動内容が被らない2人とも言えよう。
そんな2人は、自分が輝けるポジションを見つけ出し、コツコツと続けてきたゲームや趣味を活かしていまの活動に反映している、似た者同士な2人でもある。
先輩・後輩の意識もいくぶんか薄い空気でありつつ、すこしずつ大所帯となってきたぶいすぽっ!のなかで、彼女らのようなあり方もあるのだと知られていけば、他のメンバーものびのびと活動できる指針にもなりそうだ。
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