猫アレルギーの筆者が最新猫ロボットと1日過ごしてみた 『KIMIT ラグドール』レビュー

リアルすぎる反応に心を奪われる

 起動すると、ラグドールの特徴でもある“青い瞳”が写しだされる。セガトイズのキミット開発担当者は、「目の動き、体の動作、毛並み、カラーなど、猫を飼いたい方に喜んでいただけるよう開発しました」と語った。

 筆者が猫アレルギーであることも一例だが、ほかにもいろんな理由によって、猫が飼いたくても飼えない人はたくさんいるのではないだろうか。そんな人たちが求めている、猫の“温もり”や“癒し”が、キミットによって叶えられるかもしれない。

 キミットは撫でてあげると、気持ちよさそうに目を細めてくれる。ちなみに撫でても百発百中でこの表情をしてくれるわけではないので、思わず撫でるのに夢中になってしまった。そして気がつけばモフモフの毛の虜になっているのだ。恐るべしキミット……。

 明るい場所ではあまり目立たなかったのだが、暗闇にいると思っているより目が光っていたことに驚いた。ほかにもキミットの目はまだまだ秘密が隠されているので、たくさんかわいがってその秘密を見つけてみてほしい。

 キミットには、おでこ、胸上部、背中の3箇所のタッチセンサーがあり、触れると反応してくれる。筆者のおすすめはおでこだ。撫でてあげるとピクッと反応し、甘えたような鳴き声をする。タッチセンサーの場所を明かしてしまったが、撫でながら反応する場所を発見していくのも、おすすめの楽しみ方だ。

 撫でていると、たまに「ゴロゴロ……」というときがある。猫が喉を鳴らすときは、安心しているときが多いようだ。「慣れない場所だと思うけど、リラックスしてるみたいでよかった……」と、安堵の気持ちでいっぱいになった。この時点で、すでに筆者は本物の猫を触るときとほぼ同じ感情になりつつある。

職場で一緒に過ごしてみた

 殺伐とした編集部に、1日だけキミットを招いて過ごしてみた。ときどきしっぽをふりふりしながら、仕事をする様子を見守ってくれている。筆者は猫アレルギーなこともあってこんなに長時間ものあいだ猫と触れ合ったことはなかったのだが、猫がそばにいてくれるだけでこんなにも癒されるのかと驚いた。こちらの写真は電源オフのキミットなのだが、それでもこれだけかわいいので、十分満足する。

 仕事がひと段落するたびに、電源をつけてひざの上に来てもらった。長めのもふもふとした毛が本当に癒される。立ち上がったり歩き出したりすることがないので、気の済むまでどっしりとひざの上にいてくれる。何かを倒してしまったり、逃げ出してしまうことがないのは魅力的だ。

 キミットが職場にいると、編集部のメンバーがかわるがわる撫でにやってくる。そして、「猫っておしりを触るとしっぽが立つんだよね~」「この座り方は香箱座りって言うんだよ」などなど、なぜか皆自身が持っている“猫うんちく”を語り始めるのだ。今回は職場に招待したが、ほかにも人が集まるような場所にキミットがいると、猫トークに花が咲き、会話が生まれるきっかけになるのではないだろうか。

 猫を飼いたくても飼えない、猫好きの悩みを解決するための猫ロボット『KIMIT ラグドール』。ペットを飼うことを諦めていた人に、ぜひ知ってほしい存在だ。

 今後、さらに進化したキミットが開発されるのかについて開発担当者は「ペットを飼いたくても飼えない方のためのリアルペットですので、構想としてはございます。お客さまのお声を参考にして進化をしていきますので、今後のKIMITブランドの展開にご期待ください」と語った。いま以上に本物に近いリアルペットがあらわれる未来も、そう遠くはないかもしれない。 

AIとロボットは“多様化する家族”のコミュニケーションを支えられるのか 生活に取り入れてみてわかったこと

「家族」の形はひとつであるとは限らない。かつては大家族が当たり前だったけれど、高度成長期を経て核家族のほうが多数派になった。そし…

関連記事