脳波でPCを操作できる“脳直結インターフェイス”搭載 世界初「Neuralink患者」の動画が公開

世界初、Neuralink患者の動画が公開

 実業家のイーロン・マスク氏が出資しているNeuralinkは、脳直結インターフェイスの手術を初めて受けた男性の様子を動画で公開した。

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 Neuralinkでは脳に装置を装着し、外部との通信を可能にする「Brain-Computer Interface(BCI)」を開発している。BCIでは脳波を読み出してワイヤーで頭蓋骨の外に取り出し、Bluetoothで通信することで、コンピューターやスマートフォンなどを操作できることを目標としている。

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 NeuralinkのBCIを装着したNolan Arbaugh氏は、8年前にダイビングの事故で首から下が麻痺したという経歴を持つ。しかし動画の中でArbaugh氏は、「フォース(意識)」の力でコンピュータのカーソルを動かし、チェスを楽しんだり、音楽プレーヤーを操作したりする様子を披露した。

 Arbaugh氏によれば、BCIの手術は非常に簡単だったものの、カーソルを操作できるようにするためには「想像した動きと試みた動きを区別する方法」を学ぶ必要があったという。具体的には「右手を左、右、前、後ろに動かそうとすることで、直感的にカーソルが動くのをイメージできるようになった」と述べている。

発表時に公開されたアプリのイメージ

 Arbaugh氏は以前、マウススティックのような器具でコンピューターを操作していたが、長時間の操作はむずかしかったと語る。しかし、BCIの手術により長時間のゲームプレイが可能になったのだという。なお、BCIの動作時間は約8時間ほどとのこと。

 Arbaugh氏は、NeuralinkのBCIについて、初期はいくつかの問題があったものの、現在はその体験に満足していると述べている。今後は同氏のような障がいを抱えた人だけでなく、健常者でも自分の能力を拡張するために、コンピューターを自分の体に装着する未来がくるのかもしれない。

〈Source〉
https://twitter.com/neuralink/status/1770563939413496146
https://www.engadget.com/heres-a-video-of-the-first-human-neuralink-patient-controlling-a-computer-with-his-thoughts-235659486.html

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