『ハースストーン』の「バトルグラウンド」にハマって思い出す、カードゲームの“原体験”

ハースストーンで思い出す、TCGの“原体験”

 リアルサウンドテック編集部による連載「エンタメとテクノロジーの隙間から」。ガジェットやテクノロジー、ゲームにYouTubeやTikTokまで、ありとあらゆる「エンタメ×テクノロジー」に囲まれて過ごす編集部のスタッフが、リレー形式で毎週その身に起こったことや最近見て・試してよかったモノ・コトについて気軽に記していく。

 第27回は、高校から大学時代にかけて『マジック:ザ・ギャザリング』にドハマりしていた三沢がお送りします。

いまさら『ハースストーン』にハマる キッカケは馴染みのゲーム仲間

 突然ですが、筆者にはオンラインゲームを通じて知り合った友人がたくさんいます(といっても、今の時代では珍しいことではありませんが)。FPSやMMORPG、MOBAなど、様々なゲームをともに遊び、かれこれ10年以上の付き合いになる人もいます。

 学生時代の夏休みにのめり込んだFPSで知り合ったクランメンバー、過去にMMORPGをプレイしていた時代のギルドメンバーたち、MOBAで一緒にプリメイド(チーム)を組んで遊ぶ仲間など、多彩も多彩で、彼らを通じて新しいゲームに出会うこともよくありました。

 そんな友人グループのうちの一人がプレイしていたのが、デジタルカードゲーム『ハースストーン』の「バトルグラウンド」というモード。もともと『ハースストーン』自体はほんの少しだけ遊んだことがあり気になっていたのですが、話を聞いているとどうやら通常のゲームモードとはかなり異なる仕様とのこと。

 通常モードは『シャドウバース』などのように自分のデッキを組んで対戦をしていくという流れ。毎ターン増えていくマナクリスタルを使って手札のミニオン(モンスター)カードを場に出したり、呪文を使ったりして対戦相手の体力を0にすれば勝利といったルールになっています。

 筆者がプレイしている「バトルグラウンド」は、どちらかといえば『オートチェス』や『LoL』の「TFT」モードに近いゲーム性となっています。マナクリスタルが金貨に置き換えられ、カードの購入フェーズで毎ターンランダムに入れ替わるミニオンを購入したり、強いミニオンが購入できるように「酒場」をアップグレードしたりしながら場を強くしていくのが基本的な流れです。

「ドンジャラで役満を目指すゲーム」と言われて

とても弱いけれど、なんだか手札がたくさん増える組み合わせ

 はじめ、筆者が件の友人に「バトグラ(バトルグラウンド)ってどんなゲームなの?」と尋ねたところ、「あー、これはね。ドンジャラで役満を目指すゲームだよ」と返答が。たしかに、『TFT』なども近いところがあるので「わからないでもない」と思いつつひとまずプレイしてみることに。

 最初は友人に教わりつつ対戦し、定石を教えてもらう。すると、徐々に「ドンジャラで役満を目指すゲーム」の意味がわかってきました。

 ミニオン同士のシナジーがたくさんあるので、それらを組み合わせると勝手にどんどん自軍が強くなっていく、あるいは大量のカードが手に入り、本来最大でも10枚しか使えないはずのコストが20、30と使えるようになっていく……。そんな風にして「ちょっとズルいくらい強くなる」瞬間が生まれるのです。強いカードの組み合わせが手に入ったときはなんとも言えぬ全能感があり、気持ちのいい瞬間。一度盤面が揃うとどんどん強くなっていくため、相手を圧倒する瞬間はかなり爽快です。

ランダム性の高さ故の気楽さ 諦めのつきやすさが“ちょうどいい”

 ところでこの「バトルグラウンド」。基本的にランダム要素が強いモードとなっています。酒場に並ぶカードはもちろん、ミニオンたちは戦闘フェーズに入るとランダムな敵ミニオンを攻撃するので、運が良ければ簡単に勝てるし、悪ければそのまま負けます(もちろん、ある程度は運要素を減らすこともできます)。

 人によってはこれを「面白くない」と感じることでしょう。ですが、個人的には「ダメだったとき」の諦めが付きやすいことで気楽に遊べていたりします。友人が「ドンジャラ」とたとえたように、ポーカーや麻雀などに近いゲーム性なのでダメなときはとことんダメで、何をやっても勝てないような気さえしてきます……(笑)。

 それから、ランダム性が高いおかげで盤面や展開が毎ゲーム変わってくるので、飽きづらいところも飽きずに楽しめているポイントです。これはデジタルカードゲームならではの魅力ですね。

 記事冒頭でも述べたように、筆者は学生時代『マジック:ザ・ギャザリング』にドハマりし、デッキを組んで毎週末は友人らとショップの大会に足を運ぶ日々を送っていた時期がありました。そうした競技的な遊び方とはまた異なる「バトルグラウンド」のゲーム性は、どちらかといえばカードゲームに初めて触れたときの「ありあわせのコモンカードでカジュアルに遊ぶ」感覚と近いようにも思います。カードゲームと全く関係のない友人に、まさか“あの頃の楽しさ“を思い出させてもらうとは……。不思議なものですね。

 ちなみに、「バトルグラウンド」はつい先日シーズンが切り替わり、新モードの「デュオ」が追加されたり、登場するカードも大幅にリニューアルが入ったりしたばかり。遊んだことのない人が触れてみるのにちょうどいいタイミングですし、PC/スマホのどちらからもプレイできるので、興味があればぜひ“役満”を目指してみてもらいたいところです。

■関連リンク
『ハースストーン』公式WEBサイト:https://hearthstone.blizzard.com/ja-jp

『Hearthstone』10周年 開発者が語る“デジタルTCGの王道”の歴史と「新しい体験の模索」

デジタルTCGの王道として歩む『Hearthstone』の10年間には、どのような紆余曲折があったのか。制作において中心的な役割…

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「連載」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる